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転生とらぶる

作者:青竹
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魔法先生ネギま!
  0350話

 超の武道会に関する話も終わり、周囲がざわめいている。
 ちなみに、この大会の最後の優勝者はナギ・スプリングフィールドであるという発言を考えるに、恐らく超の狙いはネギなんだろう。
 修学旅行の時のように魔力タンクとして……というのとはちょっと違うと思うが。何しろ本気で狙うのだとしたら、今までその機会は何度でもあった筈なのだ。それをしなかった所を見ると、この麻帆良祭という時期に何か関係があるんだろうが……

「まぁ、その辺は何かあったとしてもネギの自己責任だろう」

 京都の時とは違って、今回は魔法先生や魔法生徒達もいるだけに戦力不足にはならないだろうし、そもそも俺の仕事にはネギの魔法使いとしてのフォローというのは入ってないしな。

「もっとも、超から依頼を受けてこの武道大会に参加したと知られたらそれなりに問題になる可能性はあるだろうが」

 とは言っても、マーカーが修理出来る可能性を考えるとそれを逃すなんて真似を出来る筈も無い。
 チラリとネギの方へと視線を向けると、そこには長瀬、龍宮、古菲といったクラスでも武闘派の面々が集まってきているのが見える。そして高畑やエヴァの姿もあり……あ、目が合った。
 俺に気が付いたエヴァがチャチャゼロと共にこちらへと近付いてきて口を開く。
 そうか、世界樹の魔力の影響で今はチャチャゼロもそれなりに自由に動けるのか。

「アクセル、お前も参加するのか」
「ここにいるとなると、エヴァ、お前もか?」
「うむ。ぼーやの修行の成果を見るためにな。お前は?」
「超に依頼されてな」
「お前が依頼されただけでこんな武道大会に出るとは思わんがな」

 どこかこちらを探るような目付きでそう口を開くエヴァ。俺の事情を知っているのだから別に隠す必要はない、か。

「ヘルマンにトドメをさされたマーカーを修理出来るかもしれないと提案されてな。もし優勝したらという条件付きだが」
「マーカー……あれか」

 微かに顔を曇らせるエヴァ。まぁ、それも無理はない。トドメをさしたのは確かにヘルマンだったのだが、半壊にしたのはエヴァなのだから。もっとも、戦闘の中での出来事なだけに俺は余り気にしていないのだが。

『では参加者は前に出てクジを引いて下さい。予選会はくじ引きで決まった20人1組で行われるバトルロイヤルとなっています。予選会開始ギリギリまで参加者を受け付けます。年齢性別資格制限一切無し! 本戦は学祭2日目の明朝午前8時から。では、只今より予選会を行います!』

 その放送を聞いた参加希望者がそれぞれくじ引きをしに前へと出て行く。

「む。くじ引きか」
「ケケケ。御主人ハ運ガ悪イカラナ」
「黙れチャチャゼロ」

 そんな風に言い合いをしながらもエヴァもまたくじ引きに。その後を追いかけるようにして俺もまたくじ引きをする。取り出したくじに書かれていたのはHの文字。即ち。

「Hブロックか」
「はい、ではHブロックの試合会場へと移動して下さい」

 超の手伝いをしている龍宮神社の巫女に促されてHブロックと書かれた試合会場へと移動する。
 そうしてHブロックに集まってきたのはまさに有象無象の奴等だった。……いや、外見だけで見ればムキムキの筋肉を付けたりしてる奴もいるのだが、どう見てもその筋肉は実戦では使えなさそうな見せかけにしか見えない。

「ん? どうした坊主。迷子か?」

 俺がじっと見ているのに気が付いたのだろう。筋肉の男がそう尋ねてくる。

「いや、参加者だ」
「は? 参加者だと? おいおい、ここは子供の遊び場じゃないぜ。怪我をしないうちにさっさと降参しろよ」
「……そうだな」

 まともに相手をするのも馬鹿らしいとばかりに調子を合わせて頷いておく。
 そうこうしているうちに残りの人数も集まり始め、A~Hの8組全ての試合会場の準備が整い、朝倉の言葉が周囲へと響き渡る。

『では、予選開始です!』
「さて、まずは坊主が怪我をしないうちにリタイアさせてやるかな」

 先程の男がそう言いながらこちらへと近寄ってくる。その言葉通りに俺を狙っての行動だろう。……こうして言動を見る分には悪い奴じゃなさそうだな。相手の力量を見抜けないのはともかくとして。

「ほれ」

 突き出された腕をするりと回避し、潰さないように注意しながら男の手首を掴む。そしてそのまま男の力をコントロールし……
 ドゥンッ!
 手首を支点として2m近い男が回転し、そのまま床へと叩き付けられた。同時に気を失う男。
 一応、床へと叩きつける寸前にある程度は衝撃を殺しているので数時間で目を覚ますだろう。

『おおっとぉっ! B、Eブロックに続きHブロックにも子供の参加者が存在したぁっ! っていうか、あの大男を難なくあしらって気絶させるとか見ていた私でもちょっと信じられないぞ!』
「アクセル君、頑張って!」

 朝倉の声に混じって聞こえて来る声援。チラリとそちらへと視線を向けると、あやか達4人に大河内、明石、和泉、そして桜子の姿もあった。佐々木がいないのはネギの応援をしているんだろう。

「おいおいおいおい。今何をしたんだ、この坊主?」

 高校生程の男がそう言いながら訝しげに俺へと視線を向ける。……が。

「ぐはっ!」

 後ろからこっそり近付いていた柔道着を着た男に絞め技を使われ、あっさりと気を失う。……まぁ、バトルロイヤルなんだから一人だけに対して警戒してないというのは確かに自業自得か。

「けど残念でしたっと」

 地面を蹴り、柔道着を着た男の背後へと回り込みその首筋へと手刀を振り下ろす。
 さすがに瞬動とかそういうのは使ってないが、ノーマルの速度でもこの程度の有象無象をどうにかするのはそう難しい話ではない。

「さて、取りあえずはこの予選を突破するとしようか」

 そう呟き、周囲の参加者達が俺を警戒する中で次の獲物を探して周囲を見回すのだった。





「ま、結局こんなものか」

 予選が始まってから約10分。Hブロックのバトルロイヤルが行われた試合会場の上に立っているのは俺だけだった。

「う……」

 いや、訂正。俺ともう1人がギリギリだが立っていた。外見的には麻帆良祭だけありコスプレっぽい格好をしている男だ。さっさと予選を終わらせるべく地を蹴り、男の背後へと回り込み……

『Hブロック、そこまで! Hブロックからの予選突破は3人目の子供出場者アクセル・アルマー選手と山下慶一選手です!』
「……む?」

 首筋へと手刀を叩き付ける寸前で朝倉の声が聞こえてきた。
 そう言えば予選から勝ち残るのは各ブロック2名までだった。

「運が良かったな」

 山下とかいう男の背を軽く叩き、試合会場から降りていく。そんな俺を呆然とした目で眺める山下の視線が背に突き刺さっていたがスルーしておく。





 本殿の前に予選を突破した16名が集まっている。当然俺もだが、どうにも見覚えのある人物が数多く揃っていた。

「やっぱりアクセルも予選は突破かぁ。まぁ、当然と言えば当然やけどな」

 俺の姿を確認した小太郎がそう言いながら近付いてくる。

「そっちも危なげなく突破したらしいな」
「へへっ、予選なんかは楽勝や。問題は本戦やな。色々と強そうな奴等が揃うとるし」
『皆様、予選突破おめでとうございます。本戦出場選手16名が決定しました。本戦は明朝午前8時より龍宮神社特別会場にて行われます! では大会委員会の厳正な抽選の結果決定したトーナメント表を発表します』

 小太郎と話していると、本殿の奥から現れた朝倉がそう言いながらトーナメント表を突破する。

「へぇ……」

 そこに表示されているのはなかなかに興味深いものだった。

第1回戦
佐倉愛衣VS犬上小太郎

第2回戦
大豪院ポチVSクウネル・サンダース

第3回戦
長瀬楓VSアクセル・アルマー

第4回戦
田中VS高音・D・グッドマン

第5回戦
龍宮真名VS古菲

第6回戦
ネギ・スプリングフィールドVSタカミチ・T・高畑

第7回戦
神楽坂明日菜VS桜咲刹那

第8回戦
エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルVS山下慶一

 となっている。

「おや、拙者の相手はアクセル坊主でござるか。よろしく頼むでござるよ」

 俺の近くでトーナメント表を見ていた長瀬に声を掛けられる。

「そうだな。ただ、悪いが俺は事情があって負けられないんだ。本気でいかせて貰うからな」
「む、むぅ……アクセル坊主の本気でござるか……その、一応殺しは無しだというのは理解してるでござるな?」

 若干頬を引きつらせながら長瀬がそう聞いてくる。……そう言えば修学旅行での最終決戦にこいつもいたからある程度は俺の力を知ってるのか。

「さすがにその辺は理解してるさ」
「そ、そうでござるか」

 安堵の溜息を漏らす長瀬を横目に再度トーナメント表へと視線を向ける。
 他のトーナメントで気になる試合と言えば、ネギと高畑か。……ん?
 ふとトーナメント表に気になる名前があるのを発見する。高音・D・グッドマンに佐倉愛衣。この2人は昨日近右衛門に呼ばれた時に会った魔法生徒で間違い無いだろう。何やら俺をマギステル・マギとして教育するとか何とか言ってたが……それが狙いか? いや、でも俺がこの大会に出場するように依頼されたのも出ると決めたのも今日だから、それは無いだろう。本人達に事情を尋ねてみようにも既に他の面々は解散しており、残っているのは3-Aの関係者のみとなっている。

「アクセルさん、これから3-Aの皆で1日目の打ち上げをしようという話になってるんですがどうでしょう?」

 武道大会について考えていると、横から綾瀬に声を掛けられる。

「あー、俺はいいんだが……」

 チラリとネギの方へと視線を向けると、そこではネギと高畑が仲よさそうに話をしている。
 俺の視線の先に気が付いたのだろう。綾瀬が溜息を吐きながら頷く。

「確かにネギ先生と喧嘩をしているというのは知ってます。でも、いつまでもそのままというのはどうでしょう? 大人として多少歩み寄るぐらいはしてもいいのではないでしょうか?」

 俺の記憶を体験して、実年齢を知っているからこそ出た言葉だろう。

「そうだな、まぁ、偶にはいいか」
「ほら、アクセル君。行こうよ」

 綾瀬の後ろからひょっこりと顔を出した円と美砂の2人に連れられ、打ち上げの会場であるコーヒーショップへと向かったのだった。





「飲めー! 食えー! 歌えー! 騒げー!」

 打ち上げのコーヒーショップに着いた時には、既に盛り上がりまくっている最中だった。早乙女が歌い、鳴滝姉妹が盛り上げ、そこに一足早くこの店にやってきていた明石がさらに盛り上げていく。まさに天井知らずの盛り上がりを見せる中、俺はあやか達と一緒にサンドイッチやピザといった軽食を食べながら話していた。

「アクセル君、格好良かったよね」
「けど、あの大きい人はちょっと可哀想だったかも」
「お化け屋敷も大繁盛でしたわね」
「そうねぇ」

 そんな風に会話をいていると、クラスの面々に群がられているネギが目に入ってきた。なにやらアワアワしている様子なのがここからでも分かる。そしてその様子を眺めていると、綾瀬に言われた言葉が脳裏にふと過ぎる。
 ……そうだな、いつまでもこのままという訳にもいかないか。
 溜息を吐き、席を立つ。

「あれ、どうしたの?」
「ちょっとネギを助けてくる」

 円にそう言い、大河内や佐々木、明石や長谷川といった面々に囲まれていたネギを引っこ抜く。

「うわっ! え? ちょっ、あれ? アクセル君!?」
「ちょっとネギを借りるぞ」

 混乱しているネギを引っ張って、店の隅へと引っ張っていった。

「ほら、落ち着け。全く、教師があんな風にアワアワしてるのはみっともないぞ」

 オレンジジュースの入ったコップを渡しながらそう言い、俺は手に持っていたチキンカツサンドの最後の一口を口の中へと放り込む。

「あ、ありがとう。……でも、何で?」
「さてな。誰かさんが余りにもアワアワしすぎていたからだろうな」
「……ごめん」
「ま、いいさ。それよりも明日の大会は色々と面白そうな事になりそうだな」
「え? う、うん。でも僕の対戦相手はタカミチだから……」
「……負けるつもりで戦うのか?」
「そんな事はない! ……けど……」

 そこまで言って、どよーんと落ち込むネギ。
 まぁ、それもしょうがないと言えばしょうがない。何しろこいつの周囲には3-A関係者が固まっているのだ。1回戦をどうにかしたとしても、次は恐らく龍宮。それに勝ったとしても次は恐らくエヴァだ。

「エヴァに修行を付けて貰ってるんだろう?」
「それはそうだけど、けど、その肝心のマスターと戦うなんて……」
「……俺は決勝で待ってるからな。お前の力を俺に見せつけてみろ」
「アクセル君?」

 その言葉に不思議そうに小首を傾げるネギ。

「己の道を通すには力が必要だ。幾ら正義だ何だと聞こえのいい言葉を並べ立てたとしても、そこに力が無いのならそれは単なる無様な理想……いや、妄想に過ぎない。だからネギ。俺にお前の信じる力を見せてみろ」
「……分かった。僕の力、それをアクセル君に証明してみせる!」

 決意の固まった目でこちらを見て、頷くネギ。
 ま、和解とはいかなかったが今はこんなものでいいだろ。
 何やらこの後にいろいろとやらなきゃいけない事があるというネギと別れ、打ち上げと言うか、中夜祭を楽しむのだった。 
 

 
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:39
PP:655
格闘:266
射撃:286
技量:276
防御:276
回避:306
命中:326
SP:470
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
   努力 消費SP8
   集中 消費SP16
   直撃 消費SP30
   覚醒 消費SP32
   愛  消費SP48

スキル:EXPアップ
    SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
    念動力 LV.10
    アタッカー
    ガンファイト LV.9
    インファイト LV.9
    気力限界突破
    ギアス(灰色)
    魔法(炎)
    魔法(影)
    魔法(召喚)
    闇の魔法
    異形化

撃墜数:380 
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