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恋姫~如水伝~

作者:ツカ
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IF 蜀侵攻
  最終話

魏軍は蜀軍に大勝し、華琳は追撃を開始し、蜀に侵攻した。如水は第二軍を引き連れ、漢中に進軍し、定軍山に軍を動かした。
「私の知る史実ではここで、秋蘭が死ぬのだったな。しかし、秋蘭は別行動をとっている。ここでは一層、万全を期す必要があるな」
「隊長、如何しましたか?」
「いや、これが最後の戦いだ気を引き締めるぞ」
「はい」
「わかったで」
「了解なの」

如水軍二十万は定軍山の麓に陣を敷き、策敵を開始した。

蜀軍陣地
「旗は藤の花、となれば黒田ですね。水色策士の力見極めて見ましょう」
「油断はせぬ方がいいだろう、我々にはもう後が無い」
「ええ、愛紗ちゃん達の仇獲らせて貰うわ」

そして、蜀軍は十段に別れ、奇襲を開始した。

如水はそれに対し冷静に対処し、四方からの敵の攻撃に交代制で対応し、逆に少数の蜀軍を疲労させた。
「いいか、敵は寡兵だ。私の指示通りに対応すれば必ず相手は疲れてくる、今はしのげ」
「「「「「「おおっー」」」」」」

奇襲に失敗した蜀軍は体制を建て直し、対陣した。
「へたな小細工は効かない様ね」
「…ああ、さすが曹操軍の首席軍師だ」
そこに伝令が駆け込んできた
「将軍、敵に動きありとの事です」
「どうした」
「敵が我が軍を包囲し始めました」
「私達の居場所が気づかれた様ね、急いで撤退しましょう」
「しかし、逃げられるかな」
「包囲はまだ完全ではありません。敵の包囲はまだ成都の方角にはまだ逃げ道が出来ております」
「そこに向かいましょう」
「そうだな今しかない」
蜀軍は成都の方角に向かって隠密に撤退し、趙雲が先陣を受け、黄忠は殿を指揮した。
黄忠が後退していく最中に凪、沙和の部隊が襲い掛かり、黄忠軍は四散した
兵士達が逃げていくのを見ながら黄忠はようやく真意を悟った。
「罠?わざと逃げ道を作っていたの」
「そういうことだ、観念しろ」
「そうねの~」
「くっ…」

黄忠は奮闘したが相手は数千を超え、黄忠の部隊は既に逃げており、武勇を誇る彼女でも多勢には勝てず、奮戦むなしく討ち取られた。

その報を聞き、趙雲は軍を反転させ城に入り。魏軍に備えた。
「皆、死んでしまったか。短い間だったが楽しい思い出だっだな。だが、ただでは死なんぞ」
趙雲は兵を城の周りの森に隠し、自身は城門に一人で立ちふさがった。

「我が名は趙子龍。魏の兵達よ命が惜しくなくば掛かって来い」
趙雲の叫びに魏の兵らは佇んでいた。
「ふん、二十万も居て誰も挑んでこんのか」

趙雲が冷笑したがその後、戦慄した。城の周りに配置していた兵士達が全滅し、城の周りには藤の花の旗が立っていた。
「一体いつの間に?」
「貴女達が奇襲をしていた時からですよ。逃げ道を想定し、その道筋に都合の良い城が有りました、最初からそこに兵を置いて居ただけの事です」
「貴様!あの時の」
「お久しぶりです、趙雲殿。あの時は命を助けていただいてありがとうございます」
「まさか、あの時の男が空の奇術師か。私も見る目が無かったな」
そう言って趙雲は槍を構え自身の喉を突き刺し絶命した。
その様子を見た、如水は趙雲を褒め称えた
「趙子龍。見事な最後です、私ももう長く無いでしょうが、貴女の事は決して忘れません」

如水はそう言って軍を纏め、成都に進軍した。

成都

劉備が逃げ帰った後、成都では民衆が劉備を包囲していた。
「お前、一人逃げ帰って着やがって」
「うちの息子はどうなったんだ」
「お前のせいで、俺達の生活はめちゃくちゃだ」
劉備はそれに対して弁明した
「…でも、…私は皆を守りたかったの」
「何を言ってやがる。だれがお前に守って貰いたいなんて頼んだ」
「そうだ、お前さえ来なければ平和に暮らせたんだ」
「…ごめんなさい」
劉備の態度に民衆は激昂した
「ふざけるな!」
民衆が劉備に手を出そうとした時。

「「そこまでにしなさい」」
不意に声を掛けられ、劉備と民衆はそちらを向いた

そこには曹操が、四十万の軍を引き連れた、曹操と孫権が立っていた
「確かに劉備のした事は許される事では無いわ。でも、直接貴方達を苦しめたのは私達二人よ」
「そうね、貴方達の家族を殺したのは私達だわ」
そう言って二人は頭を下げた。
「許してくれとは言わないわ、でも、だからこそ私達はこれから償っていくつもり」
「私と曹操の二人で、貴方達を守っていくわ」

その言葉を聞き、民衆は納得した。
「わかりました、御二人に従います」
その言葉を聞き、華琳は劉備を水徹城に送った。

「劉備の身柄は私達が預かるわ、劉備には自分の罪を認め、どうするか自分で決めて貰うわ。皆、炊き出しをするから付いて来なさい」

華琳は立ち止まり宣言した
「これで、乱世は終わった。皆、戦乱は終わり、嘆き悲しむ時代は去った。この曹孟徳と盟友の孫仲謀が大陸の治世をここに誓おう」
「「「「「「「「「「おおっー」」」」」」」」」」


成都郊外

各地で歓声が挙がる中、如水は流れる川を見ながら一人佇んでいた
そこに華琳が声をかけた
「こんな所に居たのね」
「華琳か」
「いくのね」
「ああ、もう乱世は終わった、私は用無しだ」
「…そんなわけっ」
「ありがとう、君に逢えて私は幸せだった」
華琳の言葉を遮る様に如水は語った
「君の覇道を仲間と共に支えれた、君と共に過ごした時間とても楽しかった。とても心の躍る時間だった、感謝している」
「如水、私は…」
「散っていった者と共に、君の天下を何処かで見守ろう。そして願わくばこの平和を祈るとする」
そして最後に華琳に笑いかけ
「さようなら、我が愛しの可憐な覇者、実をいうと初めて会った時からずっと君に惹かれていたんだ」
そう言って如水は跡形も無く消えた。
それを見ていた、華琳は笑った。
「馬鹿…。最後に私も好きだったって言いそびれたじゃない」

川に流れる水をみながら華琳は涙を流し笑った。
 
 

 
後書き
これで、本当に終わります。

前回よりは上手く終わらせたと思います。 
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