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雷刀の導き

作者:田原俊彦
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2章

闇桐「・・・は?」

さやか「え・・・」

まどか「え?え?」オロオロ

マミ「ここじゃなんだし私の家で話しましょう。」

QB「そうだね、それが良いかな」

マミ「それでいいかな三人とも?」

さやか「はっはい!」

まどか「はっはい!」

闇桐「・・・ああ」

そして着くまでずっと闇桐は不機嫌だった。

マミ「私一人暮らしだから遠慮しないで」ガチャ

さやか「うわぁ素敵・・・」

まどか「おじゃまします・・・」

闇桐「・・・・」

マミ「ろくにおもてなしの準備もないんだけど、座って待ってて。」

まどか「はい・・」

さやか「はーい」

闇桐「・・・」

さやか「てかキシヤはなんでそんな不機嫌なの?」

闇桐「・・・普通に考えて男が魔法少女になれって言われてニコニコしてたら気持ち悪いと思わないか?」

さやか「それは・・・普通にキモイ」

闇桐「だろう?」

マミ「はい。どうぞ」

テーブルに紅茶とケーキが置かれる。

さやかは置かれると直ぐにケーキに手をつけた。

さやか「うまっ!」

まどか「さやかちゃん・・・」

マミ「キュウべえに選ばれた以上他人事とは言えないものね、魔法少女のことを説明しておくわ」

マミ「二人ともこれ見てくれる?」

そういってマミは卵の形をした宝石を取り出す、大きさはうずらの卵くらいだ

まどか「・・・きれい」

マミ「これはソウルジェム、魔法少女の魔力の源よ」

マミ「キュウべえに選ばれた子が契約によって生み出す宝石なの」

さやか「契約?」

キュウべえ「そう僕との契約によってソウルジェムを手に入れた者は『魔女』と戦う使命を課されるんだ。」

キュウべえ「・・でもその代わりに一つだけどんな願いでも叶えてあげられるんだ!」

さやか「なんでもって・・・!?金銀財宝も不老不死も・・あ~んな事も!?」ガタッ

まどか「あんな事?」

闇桐「欲望に忠実な女だな・・」ヤレヤレ

キュウべえ「うん」

まどか「あ・・でもその、戦わなきゃいけない『魔女』ってなに?」

キュウべえ「マミのような『魔法少女』が希望を振りまく存在ならば」

キュウべえ「『魔女』は反対に絶望を撒き散らす存在なんだ」

闇桐「ふむ・・・」

マミ「世間でよくある理由のはっきりしない自殺や殺人事件はかなりの確立で魔女の呪いが原因なの」

さやか「そうだったんだ・・」

まどか「さやかちゃん・・・」

マミ「魔女は常に、あなた達が迷い込んだ結界に身を隠している」

マミ「私が助けに来なければ・・・あの場所から生きては帰れなかったと思うわ」

闇桐「・・・・」

さやか「」まどか「」ゾワァ

まどか「そ、そんな怖いものと戦ってるんですか・・・」

マミ「ええ命懸けよ、だからあなた達も契約するかどうかは慎重に選んだほうがいい」

さやか「うーん美味しい話ではあるんだけどねぇ・・」

闇桐「それはどうかな?」

さやか「え?」

マミ「?」

闇桐「何事にも代償があるばずだ、何か隠していないかキュウべえとやら」

キュウべえ「・・・」

さやか「ちょっとアンタ!マミさん達が嘘をついているとでも思うの!?」

マミ「う、嘘なんて言ってないわよ!?」

闇桐「マミさんは嘘をついていないと思うが・・・キュウべえに聞いているんだよ」ギロッ

キュウべえ「・・・嘘は何もついてないよ?」

闇桐「・・・そうか」

まどか「そ、それはそうとマミさん以外にも魔法少女はいるんですか?」

さやか「あ、そうそうさっき話した例の転校生とか!」

マミ「え、ええ、私も見かけたけれど彼女も魔法少女でしょうね、かなり強い魔力を持っているみたい」

さやか「でもさ、魔法少女って、魔女を倒す正義の味方なんでしょ?なんでまどかを襲ったわけ?」

キュウべえ「彼女の狙いは僕だよ、新しい魔法少女が生まれるのを阻止しようとしたんだろうね」

闇桐「(・・?そんな風には見えなかったが・・・)」

さやか「??」

マミ「魔法少女は必ずしも味方同士ってわけじゃないの」

マミ「魔女を倒すとそれなりの見返りがあってね、手柄の取り合いで衝突することも多いのよ」

さやか「・・・じゃぁまどかがキュウべえに声をかけられるって目星をつけてて、」

さやか「自分に都合の悪い敵を増やさない為に絡んできたってことか・・・」

マミ「多分ね」

さやか&まどか「うーん・・・」

闇桐「男でも魔法少女とやらに選ばれるというのはおかしくないか?」

キュゥべえ「素質があるからね」

闇桐「・・・ふーん、えらい簡単になれるモンだな」

マミ「色々と悩んじゃったかな?」

マミ「・・ねぇそれなら三人共しばらく私の魔女退治に付き合ってみない?」

さやか&まどか「・・ええ!?」

闇桐「・・・ふむ」

マミ「魔法少女がどんなものか自分自身の目で確かめてみればいいと思うの!」

━━翌日

まどか「おはようさやかちゃん!仁美ちゃん!」

仁美「おはようございます。」

さやか「おうーおは・・!?」

さやか「なんでいるのそれ!?」ヒソヒソ

まどか「大丈夫私達以外には見えないみたい」ヒソヒソ

仁美「?」

まどか「{それと声に出さなくても会話できるらしいよ}」

さやか「{テレパシー!?}」

さやか「{あたし達もうそんなマジカルな力が・・・}」オオオ

キュウべえ「{いや、これ僕の力だからね}」

仁美「お二人とも無言でどうしたんですの?」

まどか「あ・・・仁美ちゃん・・・」

仁美「・・・はっ!!」ピクン

仁美「言葉で交わさずとも目と目とで解りあう間柄なのですか・・・?昨夜の間で急展開!?」

仁美「これが禁断の愛!??」カァァーッ

さやか「いやいやいやねーよ!!」

そして二人は教室に着く。

さやか「{っていうかさー・・アンタついて来ちゃって良かったの?転校生このクラスだよ、命狙われてんでしょ?}」

まどか「{そういえば・・・キシヤ君もこれ聞いてるの?}」

闇桐「{一応聞こえてるさ}」

さやか「{お前・・・いたのか・・・}」

キュウべえ「{マミもいるし学校の方が安全だと思うな}」

まどか「{マミさんのクラス三年だから遠いよ?}」

マミ「{大丈夫、話は聞こえてるわ}」

まどか&さやか「!?」

さやか「{わ、マミさんっ!?}」

まどか「{お、おはようございます!}」

闇桐「{おはようございます}」

マミ「{ちゃんと見守ってるから安心して、それにあの子だって人前で襲ってくるような真似はしないはずよ}」

闇桐「{だろうな、マミさんというベテラン魔法少女がいるかぎりは大丈夫だろう}」

マミ「{あ、ありがとう}」

さやか「{げ、噂をうすれば!}」

ほむら「・・・」キッ

まどか「・・っ」ビクッ

さやか「{気にすんなまどか}」

まどか「{うん・・・}」

闇桐「・・・・」


そして昼休み

まどかとさやか達、屋上にて


さやか「ねーまどか、願い事何か考えた?」

まどか「ううん。さやかちゃんは?」

さやか「あたしも全然だわ!命懸けてまで叶えたい願いかって言われるとねぇ・・・」

キュウべえ「意外だなぁ大抵の子は二つ返事だけど」

さやか「きっとあたしらがバカなんだよ」

まどか「そ、そうかな・・・」

さやか「そー幸せバカ」

そういってさやかは遠くを見つめる

さやか「・・・なんであたし達なのかな・・」

さやか「命に代えても叶えたい願いがある人ってきっと世の中に沢山いるはずだよ」

まどか「・・・」

さやか「なんか不公平じゃないかなって思ってさ・・・」

まどか「・・・・さやかちゃん・・」

まどか「それって・・・」

ほむら「ちょっといいかしら?」

さやか「!アンタ・・・」

まどか「ほむらちゃん・・・!」

さやか「何の用だよ、昨日の続きか?」

ほむら「そのつもりは無いわ、もう手遅れだし」

ほむら「あなた昨日の話覚えてる?」

まどか「え・・・うん」

ほむら「そう・・なら忘れないでいてそいつの甘言に耳を貸して後悔することがないようにね」

ほむら「私の忠告が無駄にならないことを祈っているわ」スタスタスタ

まどか「あ・・・待ってほむらちゃん!」

ほむら「・・・」ピタ

まどか「ほむらちゃんはその・・・どんな願い事をして魔法少女になったの?」

ほむら「・・・っ」タッタッタッタ

さやか「なんだ?あいつ・・」

まどか「・・・」


闇桐鬼獅夜、校舎内にて

闇桐「・・・・」

俺は今トイレ中だ。することがないからだが、いや

「(考えることに集中したいのかも知れん・・)」

そしてトイレを出る。その時偶々マミさんが通りがかった。

「ん?マミさんですか?」そして俺は話しかけた。

「ええ?あなたはキシヤ君」凄く驚いた顔してるな・・

「お昼もう食べたんですか?」素朴な疑問を口に出す。「いえ・・まだだけど?」

俺は偶々自分が一人だったから「なら一緒に食べませんか?」気遣い程度に相手に言ってみた。

するとマミさんは「・・・え?」と驚いた。「ああ、すいません、もう先に約束してましたか?」

そう言って俺は去ろうとすると「い、いいわよ」と返事が返ってきた。「ありがとう。一人で食う飯ほど不味いもんはないからな」

そういってマミに対して微笑む

「じゃあ弁当持ってマミさんのクラス行きますね」と言って俺は駆け出した。

当の本人のマミは「誰かと一緒にご飯が食べれるってこんなに嬉しいことだったんだ。」グスグス

嬉し涙を流しながら教室へと帰って行った。

キーンコーンカーンコーン

さやか「あーごめん仁美!あたしら用があるから先に帰るね!」

仁美「まぁ・・今夜も二人で禁断の愛を・・?私の割り込む余地はもうないのですね・・・」

仁美「二人ともお幸せに・・・!」

さやか「だから違うっつーの!!」

まどか「あはは・・・」

ほむら「・・・・」


マミ「さてそれじゃあ魔法少女体験コース、第一弾いってみましょうか」

さやか「準備はいい?」

さやか「うむ、どんと来い!」ゴソゴソ

さやか「さっき体育館から拝借してきたわ!」キンゾクバット~

マミ「うん・・まぁ意気込みはいいわね・・・」

マミ「闇桐君は何か準備してきたかしら?」

闇桐「・・・これかな」ゴソゴソ

さやか「なんともいえない・・・」

まどか「・・・」

マミ「これはまた・・・」

闇桐「安心してください。ただの木刀ですから」

さやか「まぁ見れば分かるけどさ」

さやか「んで、まどかは何か準備してきた?」

まどか「え!?」

まどか「え、ええっと私はこんなの考えてみた!」ゴソゴソ

さやか「」

マミ「」

闇桐「」

まどか「・・・あれ」

さやか「・・・ブッ」

マミ「・・・」クスクス

闇桐「……」(笑いを堪えてる)

まどか「うう〃〃」



マミ「見てこのソウルジュエル、光ってるのが分かる?」

まどか「はい」

マミ「昨日ここにいた魔女の魔力に反応しているの」

マミ「基本はこの反応を頼りに魔女を追うのよ」

さやか「わー・・・結構地味・・・」

闇桐「そういうな、まだ探す手段があるだけましさ」

マミ「魔女の呪いで起こるのは交通事故や傷害事件・・・自殺なんかが多いわ」

マミ「だから、そういう事が起こりやすい所を優先的にチェックするの」

さやか「へぇー」

闇桐「ふむふむ」

マミ「それと弱った人の多い病院に魔女が取り憑くと、生命エネルギーを吸い取られて」

マミ「かなりまずいことになるから注意したほうがいいわ」

さやか「病院・・・」

マミ「・・・!」フッ

マミ「・・・近いわ」

さやか「え!?」

マミ「こっち!」タッタッタ

マミ「廃ビル・・・ここだわ!」

さやか「・・・あ」

さやか「マミさん、屋上に誰か・・・!」

さやか「え・・・っまさかあの人」

闇桐「っ!?飛び降りる気か!?」

まどか「!!」

マミ「・・・っ」フワッ

マミさんの放ったリボンが落ちてくる人を包み優しく地面に落とす。

さやか「マミさんっ!」

マミ「大丈夫気を失っているだけ」

まどか「・・・」ホッ

マミは落ちてきた人の首筋を確認する。

マミ「魔女の口つげ・・・やっぱりね」

さやか「口づけ?」

マミ「詳しい話は後!魔女はビルの中よ追い詰めましょう!」

闇さやまど「「「はいっ!」」」


マミ「これでよし、気休め程度だけど身を守れるはずよ」フゥッ

さやか「おおバットが変化してる・・・」

闇桐「木刀が輝いているな・・・」

マミ「使い魔の群れを突破すれば魔女の所に在りつけるわ」

マミ「それじゃ行くわよ!、三人共!」

その掛け声と共に四人は使い魔の群れへと突進していった。

マミは得意の銃撃で使い魔を撃ち落としまくる、さやかはバットで使い魔から身を守る

闇桐は木刀で使い魔を切り裂いていく。まどかはただ走る。

そして「・・・」バタン 魔女の所にまで辿り着く。

マミ「・・・出たわ」そして告げる

マミ「あれが魔女よ」

さやか「うわグロい・・・・」

まどか「あんなのと戦うんですか・・・?」

闇桐「なんか・・・形が良く分からん化け物だな」

マミ「大丈夫、負けたりなんかしないわ」そしてマミはマスケット銃を作り出す。

そして魔女の付近の床を撃つ、パァン、パァン、パァン、一発も魔女には当てない。

それを見てさやかは怖くなり「ちょ・・・マミさぁん!当たってないじゃないですか!」と叫ぶ

それに対しマミは余裕の表情で「まぁ見てなさいって」と答える

そして魔女が突進してくる。マミはそれをみてクスッと笑い、

「!?」さっき撃った床から無数のリボンが出て、そして魔女に絡みつく

まどかは「え・・?」驚愕の表情でマミさんを見ている「外れ弾から魔法!?」さやかもとても驚愕する。

そしてマミは大型の大砲を作り出し「これが私の戦い方!、未来の後輩にかっこ悪いとこ見せられないもの!!」

「ティロフィナーレッ!!!」それを合図に大砲からドォォォォンと激しいまるでビームのようなものが発射される

そして魔女は消え去った。

さやか「か・・勝っちゃった・・」

まどか「・・・・」

闇桐「流石ベテランだな・・尊敬に値するな」

そしてマミはこちらに歩み寄ってくる。

マミ「これがグリーフシード、魔女の卵よ」

うずらの卵くらいの大きさだった球形でその下から針が突き出てるような形状をしている。

さやか「た、卵ぉ!?」ビクビク

まどか「・・・っ!?」ビクビク

闇桐「・・・」

キュウべえ「大丈夫、この状態なら安全だ。むしろ役に立つよ」

ちなみにだがキュウべえはずっとまどかに抱えられている状況だ

マミ「魔女が時々持っていることがあるのよ」

マミ「魔法少女は戦ったりすると、魔力を消耗するの、私のソウルジェムが少し濁っているでしょ?」

まどか「ほんとだ・・・」

マミ「そこでこのグリーンシードを使うと・・・」コツン(グリーフシードにソウルジェムを当てた音」

マミ「濁りが吸収されて私の魔力は元通り!、これが魔女退治の見返りってわけ」シュルッ

さやか「なるほど」

マミ「あと一回くらい使えそうだしこのグリーフシード、あなたにも分けてあげるわ」

まどか「?」

マミ「暁美ほむらさん?」チラッ

ほむら「・・・」

まどか「ほむらちゃん!?」

さやか「うわ・・また出た!」

闇桐「お前・・・暁美さんのこと害虫扱いかよ・・・」

マミ「・・・それとも人と分け合うのは癪かしら?、まるごと自分のものにしたかった?」

ほむら「いらないわ、それはあなたの獲物よ、自分だけのものにすればいい・・・」

さやか「相変わらず感じ悪いやつ・・・何しに来たんだよ・・・」

まどか「もっと仲良くできればいいのに・・」

闇桐「(あいつ・・・なぜここに来たんだ?俺たちがここに居ることくらい分かるはずなのに・・・?)」

マミ「・・・・」

マミ「お互いに、そう思えれば、ね」

そして四人はビルの外に出る

「・・・?ここは・・・」女が目を覚ます

マミ「・・・・」ニコッ

「・・!あ・・・私、どうしてあんな事・・・・!」

マミ「大丈夫です、ちょっと悪い夢を見てただけですよ。」

さやか「一件落着・・・かな」

まどか「うん」

闇桐「だな」

まどか「マミさんって・・・すごくカッコ良くて・・・素敵だね」

さやか「・・・ん、そうだね、すげーかっこいい」

闇桐「女に対してかっこいいは、果たして褒め言葉なのか・・・きになるな」

まどか「(叶えたい願いとか)」

まどか「(私には難しすぎて)」

まどか「(すぐには決められないけど・・・)」

まどか「(こんな私でも誰かの役に立てるとしたら・・・)」

まどか「(それはとっても嬉しいなって思ってしまうのでした。)」
 
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