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ヘタリア大帝国

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TURN82 ケツアル=ハニーその九

「それでなんや」
「戦争はお祭りですか」
「アステカではそや」
「そういえば生贄祭りとかも」
「実際には殺したりせんけどな」
 それはこの国にはない。
「それでも生贄に扮した女の子の周りで賑やかにやって盛大に騒ぐやろ」
「私もいつもその中にいますし」
 のぞみはいつも生贄役だ、そうした意味でも女神なのだ。
「それは知ってるつもりです」
「とにかくそうした国なんや、ここは」
「お祭りが大好きなんですね」
「それで戦争もするんや」
 戦争はハレ、それ故にだというのだ。
「じゃあそろそろ枢軸も来るし」
「戦いですか」
「いっちょやるか。アメリカの奴いてこましたるわ」
 キューバは何故かバットを出して血走った目になる。
「あいつとは色々あったさかいな」
「あの、キューバさんとアメリカさんは」
「おうよ、大嫌いや」
 キューバはその血走った目でのぞみに話す。
「あいつだけはな」
「キューバさんがアステカに入る前は」
「色々揉めたんや」
 そうしたことがあったというのだ。
「結構な」
「それで今もですか」
「大嫌いなんや」
 とにかくそうだというのだ。
「他の連中とは何ともないけれどな」
「親分は好きやで」
 メキシコが笑顔で言う。
「あの人は」
「親分ってスペインさんですよね」
「そや、伊勢志摩と付き合いは長いんや」
 アステカとその国はそうだというのだ。
「そやからな」
「スペインさんとは仲がいいんですか」
「そういうこっちゃ。まあ親分とも仲良くやるか」
「スペインは歓迎するぞーーーー!」
 ハニーも楽しそうに叫ぶ。
「伊勢志摩とも遊ぶ!」
「遊ぶ!遊ぶ!」
「楽しく遊ぶ!」 
 人もハニワ達も楽しそうに叫ぶ、ハニーに応えて。
「一緒に遊ぶ!」
「戦って楽しもう!」
「スペインもイスパーニャ夫妻も歓迎するぞ!」
 戦争の相手としてそうするというのだ。
「思う存分楽しむ!」
「ホーーーーーー!」
「ホーーーーーー!」
 この叫ぶも出る、彼等は楽しく騒いでいた。
 のぞみはその彼等を見て今度はアルゼンチンに言った。
「何かこの人達は本当に」
「賑やかで気がええやろ」
「野心とか悪意がないんですね」
「そやからずっと中南米におるんや」
 そこからこれといって侵略もしてこなかったというのだ。
「楽しく平和に過ごしてるんや」
「色々とおかしなところがあっても」
「そのおかしなところがええんやないか」
 笑ってこうも言うアルゼンチンだった。
「個性的でな」
「そうなるんですね」
「そや、さてこのお祭りの後はお昼御飯や」
「牛肉のお料理ですね」
「肉は大好きや」
 アルゼンチンは目を輝かせて言う。
「どんどん焼くからのぞみちゃんもどんどん食べてや」
「はい、わかりました」
 この話はあっさりと決まった、そうした話をしてだった。
 アステカ帝国の面々は昼食も楽しんだ、そのうえでメキシコに来る枢軸軍を迎え撃つのだった。両軍の戦いが遂にはじまった。 
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