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魔法少女リリカルなのはStrikerS-King Seong clone of another-

作者:炎狼
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休日 アラート

 
前書き
一気に駆け抜けます

ではどうぞ 

 
 なのはとティアナのいざこざがあってから少したち、二人の関係も元に戻り、新人達は今日も訓練に明け暮れていた。

 ある程度訓練が終わった後、なのはが皆を休憩させると、新人たちに告げた。

「じゃあ今日で第二段階の訓練終了なんだけど……私はみんな合格だけど、お二人はどう思います?」

 なのはがそばにいるフェイトとヴィータに投げかけると、

「合格」

「合格だな」

「「はや!!」」

 二人の即答に、スバルとティアナが驚愕の声を上げるが、そこでヴィータが付け加えた。

「ま、こんだけ訓練続けてんのに合格しない方がおかしいんだけどな」

「「で、ですよねー……」」

 ヴィータの補足に若干冷や汗を流す二人。その姿を見ていた聖が苦笑していると、

「聖君はどう思う?」

「は? なんで俺?」

 疑問を返してしまう聖だが、それも当たり前の話だろう。なにせフェイトたちは戦闘の為の訓練に参加し、教導をして入るものの、聖はそんなことはしていない。しているといっても、多少のアドバイスぐらいだ。

「だって聖君も隊長だしね、それにみんなに的確にアドバイスもしてくれてたみたいだし」

「あー……そういうことか。そういうことなら合格だ」

「うん、……じゃあ今日はみんなこれからはオフってことで」

 なのはが言うと、新人達は疑問符を浮かべる。おそらく言われている意味が理解できていないのだろう。

「今日は丸々一日休日ってことだ」

 その姿に見かねた聖が代弁すると、新人達は嬉しそうに笑顔を浮かべた。隊員といってもまだまだ遊びたい年頃だろうから、嬉しいのは当たり前だろう。

 聖たちは訓練を終え、寮に戻っていった。



 スターズとライトニングタッグを見送ったあと、隊舎を歩く聖は後ろから声をかけられた。振り向くとそこにいたのはフェイトだった。

「聖ー、ちょっといいかな?」

「別にいいけどなんだ?」

「えっと……その……」

 聖が問うと、フェイトは先ほどまでとは打って変り顔を赤らめ俯きながら、指をいじいじと雨後冒し始めた。

 その様子に聖が首をかしげていると、

「聖くーん」

 また後ろから声をかけられた。聖がそちらを見やるとなのはが駆け寄ってきていた。

「なのはか、どした?」

 聖が振り返ろうとした瞬間、フェイトが聖の制服の袖を引っ張った。するとなのはもフェイトがいることに気付いたのかなんとも微妙な表情をする。

 三人の間に若干の沈黙が流れる。やがてその沈黙に耐え切れなくなったのか、聖が口を開いた。

「その、なんだ。とりあえずフェイトは俺に何の用だったんだ?」

「えっと、今日はもうこれで私もオフだから……一緒に出かけようかなって思ったんだけど……」

「ふぇ!?」

 フェイトの声に反応したのは、聖ではなくなのはだった。その声に聖とフェイトがそちらを見やるとなのはは、しまった、というように口をふさぐが既に遅かった。

「もしかして……なのはも?」

「う、うん」

 フェイトの問いになのははぎこちなく頷く。そしてまた三人の中に流れる沈黙、だがそれは先ほどよりもはるかに重たげなものだった。

「じゃ、じゃあ私とフェイトちゃんと聖くんの三人で一緒に出かけない?」

「お、おう!そうだな……うん、それがいい!じゃ、準備してくるから十分後に隊舎前でな!」

 聖はそそくさとその場から去っていった。残された二人はというと、

「「はぁ……」」

 とてつもなく残念そうな溜息をついていた。



〈まったく、なにやってるんですかこのヘタレ〉

「うっせ、お前あんな状況味わったら誰だって逃げたくなるっての……」

 自室に戻るため寮の廊下を駆ける聖に安綱は罵倒した。心なしか声のトーンが下がって聞こえるのは気のせいだろうか。

〈普通ああいう状況であれば、男性である聖様がどうにかするべきであるのに……なんと情けない〉

「だーかーら!あんな状況今まで味わったことないのに対処もクソもあるかっての!!」

〈そこを何とかするのが男の度量が左右されるところでしょうが!〉

 そんな一人と一機の言い合いは聖の自室に到着するまで続いていた。




 そして十分後、聖が隊舎前で待っていると、中からフェイトとなのはがやってきた。先ほどのような暗めの顔ではなく、明るさが戻っていた。

 電車に乗り、市街まで行くと三人がまず向かったのは大型のショッピングモールだ。以前聖とフェイトが一緒に来たところである。

 その中でなのはとフェイトは服を選んでいた。はたから見ると仲のよい友達が買い物に来ている様に見えるが、二人の目は時折互いをけん制しあうような目になっていた。ちなみに聖はというと二人の間に挟みこまれ、大変そうだ。

 その後も色々と回ったが、結局服はそんなに買わず基本的にはウィンドウショッピングで済ませていた。

 一息つくためベンチに腰掛けていると唐突にフェイトが口火を切った。

「なんだか……私達見られてるよね?」

「あー……それはたぶん男からの視線は俺に対してだろうな」

「どうして?」

「お前らみたいな綺麗でかわいい女の子、しかも二人と一緒にいれば誰だってうらやましくなるだろ?」

 その言葉を聞いた瞬間、二人は耳まで真っ赤にし俯いた。

 ……今更気付いたのか。

 溜息をつく聖は、ふと立ち上がる。

「ちょっと待ってろ、あそこでクレープ買ってくるわー、お前らは何がいい?」

「え?い、いいよ私達も出すから」

 なのはが立ち上がろうとするものの、聖は軽めにデコピンを放つ。

「男なめんな、それぐらい奢れねぇと男が廃るってもんだ」

「じゃあ……私はイチゴが入ってるやつで、フェイトちゃんは?」

「……カスタードがいいかな」

「りょーかい、じゃあ行ってくる」

 二人の注文を聞くと聖はクレープを買いに向かった。

 聖が行ってすぐ後、なのは自分のおでこをに触れると、嬉しそうに微笑を浮かべていた。それを見ていたフェイトは物ほしそうな瞳で、

「……いいなぁ……」

 とつぶやいていた。




 数分後、二人は戻ってきた聖と共にクレープを食べていた、するとフェイトが。

「ねぇ聖、私の食べてみる?」

「くれるのは嬉しいけど……嫌じゃねーのか?男が口つけたやつなんて」

「大丈夫!だから……あーん」

 言いながらフェイトはクレープを向けてくる、その目がなかなかの気迫だったので聖が口を開けた瞬間。

「んが!?」

 勢いよくクレープが突っ込まれた。聖が噛み切ったのをフェイトが確認すると、彼女はクレープを聖の口から抜き取った。

「おいしい聖?」

 聞かれてはいるものの、その瞳には光がともっていなかった。

「お、おう」

 あまりの恐ろしさから空返事しかできない聖だが、ふとその聖の肩をなのはが叩いた。恐る恐る聖が後ろを振り向くと、

「聖君♪」

 こちらもクレープを構えたなのはがとてもいい笑顔で待ち構えていた。だがその後ろに黒いナニカがちらついているのは気のせいだろうか。

 仕方なく聖が口を開けると、先ほどのフェイト以上の速度でクレープが口に突っ込まれた。

 ……もうやだこの子達。

 内心で二人の行動にげんなりする聖だが、結局二人から逃れられることはできなかった。



 精神的にも削られた状態で、聖がうなだれていると急にキャロからの全体通信が入った。どうやらエリオと歩いていたところ、マンホールから女の子が出てきたらしい。しかもその女の子はレリックと思しきものも所持していたらしい。

 それを聞いた三人は互いに頷きあうと、ショッピングモールを飛び出すと、グリフィスに市街飛行許可を申請してもらい、一気に現場に飛び立った。

「はやて!今どんな状況だ?」

「今のとこヴァイス君にヘリ出してもろて、シャマルを向かわせとるから大丈夫や――」

 そこまで聞こえたところで、ルキノから焦った声で全体通信が入った。

「た、大変です!只今市街地上空と地下水路に大量のガジェット反応です!」

「ガジェットってことは狙いは、エリオたちが保護したその子のレリックか……」

 ……またはその子自身か。

 内心で考えているとはやてが言ってきた。

「聞いたとおりや、どうやらガジェットの多くは空におるらしい、せやから聖君たちは空を頼めるか?」

「了解だ」

 はやての命令に三人は頷きあうと市街上空に展開するガジェットの掃討に向かった。



 上空にはかなりの数のガジェットが展開していた。しかも部隊を組んで飛行していた。

「結構な数だなぁおい。これ一機一機潰してたららちがあかねえ」

「でも、少しでも数を減らさないと市街地に被害がでる」

「私達で足止めしないとね」

 三人は口々に言うと、三方に別れガジェットの殲滅をはじめる。

 およそ二十機ほどのガジェットを破壊したところで、聖はある違和感を覚えた。

 ……おかしい、どう見てもさっきからガジェットの数が減っていない。いくら多いといってもこれはありえない。

 そう、先ほどから倒しても倒してもガジェットが減る様子がないのだ。まるで破壊したところから増えていくような感覚が聖に走る。

「まてよ……まさか!?」

 ……こちら側に六課の主力である二人が来てるこの状況、さらにあちら側には新人達のみ、そしてヘリはがら空き。さらにこのガジェットの大群。

 頭の中で考えられることを聖はフル回転させる。

「なのは、フェイト!お前らはヘリの護衛に行け!」

「え、どうして?」

 二人に緊急の連絡を入れると、なのはから疑問の声が投げかけられると、聖は可能性の話を始めた。

「いいか、もしこのガジェットの大群が俺やお前達を陽動するためだったらどうなる?もし、敵の狙いがレリックまたはヘリに乗っている女の子だったとしたら?」

「「!!」」

 二人が驚愕の表情を浮かべる、聖の考える最悪の状況が想像できたのだろう。するとそこへはやてから通信が入った。

「三人とも、そこから離れてええで!今から私がリミッター外した状態でガジェットを一掃する!」

「なるほど、そういやはやては広域殲滅型だったか……なのは!フェイト!急いでヘリに直行しろ!!」

 聖の声に二人は頷くと、ガジェットの合間を駆け抜けヘリの方に向かっていった。それに対し聖はというと、

「はやて!少し気になることがある、遊撃手としての権限を使わせてもらうぜ?」

「うん、ええよ。でも気をつけてな?」

 頷きだけ返すと、聖はフ二人とは逆方向に飛んで行った。



 聖の飛んで行った方向には一人の女がいた。大きな眼鏡をかけた人懐っこそうな顔立ちをしてはいるものの、その瞳は怪しげな光に満ちていた。

「あらあら、随分早く感づかれちゃったみたいねぇ。まぁいいわ、ディエチちゃーん?」

 女が言うと空間モニタに女と同じような服を着ていた少女が、静かに答える。

「なに、クアットロ?」

「作戦変更ー、さっさとあの目障りなヘリ落としちゃっていいわよー。そろそろお嬢様も限界だろうし……」

 そこまで言ったところで聖はある感覚に襲われその場から後退した。

「ち、いい勘してるな」

 やってきたのは聖だった。聖は頭をガシガシとかきながらクアットロに目を向ける。対するクアットロも先ほどから笑みを崩さず聖を見つめている。

「随分荒っぽいんですねぇ管理局の職員さん?」

「ぬかせ、お前らがやってることほど荒っぽくはねぇよ」

「……まぁそーですねー。でもいいんですかぁ?」

 甘ったるい声でクアットロが聖を挑発する。

「ヘリ間に合いますかねぇ?」

「間に合うさ、絶対にな」

 強気な声で告げる聖にクアットロは若干顔に苛立ちを見せる。そして先ほどのディエチから少し残念そうな声で通信が入った。

「ゴメン、クアットロ。撃墜できなかった」

「……そう、じゃあ仕方ないわねぇ」

 告げるやいなやクアットロは軽めに指を鳴らす、すると当たりに一瞬にして煙幕がはびこる。

「ちっ!妙な小細工を!」

 憎憎しげに聖は魔力を放出し、煙を吹き散らすが、そこにはもうクアットロの姿は見えなかった。

「クソッたれが……、しかもさっきのはやっぱり実体じゃなかったか」

 毒づくと聖は軽めにあたりの魔力を集めてみるが、そこには微量な魔力しか残っていなかった。

「幻惑……シルバーカーテン。やっぱりお前かクアットロ……」

 歯噛みをする聖は心底悔しそうだったが、すぐになのは達のほうに踵を返すと、その場から一気に飛び去った。



「とりあえず、レリック、女の子共に無事か……」

「うん、あそこで聖君が言ってくれなかったらもっと危なかったかもね」

 全てが終了し、六課の中ではなのは、フェイト、聖の三人が話をしていた。

「でも、結局捕まえることはできなかったねあの子たち」

 フェイトが言うのはおそらくクアットロたちのことだろう。報告によれば、聖の前から姿を消したクアットロはもう一人の女の子ディエチのほうと合流し、逃亡を図りまんまと逃げおおせたらしい。

「まぁ、次に捕まえると思っておきゃ大丈夫だろ、次につなげればいいだけの話さ」

 取り逃がしたことを後悔している二人を聖がフォローすると、二人もしっかりと頷いた。それを見届けると聖はおもむろに立ち上がり大きく伸びをした。

「くぁー、悪いな二人ともちょっと俺は休ませてもらうわ。あ、そうだなのは。明日今日保護した女の子のところに行くなら俺も行っていいか?」

「うん、いいよ。じゃあ明日の朝十時にね」

「了解」

 聖はそれだけ告げると、寮へと戻っていった。



 寮へ戻った聖は一人、安綱に問いかけていた。

「なぁ安綱よ、やっぱりアレはクアットロだったよな」

〈ええ、確かにアレはクアットロです。おそらく他にいたという子も新しく奴が生み出したナンバーズ達でしょう〉

「だよなぁ……」

〈聖様、わかっているとは思いますが手加減などは〉

「しねぇから安心しろ、だけどまぁ次ぎ会うときは確実に捕まえねぇとな」

 聖の目には強い決意の炎が灯っていた。 
 

 
後書き
以上です

すこし駆け抜けすぎましたかね?

ですが次はヴィヴィオの登場です
がんばれ聖

感想、アドバイス、ダメだしお待ちしております。 
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