ヘタリア大帝国
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TURN82 ケツアル=ハニーその十
枢軸とアステカの戦いのことはヒムラーも聞いた、彼はそのことについて首を捻りそのうえでこう部下達に言った。
「何かどうでもいい感じだね」
「両軍の戦いは、ですか」
「そうお考えですか」
「まあ今連合軍は戦力の再編成と戦線の構築に忙しいからね」
これはドクツとて例外ではない。
「だからその間枢軸が何処かと戦ってくれているのは」
「我々にとっては有り難い」
「こちらには仕掛けてこないだけに」
「そう、好都合ではあるよ」
それは間違いないというのだ。
「けれどそれでもね」
「戦局自体はどうでもいいですか」
「どちらが勝とうと」
「枢軸が勝つだろうね」
ヒムラーはあっさりと言い切った。
「アステカの状況はよく知らないけれどね」
「枢軸の方が国力が上」
「だからですね」
「枢軸は国力だけはあるんだよ」
「しかし頭はない」
「それが連合ですね」
「そう、だからね」
それでだというのだ。
「枢軸の方が勝つよ」
「問題は枢軸がどれだけ時間をかけてしまうか」
「それですね」
「アステカには精々粘ってもらいたいね」
枢軸とアステカの戦いについてはこの程度しか思っていないヒムラーだった。
「応援はするよ」
「出来るだけ粘って欲しい」
「それがアステカへの願いですか」
「援助もしないけれどね」
これも最初から考えていない。
「こちらも再編成に総力を使っているからね」
「そしてあの機械の兵達にも」
「彼等にもですね」
「そしてサラマンダーに機械の宇宙怪獣」
「彼等のことも」
「最後に勝つのは俺だよ」
ヒムラーはドクツではなく自分だと不敵な笑みで言い切った。
「枢軸でもエイリスでもソビエトでもなくね」
「どうも最近ソビエトの勢力が大きくなっていますが」
「それでもですか」
「エイリスと彼等は枢軸と潰し合ってもらうよ」
そしてそれからだというのだ。
「生き残った方を潰せば終わりさ」
「ドクツの世界が訪れますね」
「それで」
側近達、真の意味でのそれの彼等も頷く。
「我等がドーラ教の」
「その世界が」
「もうドーラ教はドクツの重要な宗教になった」
他ならぬヒムラーが定めたことだ。
「後はね」
「はい、次はですね」
「この世界を」
側近達も応じる、そうした話をしてだった。
ヒムラーは今は戦力の再編成に取り掛かっていた、それはドクツの為ではなく己の為だけにしていることだった。
TURN82 完
2012・1・15
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