『曹徳の奮闘記』改訂版
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第九十七話
玉座は騒然としていた。
「……種馬ね……」
「うぐ」
旬イクが呟いた言葉は非常に俺の心に突き刺さったな……。
「な、長門ッ!!」
「ど、どうした焔耶?」
何故か顔を真っ赤にした焔耶がそこにいた。
「つ、次は私だよなッ!?」
「へ?」
「あ、じゃあ次私ね」
「御姉様ッ!!」
「へ?」
「何を仰いますのッ!! 次は私ですわッ!!」
玉座が騒がしくなってきた。
「これは一体……」
「まだ気付かないの?」
そこへロッタとクロエが近づいてきた。二人とも顔を赤くしている。
「言っておくけど、あんたを想うのはその三人だけじゃないわよ」
「……え?」
ロッタの言葉に王双は唖然とし、笑いあう女性達がいた。
ちなみに魏組は笑ってないが、夏候淵だけは笑っていたが表情は何も笑ってなかった。
「(華琳様……)」
「(色々と決壊しそうね)」
曹操は溜め息を吐いたのであった。
そしてその夜、俺は部屋で酒を飲んでいた。
「……蜀は荊州から健業へ侵攻しなかった……ただの杞憂であればいいが、何か引っ掛かるんだよなぁ……」
そう思った時、扉が叩かれた。
「はいはい、どなたかな……って夏候淵じゃないか」
外にいたのは夏候淵だった。けど何で俺の部屋に?
「……お聞きしたい事があります」
「……取りあえず中に入ってくれ」
俺は夏候淵を招き入れた。椅子に座らせて酒を注ぐ。
「安酒しかないけど済まんな」
「構いません」
夏候淵は酒を受け取ると一気飲みをして酒を飲み干した。
「……王双殿、貴方は曹徳様で宜しいんですね?」
「……あぁそうだ」
「曹徳様ッ!!」
「お、おい夏候淵……」
その瞬間、夏候淵が俺に抱きついてきた。
「曹徳様……ずっと探しておられました……来る日も来る日も……」
「……夏候淵。俺なんか探すより曹操を支える方がいいぞ」
「いえ……華琳様は確かに私の主でありますが、本当の主は曹徳様、貴方です」
よく見れば夏候淵は泣いていた。俺はそっと夏候淵の頭を撫でた。
「……済まなかったな夏候淵」
「いえ、謝られる事ではありません。ですが……もう少しこのままで……」
夏候淵は目を閉じた。俺達は暫く抱き合い、夏候淵の頭を撫でていた。
「さ、今日はもう遅い。部屋に帰って「御断りします」へ?」
夏候淵はそう言って俺を持ち上げて……。
「うぷ」
俺は寝台に寝かされた。
「か、夏候淵?」
「曹徳様、貴方が出られる前から想っておりました。どうかお情けを下さいませんか?」
夏候淵はそう言ってチャイナ服を下からたくしあげて、黒のパンティを脱いだ。
「ちょ、夏候淵ッ!?」
「もう……駄目です。この想いは押さえられません。貴方が三人を妊娠させた時、我慢の限界を越えました。んちゅ……」
「夏候……んちゅ……」
夏候淵は俺の口を塞ぎ、舌を出して俺の口を開けて俺の舌と絡み合う。
何分経ったのか分からない。キスを終えると夏候淵と俺の唾液の橋が離れて崩れた。
「……良いんだな?」
「……はい。曹徳様に全てを捧げます」
そして俺と夏候淵は一つになった。
「……やっちまった……」
翌朝、俺の横には裸の夏候淵がいた。あの後、俺と夏候淵は六回戦まで行為をした。
まぁ……。
「……ん……」
こんな嬉しそうに寝ている夏候淵を見たらどうでも良くなってくるな。
「……曹徳様……」
「ん? 起きたか夏候淵」
太陽の光に夏候淵が目を覚ました。
「……違いますよ曹徳様」
「何が違うんだ夏候淵?」
「……秋蘭で良いです」
それは……。
「……分かった。秋蘭、朝飯でも食べようか」
「はい曹徳様」
「秋蘭こそ違うな……長門で構わない」
「……はい長門様」
秋蘭はそう言って微笑んだのであった。
「……その様子だと上手くいったようね」
「曹操……」
二人で食堂に行くと既に朝食を食べている曹操がいた。
「華琳様、ありがとうございます」
「私は何もしてないわよ?」
曹操はフッと笑った。……右頬に米粒が付いているけどな。
「おめでとうございます夏候淵さん」
「な、七乃……」
そこへ七乃達がやってきた。
「長門さん、私はそこまで意地悪じゃないですよ」
心を読まれた……。
「ハッハッハ、此方は妊娠しておるからな。一歩進んでいるから余裕はあるぞ」
朝から元気な桜花である。多分生まれてくる赤ちゃんは元気一杯だろうな。
「王双様」
「どうした司馬懿?」
そこへ司馬懿がやってきた。
「間者から報告ですが……」
司馬懿はそう言ってチラリと曹操の方へ視線を向けた。
「大丈夫だ司馬懿。曹操達はもう降伏しているから心配は無い」
「いえ、その心配は無いのです」
「なら一体……」
「……蜀軍が魏へと侵攻しました。その数、約五十万です」
『ッ!?』
司馬懿の報告に俺達に衝撃が走り、俺は蜀が荊州から侵攻する気配が無い事に漸く判った。
「……北郷め、火事場泥棒の如く侵攻しやがったな……」
「はい、美羽様は魏軍を含めて招集をかけました」
そして俺達は直ぐに朝食を終わらせて玉座へと集まるのであった。
後書き
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