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ヘタリア大帝国

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TURN81 内戦介入その一

              TURN81  内戦介入
「凄い国だな、何度聞いても」
「そうですね、本当に」
 ベトナムとタイはそれぞれの乗艦の艦橋でモニターを通して話していた、彼等は既に伊勢志摩の宙域に入っている。
 他の国家や提督達もいる、その前には既に伊勢志摩の艦隊が展開している。
 だがその伊勢志摩軍は枢軸軍には向かっていない、二手に分かれ対峙していた。
 その両軍を見てタイはこうも言った。
「僕達は敵じゃないんですね」
「相手から見ればな」
 そうなるとベトナムも言う。
「我々はどうでもいいのだろうな」
「ううん、確かに侵略で来たのではないですが」
「それでもだな」
「ああした内戦というのは」
 ない、タイが言いたいのはそういうことだった。
「夫婦喧嘩ですか」
「本当にな、凄い国だ」
 またこう言うベトナムだった。その顔は引いている感じだ。
「どういう国だ」
「これでそれなりに豊かで国民生活も安定しています」
「失業率も低いな」
「はい」
 そして国民所得も高い方だ。
「いい国です」
「政治はしっかりとしているか」
「ただ喧嘩をしているだけですね」
「わからない国だ、しかしだ」
「うん、今からどちらかにつくのよ」
 フェムがここで二人に言う。
「それで内戦を終わらせるけれど」
「戦力的にはこちらが圧倒的だから」
 フィリピンは彼等の戦力を見ている、七十個を遥かに超えている。それに対して伊勢志摩軍はどちらも数個艦隊規模だ。
「僕達がついた方が勝つよ」
「それは間違いないけれど」
 フェムは不安な面持ちだった。
「問題はどっちにつくの?」
「難しいな」
 いささか引いている顔で言うベトナムだった。
「正直な」
「どっちが正しいのかしら」
「どっちもどっちだ」
 ベトナムはフェムにこう返した。
「理由もな」
「そうよね、二人共」
 フェム達はそれぞれが持っている伊勢志摩の資料を見た、そこには二人の男女の笑みを浮かべた写真もあった。
 ダークブラウンの鬣の様な豊かな髪に爽やかかつ精悍な顔立ちの男だ、年齢は二十代後半位であろうか。白い歯と額の十字の傷が目立つ。
 服は赤と紫の目立つものであり襟や袖が凄い、スタイルもよく出ており胸には紅の薔薇がある。
 黒く長い髪を後ろで束ねた艶やかな女だ。ダークパ^-プルの瞳は切れ長で左目の付け根に泣き黒子がある。唇は小さく紅で鼻立ちもいい。
 豊かな胸がはっきり出ている肩のない黒と赤のドレスを身にまとっている。艶やかという言葉をそのまま表した感じだ。
 男はフェリペ=イスパーニャ、伊勢志摩の国王だ。女はローザ=イ」スパーニャ、フェリペの妻であり王妃だ。この二人が楽しげに話していた。
「さあローザ、今日は君に御免なさいと言わせよう」
「それは私の台詞よ、フェリペ」
 ローザもローザで夫に笑みで返す。
「今日こそはよ」
「言うものだね、君も」
「何度でも言うわ。それではね」
「今からはじめましょう」
 二人で話をしている、ベトナムはその彼等を見てフェムに言う。
「どう違うんだ、本当に」
「あの、ですから喧嘩をする理由は」
「これがあれなんや」
 スペインが彼等のモニターに出て来た、何でもないといった笑顔だ。 
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