俺はどうやら死んだようだ

鬼咲の部屋を後にした神崎と愛咲はギルドの受付カウンターの前にいた。

部屋で起こったことをここまでの道中で愛咲に説明していたのでギルドカードはすぐに用意されていた。 

「はい！この黒いカードがⅩランクのカードで青いのがＢランクのカードね。取りあえず、神崎君は魔法に慣れるまではＢランクのカードで簡単な任務を受けてもらうからね！あと余談だけど一か月後に学園が始まるからその準備もしておいてね！」


余談が一番大事だなおい！何さらっと学園イベント発動してんの！？俺魔法使えないのに魔法学園に入学するんですか！？


口にできないツッコミを何とか押し殺しながら俺は何とか表情を崩さない。この世界に来てからツッコむ頻度が増えた気がする。


「俺魔法使えないのに魔法学園に入学すんのか？イジメられるよ？俺転生して一か月でイジメられるよ？」

ツッコミを我慢できませんでした。ちなみに俺が転生者と言う事は慶次と佳奈しか知らない。会って一時間も経ってないけど、なんか信用できるから話しちまった。


「そこで神崎君に一つ提案があります！」

人差し指をピンと立て、カウンターに身を乗り出す佳奈。もう片方の手には大量の書類を持っている。取りあえず椅子に座ろうよ。周りからの視線が痛いよ。


「ここにＣ～Ａランクまでの魔物討伐依頼が全部で100個あります。この依頼を、そうですね…3週間で全て終わらせてください。そうっすれば神崎君はきっと強くなれます！名付けて、『愛咲特製特訓プログラム！3週間で依頼をこなせ神崎流弥強化合宿～』です！」


です！じゃねーよ！何強化合宿って！強化とかの前にまず、魔法の出し方教えてくれよ！いまだに雷を制御出来てないんだぞ俺！

「ちなみにこの一か月間はこれらを付けて生活してもらいます」


差し出されたのは、指輪が二つにネックレスが一つ、ピアスが一つ。何ですかこれ？


「それは封魔具と言って魔力量を抑えるための道具になります。魔力は指輪一つで１/５、ピアス一つで１/２０、ネックレス一つで１/５０になります。すべてつけると神崎君の魔力量は7億だから…神崎君の魔力は28000になりますね。学生の平均魔力量が25000だから、まあ妥当ね」

めんどくさいので説明中に全部つけちゃいました。右手の人差し指と薬指に指輪を、左耳にピアスをネックレスは当然首に。ネックレスをつけた瞬間何とも言えない気怠さが身体を襲ったがすぐになくなった。


「魔力が抑えられたことによって魔力が暴走しなくなったと思うからその状態で魔力の使い方を覚えてね。よしそれじゃあ早速依頼行ってみよう！」

手渡される1枚の書類。なになに、『ホワイトウルフの討伐。報酬金は討伐したホワイトウルフの数による。Ｂランク』


なるほどこのくらいなら余裕かな？


「この依頼でいい。目的地まではどうやって行けばいいんだ？」

俺がそういうと魔法陣が書かれた紙を二つ手渡された。一つは赤い魔法陣でもう一つは青い魔法陣だ。


「その赤い魔法陣に魔力を流せば目的地周辺に転移出来るわ。依頼を達成したら青い魔法陣に魔力を流してここに帰ってきてね。それじゃあいってらっしゃい！」



佳奈に見送られ、俺は魔法陣に魔力を流す。風まきをつけたことにより魔力の暴走が抑えられ雷が発生することはなかった。







魔力を流してすぐに、俺は何とも言えない浮遊感に包まれた。










 

一か月で討伐依頼100個と言う地獄のメニューをこなすことになった神崎。

はたして神崎は無事に初任務を達成できるのか