ハイスクールD×D―魔法使いのキセキ―
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旧校舎のディアボロス
第05話
前書き
今思えば、第04話とこの話をまとめてもよかったかもしれないと思いました。
朔夜の設定と神器の紹介です。
是非見ていってください。
「さて、こっちの話は一通り終わり。次はあなたの話をしてもらうわよ?サクヤ」
そういうと全員の視線が俺に集まる。
「わかりました。単刀直入に言うと俺は魔法使いです」
俺ははっきりとそう言う。皆は予測道理だったのか納得している感じがする。ただ一人を除いて。
「魔法使いだったのか!朔夜!それって三十までグホッ!!」
イッセーがずれたことを言い出したのでつい杖をだし吹き飛ばしてしまった。だが俺は悪くないと思う。
なんで魔法使いと聞いて出てくる発想がそれなんだ。この流れでその発想をする辺りさすがイッセー。ほめるつもりは微塵もないが。
「まぁ、魔法使いと言っても半人前ですが」
「何事も無かったかのように続けたわね・・・」
「構っていると話が進みそうもないので」
頭を打ったのか、悶えているようだが気にしない。
「そう、ということは最初から私たちには気づいていたのね?」
「いえ、そういうわけではないです」
「魔法使いなのに気づいていなかったという事かい?」
「知識でしか知らなかったので。三大勢力の事や神器の事などこっちの世界については教授・・・あ、俺に魔法を教えてくれた人の事なんですが。教授から聞いていたんですが実際に見たことはなかったので。先輩方に違和感を感じてはいたのですが」
俺は人ならざる存在を見たことがなかった。魔法を含めて様々なことを教えてもらったが実際に体感したのは魔法に関することのみ。
戦闘だって教授と試合程度の事しかしたことがない。
「おかげで天野が堕天使だとも気づきませんでした。気づいていたらイッセーを守ることが出来たかもしれないのに・・・」
これは本当に悔やまれる。いまならあのオーラが堕天使のものだと気付くことが出来るが、完全に後の祭りだ。
「ん?お前、夕麻ちゃんの事覚えているのか?」
痛みが引いたのかイッセーが聞いてくる。
「ああ、あいつの記憶を消す術をレジストした。昨日の朝に異変に気が付いてそれを調べたくてあえて嘘をついた。すまない、イッセー」
「そうだったのか。いや、大丈夫だ」
「ということはあなたが魔法使いになったのは最近なの?あなたの家は魔法使いの家系とかではなかったはずだけど」
グレモリー先輩が聞いてくる。俺について調べたみたいだ。
「はい、大体四年前からです。四年前に俺の持つ神器が発現してその時に暴走しまして。助けてくれたのが教授でした」
「あなたも神器を持っていたのね」
そう、俺も神器を持っている。イッセーみたいに未発現じゃないからあんな恥ずかしいことをしなくていいのが救いだ。
「どんなものか見せてもらえる?」
「構いませんよ」
そういうと俺は自分の神器を取り出す。胸元に光があふれ、それが収まるとそこにはピンポン玉サイズの水晶のようなものが付いたペンダントが現れる。
「『源力の湧泉』。所有者の法力を吸い、ため込むことが出来る力があります」
「源力の湧泉・・・聞いたことないわね」
「発現例が少ないそうです」
どうして発現例が少ないのか聞いたことがないが、それだけレアなモノなのだろう。
「そう、法力を溜めるね。魔法使いにはピッタリじゃない」
「ええ、だから教授も俺を魔法使いになるよう勧めたのでしょう」
法力を溜め好きな時に出すことが出来る。さながら予備のバッテリーを持っているようなものだ。
「ん?法力ってなんだ?」
イッセーが聞いてくる。こいつはこっちの世界を全く知らないんだ分からなくても仕方ない。
「魔法を扱うための力だ。ゲームとかの魔力みたいなものだ」
詳しくいえば法力と魔力は違うんだが今はこれくらいの説明でも十分だろう。
「これはどのくらいため込むことが出来ますの?全く力を感じないのですが」
姫島先輩が聞いてくる。この神器は所有者にしかため込んだ魔力を感じることが出来ないのも特徴だ。
「上限は分からないですね。ただ、今感じるグレモリー先輩と姫島先輩の二人の魔力量を足しても届かないくらいは貯まっているかと」
「え!それは・・・すごいわね・・・」
先輩方の魔力量がどれほどすごいのか分からないが伊達に長年溜め続けていない。俺個人の法力量だと二人に敵わないがクリスタルに溜めている法力では大きく勝っている。
「俺からの説明は以上です。何か質問はありますか?」
「そうね。・・・あなた、私の眷属になってみる気はない?」
教授について聞いてくると思っていたためこの質問は予想外だ。
「眷属ということは悪魔になるってことですよね?」
「ええ、そうよ。悪魔になれば身体能力や魔力も上がるし寿命も延びる。それにやり方次第ではモテモテな人生を送れるかもしれないわよ?」
「なんですと!?」
俺とグレモリー先輩が話していたのに『モテモテ』と言う言葉にものすごい勢いで反応した。考えるより言葉が出た感じだ。
「悪魔は先の戦争で数を減らした。悪魔にも性別があって子供も生まれるけど出産率がかなり低いのよ。だから素質のある人間を下僕として引き込むことにしたの」
「やっぱり下僕じゃないですか」
イッセーが落ち込むがまだ話は終わっていないようだ。
「話はここからよ。悪魔は力ある転生者にチャンスを与える制度を作ったの。力を認められれば転生悪魔でも爵位を与えることの制度を」
その言葉を聞いてイッセーの目に再び光が入る。むしろさっきより強くなっている。
「な、なら俺でも爵位を得ることが出来るんですか!?」
「可能性はあるわ。相応の力と時間がかかるでしょうけど」
「うぉぉぉぉぉぉぉおおおおおーーーーー!!
なら、ハーレムを作ることも!エッチなことをしてもいいんですよね!?」
「自分の下僕にならいいんじゃないかしら」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおーーーーーーーーーーーー!!!!!」
かなりうるさい・・・さっきから耳を塞ぎっぱなしだ。
「ふふ、面白いわ。この子」
「あらあら、部長がおっしゃった通りですね。『おバカな弟が出来たかも』と」
二人ともこんな弟は疲れるだけです。面白いのははたから見ているからだとおもいます。
「イッセーは私の下僕ということでいいわね?」
「はい!リアス先輩」
「私の事は『部長』と呼びなさい」
「『お姉さま』じゃだめですか?」
「それも素敵だけど、この部を中心に活動しているからやっぱり部長でお願いね」
どうやら『部長』という言葉を気に入っているようだ。さすが趣味でオカルト研究部をしているだけはある。
「はい、部長!俺に『悪魔』を教えてください!!」
そういいながらイッセーはグレモリー先輩に頭を下げる。しっかり90度だ。
「それで、サクヤはどうかしら?」
「確か色々と興味をそそるものはありますが。いや、ハーレムは別ですけど。悪魔になることはお断りさせてもらいます」
「それはなんでかしら?」
グレモリー先輩が聞いてくる。少し警戒されているか?
「ただ、人間でどこまでやれるか試してみたいだけです。後は人間のままで教授に追い付いてみたいからですね。
教授は俺にとって目標ですから」
確かに魔力が上がるのは魅力的だが俺は俺の方法で強くなりたい。別に悪魔になることを嫌悪しているわけではないが何か違う気がする。
「そう、無理強いするつもりもないし今は諦めるわ。もし悪魔になりたくなったらすぐに言って頂戴ね」
諦めると言っている割に内容が全く諦めていないように聞こえる。気のせいではないだろう。
「でも、オカルト研究部には所属してもらうわよ?」
「ええ、どうせ帰宅部ですし問題ありません」
さて、話もまとまったところで今度は俺たちが自己紹介をしよう。
「二年の望月朔夜。魔法使いです。よろしくお願いします」
「同じく二年!兵藤一誠です。悪魔始めます!!よろしくお願いします!!」
ふぅ、これからどうなることやら。まぁまずは
――――――――――ハーレム王に俺はなる!!
このバカを落ち着けるとしよう。
後書き
魔法使い向きの神器ですが、デメリットも存在します。克服可能ですが。
ここまで読んでいただきありがとうございます
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