ヘタリア大帝国
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TURN81 内戦介入その十二
「あんたもある」
「あっ、どうも」
「遠慮はいらないある。どんどん飲むよろし」
「これは中帝国のお茶ですね」
「勿論あるよ」
これは最早言うまでもないことだった。
「私が直接淹れたお茶ある。だから美味しいあるよ」
「お茶はやっぱり中帝国ですね」
「日本も凄いと思うあるが」
中国妹は日本の抹茶の話をする。
「あれは最初飲んでびっくりしたあるよ」
「そうなんですか」
「美味しいある、また飲みたいあるな」
「では今淹れますが」
「あっ、そうしてくれるあるか」
「はい、皆さんさえよければ」
笑顔で応える日本妹だった。そして早速。
その抹茶を淹れて一同に振舞う、ハンナはその茶も飲んでそのうえで確かな笑顔になりこう言ったのだった。
「日本のお茶もいいわね」
「美味しいですか?」
「ええ、飲めば気が晴れるわ」
これはお茶全体に言えることだった。
「すっきりするわね」
「コーヒーもそうだけれどね」
アメリカ妹も抹茶を飲みつつ言う。
「いや、お茶っていいわね」
「お茶は美味しいだけでなく目も覚ましてくれますので」
「だからいいあるよ」
日本妹だけでなく中国妹もそうだと話す。
「本当に素晴らしい飲み物です」
「しかも今は安いある」
かつては非常に高価だったが今は違うというのだ。
「ですからどんどん飲んで下さい」
「何度も言うあるが遠慮は無用あるよ」
「そういえば山下長官ってあれよね」
キャロルも茶を貰ってそのうえで言う。
「茶道免許皆伝よね」
「華道も日舞も書道もです」
「凄い人なのね」
「しかも漢籍や英文にも通じておられます」
「で、武道もよね」
剣道に柔道、居合に合気道に空手で免許皆伝だ。
「凄い人じゃない」
「まさに文武両道の方です」
「能力は高いのね」
キャロルは山下の先程のことを思い出しながら話した。
「ううん、けれどね」
「余裕がないわね」
ハンナは山下の難点を既に見抜いていた、そのうえでの言葉だ。
「それが問題ね」
「余裕がないですか」
「ええ、生真面目に過ぎるわね」
こうも言うハンナだった、山下を冷静に見て言うのだった。
「それに海軍への対抗意識が強いわね」
「あの、前から思っていましたが」
今度はリンファが言う、リンファもお茶を飲んでいる。
「日本帝国軍は何故海軍と陸軍に分かれているのですか?」
「そのことですね」
「それが不思議だったのですが」
「建国の時からでして」
遥か彼方からのことだった、このことは。
「帝、そして国家と国民を宙で護るのが海軍でして」
「惑星が陸軍ですか」
「そう決められていまして」
そのうえでだというのだ。
「柴神様もそれでいいと仰っています」
「対立しませんか?」
「っていうか実際にしてない?」
キャロルは少し懸念している感じだった。
「軍で亀裂が出来たらまずいわよ」
「それはその」
「というかね、普通海軍だけでしょ」
キャロルは日本帝国軍の立場に己を置いて考えてみてそのうえで日本妹に対して言った。
「陸軍は海軍の下にあって」
「他の国で言う陸戦隊ですね」
「それになるでしょ、普通は」
「我が中帝国でもそうです」
リンファがまた言う。
「それは」
「そうそう、分かれていたらよくないと思うけれど」
「それでいいいというのは」
「かなりわからないけれど」
「何でも。国家を護る両輪が必要だと」
日本妹は柴神の言葉をキャロル達に紹介した。
「それで、ということらしいです」
「ううん、そうなの」
「それでなのですか」
「それが柴神様のお言葉です」
「だったら他国のあたし達が言うことじゃないけれど」
「内部での衝突は止めて下さいね」
キャロルとリンファは自分達の懸念を日本妹に話した。
「これからアステカに連合国との戦いがあるから」
「内から崩れたらどうしよもないですから」
他国から見ても日本帝国においての海軍と陸軍の関係は気になることだった、そうした話をしているうちに時は過ぎていく。
遂に一時間経った、五時になってだった。
部屋の扉が開いた、ここでようやく話が動くのだった。
TURN81 完
2012・1・12
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