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久遠の神話

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第四十八話 会食その十三

「苦労しているだろうがな」
「アメリカさんもですか?」
「アメリカ軍でもな」
「だってお金があるからそこまでの状況なんですよね」
 日本念で千円でバイキングが楽しめるまでにだ。
「それでなんですか」
「そうした状況からレベルを下げたいか」
「いえ、それは」
「下げたくはないな」
「はい、一度なったら」
「そういうことだ。それにアメリカ軍はとにかく強力な兵器が多い」
 原子力空母や原子力潜水艦がその代表だ。
「あの巨大な空母を何隻もだ」
「ああ、あれですね」
「あんなものを何隻も持っていればどうだ」
「洒落にならない位お金がかかりますね」
「維持費もな」
「ですよね」
「だからだ。確かにアメリカ軍は支える国力もかなりでだ」
 やはり日本と比べても段違いだ。アメリカが世界でもダントツの国力を持っていることは否定できないものがある。
「そして軍事費も自衛隊とは比較にならない」
「それでもなんですね」
「それだけの状況を維持するにはだ」
「予算が必要だからですか」
「その確保と運用に四苦八苦している」
「そういえばいつも軍事費の削減や拡大が問題になっていますね」
 アメリカ政治で常に議論になっていることの一つだ。これをどうするかがアメリカ議会でも問題になっているのだ。
「新聞でも書かれてますね」
「そして削減されればだ」
「兵器もなくなりますね」
「若しかしたらバイキングの質も落ちるかも知れない」
「ううん、だからアメリカ軍もですか」
「予算については苦労している筈だ」
 それは間違いないというのだ。
「絶対にだ」
「そうなんですね、アメリカも」
「そうなる。だが今現在はだ」
 工藤は話を戻した。
「領事館にしてもだが」
「バイキングの心配はないですか」
「一つ言っておくが横須賀のそれは我が国のそれなりのレストランと比べても遜色がない」
「メニューの質も種類もですか」
「素晴らしいものがある」
「アメリカっていうと料理はって思ってたんですがね」
「本当に変わった」
 アメリカの料理がまずいというのも過去の話だというのだ。
「それはな」
「そうなんですね」
「少なくとも海軍は違う」
「じゃあ陸軍は」
「期待しない方がいいかも知れない」
 陸についてはこうだった。
「陸軍の食事は悪いものだ」
「それって世界の常識なんですか?」
「半分そうなっている」
「それで海軍の食事がいいのもですか」
「そう思ってくれていい」
「陸自さんが一番頑張ってくれている感じですけれど」
 これは高橋が見てもそうだった。
「何か陸自さんが可哀想ですね」
「素人さんが持ち回りで作るから仕方がない」
 士、つまり兵士がそうしているからだというのだ。
「そうなっているのだ」
「そういうことなんですね」
「では四人で行こう」 
 工藤は上城と大石にも話した。
「それではな」
「はい、それじゃあ」
 上城が応えた。そうしてだった。 
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