真似と開閉と世界旅行
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タタル渓谷~
前書き
ファイアーエムブレム覚醒を(3DSごと)友達から借りてしまった・・・しばらくはプレイできないけど。ではどうぞ。
俺達はダアトにたどり着く。
「今度はモース達に見つからないようにしないとな」
「モースはきっとまだ、バチカルにいる筈ですわ」
「そうですね。でも六神将がここに残っているかも知れません」
「気を引き締めろってことか」
「・・・ごめん。パパ、ママ(ボソッ)」
アニスが何かを呟いた。
「ん?パパ?パパって言ったか?」
「う、ううん。パパ達に聞けば、六神将がどうしてるか分かるかもなぁ・・・って」
「・・・アニスさんの両親はここにいるんですか?」
愛依が聞くとガイが答える。
「ああ。ここに住み込みで働いているんだよ」
・・・俺達はアニスの両親に話を聞きに行く。
「やあ、アニス!聞いたよ。イオン様からお仕事を命じられて頑張っているそうじゃないか」
父親・・・オリバーさんが言う。
「パパ、ママ。六神将の奴等、どうしてるか知ってる?」
「まあまあまあ。そんな言い方よくないわよ、アニスちゃん」
母親・・・パメラさんがなだめる。
「ぶー」
「あははは。アニス、膨れっ面しちゃ駄目だぞ」
「そんなことより、六神将とか大詠師モースは?何してんの?」
「モース様とラルゴ様、ディスト様はキムラスカのバチカルに行かれたよ」
「リグレット様はベルケンドを視察中よ」
「シンク様はラジエイトゲートに向かわれたな」
「アリエッタ様はアブソーブゲートからこちらに戻られるって連絡があったわ」
「・・・もぬけの殻だな」
知也が言う。その内にイオンに会いに行くことにした。・・・のだが。
「・・・」
タトリン夫妻が俺を見る。
「・・・何か?」
「いえ、何処かで見覚えが・・・」
「・・・え?」
「でも、気のせいかもしれませんね。・・・すみません」
「あ、いや・・・平気です」
気を取り直してイオンに会いに行く。
「皆さん!ご無事でしたか」
「イオンがアッシュを寄越してくれたお陰でな」
「いえ、アッシュが迅速に動いてくれたからですよ。ところで何故またここに戻ってきたんですか?」
・・・ガイに説明してもらう。・・・そして・・・まだ封印を解放していないのは・・・タタル渓谷と呼ばれる場所だ。俺達は測定器を受取に向かおうとするが・・・アッシュから連絡が入り、スピノザを捕まえるのに失敗したらしい。結果、計画がヴァンに知られ、ヘンケンさん達はシェリダンに逃がしたそうだ。
「とにかく急がないと」
その時、パメラさんが立っていた。
「あらあらあら、アニスちゃん。アリエッタ様が戻っていらしたわよ」
「うげ!まず・・・」
「確かアリエッタ様を探していたのよねぇ?皆さんがいらしたこと、お伝えしておきましたよ」
「ぎゃー!ママ!なんてことすんのっ!」
「ママの仇っ!」
・・・その直後、アリエッタがライガを引き連れてやって来る。
「アリエッタ・・・」
「ちょっと、根暗ッタ!こんなトコで暴れたら・・・」
「アニスなんか大嫌いッ!ママ達の仇、取るんだから!サキも取り返すんだから!いけぇっ!」
ライガが走り出してくる。
「アニス!アイ!イオン様を!」
「「はいっ!」」
「イオン様は渡さないんだから!」
「くっ!?」
前に出た俺達は弾き飛ばされる。
「速い・・・!」
撫子達の攻撃もすり抜け、アニスと愛依に迫る。
「イオン様!危ない!」
ライガが放った雷が・・・
「きゃあっ!」
・・・イオンを庇ったパメラさんに直撃した。
「パメラ!」
「ママ!?」
・・・ジェイドがその間にアリエッタを拘束する。
「さあ、お友達を退かせなさい!」
「う・・・!だけど・・・」
「アリエッタ!!」
俺が怒鳴ると、アリエッタの身体がビクッ、と跳ねる。
「アリエッタ!パメラを捲き込むのは筋違いでしょう!」
「サキ・・・イオン様・・・みんな、やめて・・・!」
ライガが退いていく。
「ナタリア!パメラさんを!」
「わかりましたわ!」
その光景を見ていたガイが・・・急に倒れ、愛依も頭を抑える。
「思い・・・出したっ!」
「ガイ!?愛依!?」
「お、母さん・・・」
・・・その後、アリエッタは退き、パメラさんは軽い火傷で済んだ。・・・だが、ガイと愛依は落ち込んだ様子で何処かに行ってしまった。アビスメンバーはガイを。外史メンバーは愛依を捜す。
「愛依・・・どうしたんでしょうか」
「さあな・・・随分顔色が悪かったけど・・・」
撫子と黒羽が会話している時、俺の視界に長い赤毛が映った。
「愛依!」
「あ・・・みんな・・・」
愛依が俺達に近づき、うなだれる。
「どうしたんだ?」
知也が聞くと、愛依は答える。
「記憶が・・・ほんの少し、戻ったんだ・・・」
「ほんとか!?よか・・・」
よかったじゃないか。そう言おうとしたが、その言葉が間違いであることは愛依の態度を見れば明らかだ。
「愛依・・・?」
愛依の目から・・・涙が落ちる。
「・・・どこか、願ってたんだ。アタシ達の家族は生きてるって・・・けど」
愛依はその言葉を口にした。
「けど・・・アタシは・・・母さんが、庇って・・・目の前で・・・」
「愛依・・・」
「それに、父さんも、父さんもアタシが・・・!」
・・・前に見た記憶か。
「でも・・・顔はぼやけてたけど・・・二人とも、笑ってた。なんで・・・死ぬのに・・・」
愛依は完全に泣き崩れてしまう。
「愛依、泣かないでください。・・・咲さん、黒羽さん、知也さん。すみませんが、二人きりにしてくれませんか?」
「・・・ああ、わかった」
俺達は外に出る。・・・前に、愛依の頭に触れ、一瞬俺の中の愛依の闇と愛依自身の闇をリンクさせる。
『みんな・・・みんなどこぉ・・・?』
辺りが炎と悲鳴で埋まる中を、小さい愛依は走っていく。
『いやだぁ・・・怖いよぉ・・・!』
・・・その時だった。目の前から光の矢が迫ってきていた。
『ひっ・・・』
怖くて足がすくむ。その矢が自分を貫こうとした瞬間・・・
『・・・させない!』
矢が叩き落とされる。
『・・・愛依、大丈夫!?』
『お母、さん』
目の前に母親を見つけ、安心する。
『お母さん!』
『・・・』
母親に近づこうとした時、母親の気配が緊迫したものに変わる。
『・・・愛依!』
ドン、と母親に突き飛ばされ、地を転がる。何かしたのか、と思ったが、顔を上げた時・・・信じられない光景が目に入った。
『・・・ぐっ・・・』
『お母さん!?』
母親の腹に・・・さっきのと似たような光の矢が刺さっていた。
『う・・・』
母親の身体が揺れ・・・倒れる。
『お母さん!?お母さん!』
『大丈夫・・・だから・・・』
『・・・あ・・・!』
自分の両手は・・・母親の血で真っ赤に染まっていた。
『ああ、あ・・・ああああ・・・!』
恐怖で身体が震える。だけど・・・母親の手が頬に触れる。
『・・・逃げて・・・』
『で、でも・・・!』
『ーーーーーが守って・・・』
『ーーーー無理だよ!』
映像と声にノイズが走る。
「(まだだ・・・!まだ・・・せめて、愛依の母親の顔だけでも・・・!)」
愛依を助けた母親の顔・・・それを見れば・・・きっと愛依の正体だって・・・それに、愛依が破壊者になった理由も・・・
「ぐっ!?」
闇が暴れだそうとするのを感じて慌てて手を退く。
「・・・見たの?」
愛依が聞いてくる。
「・・・悪い」
愛依は首を横に振る。
「・・・母さんの顔・・・見えた?」
俺は首を横に振る。
「だよね・・・だって、アタシが覚えていないんだから・・・母さんだけじゃない。父さんの顔も・・・多分・・・妹もいたんだと、思う」
「愛依・・・」
「・・・記憶は取り戻したかった。・・・けど、こんな記憶・・・思い出したくなかった!」
「・・・」
「・・・咲さん」
「ああ・・・頼む」
俺はそのまま・・・その場を後にした・・・
愛依~
「・・・母さんね、アタシを庇って・・・それで・・・」
「はい。・・・それで・・・その時に?」
「分からない。破壊者になったのは・・・もう少し・・・あと・・・多分」
「ごめんなさい。慰めるどころか・・・傷つけるようなことを・・・」
「う、ううん。気にしないでよ」
アタシはゆっくりと立ち上がる。
「・・・大丈夫ですか?」
「大丈夫!・・・だから、行こ?」
「は、はい・・・」
「ほらほら、みんな待ってるから」
「・・・愛依・・・」
「・・・そんな悲しそうな顔をしないでよ・・・」
撫子の肩に触れている手が震える。
「みんなの前で・・・こんなの・・・見られたくないから・・・」
「愛依・・・」
「だから・・・だから、せめて・・・今まで通り・・・振る舞わせて・・・」
「・・・!」
「・・・」
アタシは撫子の肩を叩いて走り出す。
「・・・せない」
撫子が何かを呟いたのが聞こえた。
「必ず・・・黒幕を・・・!」
咲~
「・・・」
ガイからも話を聞いた。・・・キムラスカ兵に斬られそうになった時、姉やメイドがガイを庇ってくれた。・・・その後、ペールに助け出される前、死体の中で気絶していたこと。・・・ガイの女性恐怖症もその時のトラウマらしい。
「・・・」
話を聞いていた時、愛依が戻ってくる。
「愛依、平気か?」
「うん。大丈夫!・・・アタシよりガイさんは・・・」
「大丈夫さ。俺のことより、早く測定器を受け取りに行こう」
・・・俺達はイオンを連れ、シェリダンで測定器を受け取る。・・・そこでい組とめ組が揉めたが、ナタリア、イオン、アニスのお陰でお互いが振動を止める装置を作ることになった。その間に計測を済ませるため、タタル渓谷に向かう。
「前に来たときにはセフィロトらしい場所はなかったと思うけどな」
「あの時は夜だったから、見落とした場所があるのかもしれないわ」
ルークとティアの会話にアニスが突っ込む。
「あれぇ?夜中に二人でこんなトコにきた訳ぇ?あ~やし~い♪」
「・・・んまあ、ルーク!あなた、ティアとそんなことになっていましたの!?」
「ちょ、ちょっと待て!なんでそうなってんだよ!そうじゃなくて、前にバチカルから飛ばされた時に・・・」
「あり得ないから」
ティアがそう言って進む。
「何してるの?行きましょう」
「・・・なんかむかつく」
「きっつー・・・」
「容赦ねー・・・」
「そうですねぇ」
上からティア、ルーク、ガイ、俺、ジェイド。
「楽しそうだな、ジェイド」
知也が聞くと、ジェイドは答える。
「ええ、楽しんでいます」
「・・・嫌な奴」
進んでいき、奥に進むと・・・アニスが大声を出した。
「あ~~~~っ!?」
「どうしたの、アニス」
「あれは、幻の“青色ゴルゴンホドアゲハ”!捕まえたら一匹あたり四百万ガルド!!」
「おーい、アニス。転ぶぞ」
ガイが言うと、アニスは怒る。
「あのねっ!私のこと子供扱いするのはやめてくれないかなぁ・・・」
そこまで言ったとき・・・地震が起きた。
「きゃうっ!?」
アニスがバランスを崩し・・・崖から落下する。
「アニス!」
アニスはギリギリ崖に生えている草にしがみつく。
「く・・・」
「操影術・・・!」
俺はBモードの、撫子は影の用意をするが、それより早くティアがアニスの腕を掴み・・・ガイもアニスの腕を掴んだ。
「ガイ!?」
「・・・くっ!」
何とかアニスを引き上げる。
「ティア、ガイ・・・ありがとう」
「私は・・・それよりガイ、あなた・・・」
「・・・触れた・・・」
「ガイさん!頑張ったですの!」
「よかったな、ガイ!」
「偉いですわ。いくら過去のことがあっても、あそこでアニスを助けなければ見損なっていました」
「・・・ああ、そうだな。俺のせいでアニスに大事が無くてよかったよ」
「や~ん、アニスちょっと感動!」
「ガイはマルクトの貴族でしたねぇ。きっと国庫に資産が保管されていますよ」
「ガイ。いつでも私をお嫁さんにしていいからね」
「・・・遠慮しとくわ」
「アニスさん」
「アイ?」
「地震は仕方ないですけど・・・アニスさんも気をつけて下さい。・・・本当に、びっくりしたんですから・・・」
「あ・・・うん。気を付けるよ」
更に奥まで進むと、霧が出てくる。
「あれ、なんかいるぜ。魔物か?」
「みゅう~!みゅみゅう!」
ミュウが話しかけると、馬のような鳴き声が帰ってくる。
「この鳴き声は・・・」
「ユニセロス!」
「古代イスパニア神話に出てくる、“聖なるものユニセロス”ですか?」
イオンが聞くとアニスが興奮しながら頷く。
「そうです!幻のユニセロスですぅ!捕まえたら五千万ガルドは堅いですよっ!」
「それより、今の鳴き声・・・理解は出来なかったが、苦しみの感情が伝わってきた」
「ああ、そう言えば咲は魔物と会話できるんだったな」
黒羽の言葉に苦笑しながら返す。
「獣系限定だけどな・・・っ、何か来る!」
いきなり背後から一角獣・・・ユニセロスが突っ込んでくる。
「うわっ!ユニセロスってのは凶暴なのかよ!?」
「そんな筈ないよぅ。すっごく大人しくて人を襲ったりしない筈だよっ!」
「また来ますわ!」
「とりあえず気絶させて様子を見ましょう!」
ユニセロスは角を突き出しながら突進してくる。
「きゃっ!?」
カキン!
愛依が避けきれず、弾き飛ばされる。そして文字通り馬乗りにされ、前足が愛依の顔面に振り下ろされる。
「リパル、鎌!」
『でも!』
「早く!」
愛依は鎌に変形させ、制御なんてお構いなしに闇を注ぐ。
「・・・っ!」
すると飛び出た闇の刃が地面を押し、愛依は前足をかわしながら・・・ユニセロスに頭突きした。
ガンっ!
「どう、だ!」
愛依が頭を抑えてふらふらしながら下がる。
「(・・・痛そうだな)」
「私の番です!」
撫子は走り出す。するとユニセロスも駆け出してくるが・・・撫子は体制を低くしてスライディングをする。
「踏み潰されるぞ!?」
ガイが言うが・・・
「操影術!」
影がユニセロスの足を取り、ユニセロスのバランスが崩れる。
「槌!」
足の隙間に滑り込んだ撫子がハンマーを振り上げる。
ドン!
「はは・・・」
思わず笑ってしまう。そこにルークが踏み込む。
「烈破掌!」
掌底を叩き込み、ユニセロスが一際強く泣く。
「ティア!」
「ええ!ーーーーー♪」
ティアが譜歌を歌い、ユニセロスを眠らせる。
「・・・傷を癒すわね」
ティアが回復させる中、撫子が騒ぎ出す。
「あ、愛依!?どうしたんですか!」
見ると・・・愛依の額辺りから血が流れ出していた。
「お、おお!?愛依、動くな!」
「へ?・・・わわわわ!?こんなに血が出てる!?」
本人までパニックになる。・・・さっきの頭突きの時か。俺は愛依の前髪を上げ、回復譜術を唱える。
「あ、ありがとう・・・」
「まったく、心臓に悪い・・・」
「ご、ごめん・・・」
とにかく、回復したユニセロスと話す。
「・・・“障気”“嫌い”・・・“近づいてきた”」
「サキ、ユニセロスはなんて?」
「ユニセロスは障気が嫌いなんだと。そんで障気が近づいてきて、苛ついて思わず襲ったんだと」
「障気?この辺に障気なんて出ていないぜ」
「・・・待ってくれ。・・・え!?」
ユニセロスの言葉を聞いて驚く。
「・・・ティアが大量の障気を吸ってるって」
「!」
「思い当たる節があるのですか?」
「い、いえ・・・」
「・・・」
「よくわからないな。ティアが魔界生まれだってことに関係してるのか?」
ユニセロスは鳴きながらその場を去っていく。
「・・・“傷を治してくれてありがとう”だってさ」
「そう・・・」
そしてイオンに封印を解いてもらい、パッセージリングに到着する。
「んじゃ、やるか」
そのまま計測を終え、ついでに一編に降下が終わるようにルークに操作してもらう。
「じゃあ、シェリダンに向かおう」
俺達はシェリダンに向かう。・・・完成してればいいんだけど・・・
後書き
サキ
「愛依・・・いや、なんか椿以上に目立ってね?」
リョウ
「作者がなんか愛依にハマったらしい。自分で作ったキャラでツボるなよな・・・」
サキ
「作者の好みは緩いツンデレだからな」
リョウ
「なんじゃそりゃ」
サキ
「普段強気だけど、内面は凄く乙女チックな感じ。他にも真面目系クーデレ系・・・あた!?」
リョウ
「突如飛来した何かが咲に激突した!?」
サキ
「く・・・発言の修正力か・・・」
リョウ
「・・・なんか咲って厨二臭いのな」
サキ
「な・・・!」
リョウ
「それじゃ、次回の続・真似と開閉と世界旅行!」
サキ
「次回も・・・よろしく」
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