DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)
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第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
第55話:ブヨブヨはブルンブルンのヨダレ物だった!
前書き
まさかの展開。
ホイミン……君は一体……?
(キングレオ)
シンSIDE
問題はまだ残っているが、取り敢えずキングレオ王国の混乱は終息したと言えるだろう。
混乱と言っても、進化の秘法で化け物になってた元王子は、政を何もしてなかったので巻き起こった混乱なだけで、国家を纏めようと尽力すれば直ぐにでも平和が戻るレベルらしいけど……
“らしい”と言うのは、ウルフさんがそう言ってたからです!
そう言えばリュカさんの奥さんてどんな人物なんだろう?
タマキ○が『実験体になったんじゃね?』って発言した時の、リュカさんの怒りは恐ろしかった……
嘘でも奥さんの事を悪く言うのは止めた方が良いよね。
絵の巧いウルフさんが奥さんの似顔絵を描いてリュカさんに手渡してたけど、お願いしたら見せてもらえるのかな?
さっきはタ○キンに向けて見せてたから、俺には絵自体を見る事が出来なかったんだよね。
きっと相当な美人なんだろうなぁ~って推測する。
って事は見ない方が良いのかな?
羨ましく感じちゃうだろうし、惚気られてもイラつくし……
う~ん……そうしよう!
マリーさんのお母さんらしいから、絶世の美女な事は間違いないし、俺はシンシア一筋だし……
元王子への説教(折檻)を終え、マリーさんとライアンさんの『ホイミンは何処だ!?』の問い詰めも終わり、みんなで城内を捜索する事になり、改めてリュカさんの身勝手さを垣間見る。
と言うのも……元王子もホイミンさんの事は知らないらしく、問い詰めたライアンさんが不安の色に染まってしまい、痕跡を探し回ってるんです。
ちなみにマリーさんは『ちぃっ! 役に立たない短小野郎ね!』と唾を吐き付けてました……やだなぁ、この女性!
そんな中ウルフさんが地下牢から、かなり時間の経過した前国王のご遺体を引き上げてきたり、弱腰な大臣が土下座で身の潔白を訴えてきたりしてるんですけど、その全てを無視して、素肌に白衣を着込んだ美女を見つけて懸命に口説き落とそうと試みる男が居るんですよ。
アンタだけだよ……今そんな事をしてるのは!
「……え!? なぁ~んだ……ライアンの女なのか。……ちょっと待ってて、今ライアンを呼び出すから!」
「え……あ……いえ……その……呼ばなくても良いんです……ボクはお目にかかる訳にいきませんから。『ホイミンが旅の無事を祈ってます』と、お伝え頂ければ……」
ホイミン……?
「良いよ良いよ……直ぐに呼ぶから、直接言いな! お~いライア~ン……お探しの彼女が見つかったよ~!」
まだ正式にライアンさんの事や、ホイミンさんの事を聞いてはないのだけど、きっと彼が探しているホイミンさんとは見た目が違うのだろうと予測する。
だって名前からして……
「ぬおぉぉぉぉ……ホイミン、無事だったか!?」
リュカさんの呼びかけに応じ、結構な遠くから雄叫びと共に姿を現したライアンさん。
周囲を見回してお目当ての人物を探しまくる。
「お父さん、ホイミン君が居たって本当!? 何処よ、どこドコ!?」
彼氏と手を繋ぎ、巨乳を揺らしながらマリーさんも現れた。
だが彼女も、目的の人物が見つけられず、リュカさんの周囲をキョロキョロ見回している。
「リュカ殿……何処ですかなホイミンは!?」
「そうよ、ホイミン君は何処なのよ……ナンパの成功を見せ付ける為に、私達を呼び寄せたのなら許さないわよ!」
ずっとホイミンさんの腕を掴んだまま、ライアンさんとマリーさんを面白そうに眺めているリュカさんは、日頃の行いを裏付ける様に娘さんに睨まれる。
「違うよ、この娘を……ホイミンを見つけたんだって! 一緒に旅をしてきたホイミスライムだろ……彼女?」
え!? リュカさんは解ってて彼女をナンパしたのか?
ってか、どうして彼女がホイミスライムだって言い切れるのか!?
「な、ないをゆってるのおとうしゃん!?【訳:な、何を言ってるのお父さん!?】」
「そ、そですお……そのしとはほいみすらいむじゃにゃい……【訳:そ、そうですよ……その人はホイミスライムではない……】」
以前のホイミンさんに思い入れがある二人には、目の前の現実はショックが大きいらしく、言葉が辿々しい。
「へー……進化の秘法ってこんな使い方が出来るんだ!?」
「そうみたいだね。完全版じゃなくても、モンスターや動物などを人間にまで進化させる事は可能らしい……この娘が潜んでた部屋に落ちてた本に、現状で『進化の秘法』に出来る事が書いてあったよ」
ライアンさん・マリーさん程ではないが、ホイミスライムが人間に変化した事に少なからず皆さんが動揺している……しかし、リュカさんとウルフさんだけが、この状況を気にする事無く平然と会話を続けている。
「ほ、本当にホイミンなのか……?」
「は、はい……ライアン様……(照)」
驚きで愕然と質問するライアンさんに対し、可愛く顔を上気させ答えるホイミンさん。
「う、嘘よ……だ、だって私より大きいじゃん!」
「うわぁ……や、やめて下さいマリーさん!!」
彼女のプロポーションの良さ(特に胸の大きさ)に、納得いかない感じで揉みまくるマリーさん。凄く羨ましい!
「おぉ~本当だ……大きいなぁ」
「本当ッスね……マリーより大きい。あ、でもリュリュさん程じゃないかな?」
凄い……同姓のマリーさんはまだ解るとして、どうして異性のリュカさんとウルフさんが平然とホイミンさんの胸を揉みまくってるの!?
「ちょっとウルフ! 何時リュリュ姉さんの胸を揉んだのよ!? あの人がお父さん以外に、そんな事をさせる訳ないでしょ!」
「あるよぉ……『剣術の指南をお願いします!』って真摯な態度で近付いて、開始直後にボミオス&ピオリムで素早さに差を付けてセクハラったんだ!」
自分の彼女の前で、一緒に他の女の乳を揉み、以前のセクハラ自慢をするってのは、どういう事なんですかね?
最近気付いてきたんですけど、この一家どこかおかしいですよね!
シンSIDE END
(キングレオ)
アローSIDE
進化の秘法を使うと本当に人間になれる事が分かった!
『悪用されたら大変(面倒い)だから』という理由で、研究成果や纏めた資料を燃やそうとするリュカさんとアニキ……
それを見てオイラは慌ててお願いしたよ!
『リュカさん、アニキ! オ、オイラも人間になりたいんだ……燃やす前にオイラを人間にしてくれ!』ってダメ元でお願いした。
そうしたら『良いんじゃね』ってリュカさんがアッサリ許してくれたよ。
この国の馬鹿王子が馬鹿な使い方したから、これ以上使っちゃダメと言われると思ったのだけど……
ホイミンの手助けを得ながら、リュカさんとアニキが話し合いながらオイラを人間へと進化させる。
大変な作業や苦痛が待ってると思ってたんだけど、小一時間でオイラは狐から人間に進化出来た。
苦い薬と奇妙な魔法……それと進化時に起こる少しの激痛だけ。
終了後ホイミンが『思った程大変じゃないでしょ?』って微笑みかけてくれた。
うん。コイツは良い奴みたいだ。
元ホイミスライムだからって差別しちゃダメだぜ!
ただホイミンは良い奴だけど、アニキの彼女って……
何でアニキはあんなイカレ女に惚れてんだ!?
何処かで見た様な気がするんだが、どうにも思い出せず怖くて近付けないイカレ女と、嬉しそうにイチャつくアニキを見て、女の趣味の悪さだけがアニキの唯一の欠点だと理解する。
しかし、そのイカレ女も侮れない事が判明する。
と言うのも、オイラを人間にし終えアニキとリュカさんとイカレ女が、揃って進化の秘法について討論し始めたんだ。
『進化の秘法って名前だけど、“進化”ってより“変化”の方が正しいよね』
『そうみたいですね……資料を読む限りでは、既存の生物に変化する事は問題なく行えるらしいです』
『って事は、自然界に存在し得ない生命体になろうとする場合は、“完全なる進化の秘法”に昇華させる必要があるのね!?』
『そうみたいだよマリー。そして、それに必要なパーツが、リュカさんが持ってる“黄金の腕輪”なんだろうね』
『へー……馬鹿共から脅し取ったのに、そんな重要アイテムだったんだ!?』
『あ、そう言えばお父さん! それを持ってるって事は、偽姫を犠牲にしちゃったの?』
『あれ……何でマリーが偽姫事件を知ってるの? もしかてこの世界も……』
それっきり3人の沈黙が続いた。
遠巻きに会話を聞いていたオイラと筋肉姫は、互いに顔を見て小声で話す。
『アンタ……リュカ達の会話を理解出来た?』
『姫さんはどうなんだよ……』
ここで沈黙。
どうやらオイラも筋肉姫も理解出来てない様子。
イカレ女に理解出来て、オイラ達には理解不能な話し……
リュカさんもマリーって女も、見た目とは違い頭が良いんだなぁ……
アローSIDE END
後書き
何とホイミンは女の子だった!
これまでに感想等で言われた事が無かったので、読者様方も予測してなかっただろうと、一人ほくそ笑んでおります。
因みに、ホイミン女性化計画は連載を開始する前から決めていた事です。
ですから今まで“ホイミンSIDE”を書かなかったんですね!
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