ヘタリア大帝国
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TURN81 内戦介入その九
「百巻も続く筈だよ」
「スナイパーが主人公っていうのがいいわよね」
〆羅は先に最新刊を手に取って読む。
「そうよね」
「そうそう、マシーンみたいな主人公だけれどね」
犬が〆羅の今の言葉に応える。
「それがまた個性的で」
「うん、いい感じよね」
こんな話をしながら彼等は漫画を読んでいた。彼等は彼等で快適に時間を潰していた、そして東郷もまた。
料理のレシピの本を読みながら福原にこう言った。
「和食だが」
「お料理のことですか」
「ああ、今度娘に新しいメニューを作ろうと思っているが」
「和食のメニューで」
「何がいいだろうな」
レシピを読みながらの話だった。
「本当にな」
「ううん、娘さんですから」
福原はこのことから言う。
「味はあっさりとしていて」
「食べやすいものだな」
「はい、それでいて栄養があるものを」
「だとすれば何がいいか」
「鍋はどうでしょうか」
福原の横には平良がいる、その彼の言葉だ。
「あれならば味の加減も調整出来ますし」
「それぞれでだな」
「はい、しかも色々なものを入れられるので」
それで余計にいいというのだ。
「お子さんの身体にもいいかと」
「じゃあちゃんこか」
東郷は平良の話からそれを連想した。
「それがいいか」
「ちゃんこを作ったことはなかったのですか」
「家ではなかった」
東郷はこう福原に返した。
「すき焼きや水炊きはあるがな」
「そうだったのですか」
「そうか、ちゃんこか」
東郷は考える顔で言葉を出した。
「それがいいか」
「ただ。だしは和風ですね」
「ああ、和食を食べさせたいからな」
「それが少し残念ですが」
福原はこう漏らした。
「私としてはやはり」
「台湾の味だな」
「はい、そうです」
台湾の軍事顧問を務め最近の福原の嗜好はそちらに大きく傾いている、だからこその今の言葉だった。
「私としてはそれをお勧めしたいですが」
「私もです」
平良も言う、彼のお勧めはというと。
「やはりキムチで」
「そっちか」
「はい、韓国風に」
「だから和食でいきたいからな」
台湾料理でも韓国料理でもなくというのだ。
「そういうのは少しな」
「わかりました、それでは」
「以後発言を控えます」
「いや、いいアドバイスだった」
今は台湾風も韓国風もないがそれでもだというのだ。
「別の機会に作ってみる」
「そうされますか」
「娘さんにご馳走されますか」
「料理も同じものだと飽きるからな」
父親としてそこがどうしても気になることだった。
「毎日色々考えているんだ」
「それはいいことですが」
ここで平良は持ち前の謹言癖を出した、今言うことはというと。
「お言葉ですが贅沢になっては」
「ああ、それはない」
「それならいいですが」
「家庭の料理だからな」
だからだというのだ。
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