万華鏡
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第三十七話 夏祭りその五
「そうしよう」
「今からジャンケンしてね」
「そうしてね」
講師tえ実際にジャンケンをしてそのうえで誰が何を買ってくるのか決めてだった。
五人はそれぞれの買ってくるものを五人前ずつ買ってきた、勿論酒も貰った。
そうして神社の端に集まってだ、そこで車座になって食べはじめた。
その中で串の焼き鳥を横から食べながらだ、琴乃は四人にこう言った。
「ねえ、いい?」
「いいって何が?」
「何がいいの?」
「いや、今こうして食べてるけれど」
実際に食べながらの言葉だ。
「私達あまり太らないわよね」
「その分動いてるからな」
美優は好物の大阪のお好み焼きを食べながら応えた。
「だからな」
「部活でよね」
「身体動かしてると太らないよ」
言いながら日本酒を飲む、酒は紙コップに入れている。
「それでな」
「そうなのね」
「ただ、運動止めるとな」
「そっからよね」
「そうだよ、太るよ」
美優は怖い現実を今言った。
「体質にもよるけれどな」
「そうなるわよね、やっぱり」
「うちの親戚も叔母さんもなんだよ」
「太ってるの?今は」
「昔は陸上部だったらしいんだよ」
言うまでもなく走る部活だ、それこそ軽音楽部以上にだ。
「学生時代の写真見たらすらってしてるんだけれどさ」
「それが今は、なのね」
「まん丸だよ」
実にわかりやすい表現だった、これで充分なまでに。
「ふくよかだよ」
「走らなくなったらなのね」
「本当にさ、全然違うからな」
美優はその叔母さんのことを飲みそして食べつつ話す。
「別人みたいだよ」
「そこまで変わるのね」
「元々食べる方だったらしいんだよ」
「けれど身体を動かしてたからなのね」
「学生時代は痩せてたんだよ」
そうだったというのだ。
「それで高校卒業して結婚してさ」
「身体を動かさなくなったら」
「今三十五だけれど」
中々微妙な年頃だろうか、身体的には。
「別人になるからな」
「別人なのね」
「お姉ちゃん自身もそう言ってるよ」
本人もだというのだ。
「だから気をつけろってな」
「ううん、それじゃあね」
「あたし今の体型お姉ちゃんの若い頃に似てるんだよ」
美優は飲みつつこうも言った。
「だから余計に気をつけてるよ」
「そうなの」
「本当にな、顔はともかくとしてな」
綺麗だというその顔はとりあえず置いておいてだというのだ。
「体型似てるからさ」
「その人も背が高いのね」
彩夏がその美優に問う。
「スタイルもよくて」
「いや、あたしはスタイルはさ」
美優は自分の話だとわかって苦笑いで返した。
「駄目だからさ」
「そう?美優ちゃん凄くスタイルいいわよ」
「よくないよ、胸小さいよ」
「小さいかな」
「彩夏ちゃんと比べたらさ」
五人の間どころか学園内でも屈指の胸を誇る彼女とだというのだ。
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