古の鉄の巨人を駆る他世界への介入者
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目覚める古の鉄の巨人
キョウスケは司令室から出て行きパイロットルームへと向かい、そこの一番奥に置かれているロッカーを開いた。そこには赤主体となっているパイロットスーツが置かれていた。それを見たキョウスケは懐かしそうに少し微笑んでから、パイロットスーツを纏った。
「・・・あの頃が懐かしいな、昔は必死にアルトに乗っていたものだ。もうそれが何億年前とは時の流れは恐ろしいものだ」
キョウスケは転生したばかりに、アルトに乗って必死に敵を薙倒して生き延びていた頃を思い出しながら格納庫へと向かった。
そして格納庫につくと、整備班全員がキョウスケに向かって敬礼をした。キョウスケは敬礼を受けながらタラップに乗り、乗機に向かう。タラップはアビス、ガイア、カオスの傍を通り抜けてその奥に在る赤く光る機体へ向かっていた。
真紅に光る重装甲、右手には回転式の杭。左手には5つの銃口、腰には一丁の銃と一本の剣。異常なほど馬鹿でかい肩、コンテナと見違えるほど巨大だ。そして、頭部にある赤い一本角。キョウスケ・ナンブの愛機、『アルトアイゼン・リーゼ』である。長年キョウスケとともに苦楽を共にし、数多の戦場を駆けた赤き戦神。数え切れない世界を共に駆け抜け、その度で出くわす敵を貫いてきた。キョウスケの半身ともいえる存在なのだ。エクナが夫婦という名のパートナー関係だとすれば、キョウスケとアルトは生涯のパートナーだろう。
キョウスケはアルトの胸部を開放してコクピットへ乗り込む。久しく感じるコクピットのシートの感触、相変わらず硬く無機質なレバー。整備されてはいるが全く感触が変わらないスロットル。キョウスケはアルトの全てが懐かしかった。アルトを使用する機会は数百年単位でなかった、それ故にこうしてアルトに乗っている事が嬉しくも懐かしい。幾らが別の機体を使い機会はあったがやはり自分の相棒はアルトなのだなっと納得する。
そしてキョウスケはアルトのエンジンをスタートさせる。アルトの奥底から溢れてくるエンジンの音、溢れん出さんばかりに暴れだす永久機関。大きく機体が揺れている。が、これこそアルトなのだ。アルトは安全性など欠片もない欠陥機だ。元々バランスが悪く実戦導入出来るような代物ではない筈なのに、そこに更なる魔改造を加えられた結果、とんでもない化け物機体へと進化してしまった。
アルトのデータを入力すれば疑似操縦は出来るだろうが、乗った全員は口をそろえて
「あんなのに乗れるのは可笑しい、神でも天使でも無理」
っというトチ狂った機体。極度に扱いづらい、パイロットへの負担が大きいっという操縦性が劣悪なのだ。が、そんなアルトを唯一我が身のように使いこなしているのがキョウスケだった。
キョウスケは次々にアルトを起動させていき、最終チェックも終えて発進可能となった。するとアルトのモニターにデフォルメされた小さいアルトが現れた。
「久しいなエクス」
『はい、お久しぶりですキョウスケ様!』
エクスと呼ばれたデフォルメアルトはキョウスケの姿を見ると嬉しそうな声を出す。キョウスケがデフォルメされたアルトを見て少し笑う。
「どうした。今日はその姿か」
『はい、ちょっと趣向を変えてみました!』
「なんというか、アルトが随分とかわいくなるものだな・・・」
エクスと名付けれているこれはキョウスケは転生して少し経ってから自分のサポート用に作ったAIなのだ。エクスの役目は周囲警戒と状況把握。これ以外は全てキョウスケがマニュアルで担当している為、手動に集中する為にAIを作ったのだ。
「システムチェック」
『スラスター、武装、レーダー、機関問題なし。アルト、行けます』
「では行くか」
キョウスケがあるボタンを押すとアルトの拘束具が外れてアルトが開放される。そしてアルトの足元の床が降下して行き下へ降りていく。ある地点まで降り終わると上からアームが伸び、アルトの肩を掴んで持ち上げてそのまま輸送機へと積み込む。
輸送機は飛び立ち、数分後には使徒がいる地点へと到着するスピードを見せた。
『キョウスケ様、戦闘中域へ到着いたしました。発進願います』
「了解した」
ハッチが開き、明るい光がアルトを照らす。
「アルトアイゼン・リーゼ、キョウスケ・ナンブ出るぞ!!」
キョウスケは一気にスロットルを開いてスラスターを出力した。大出力大型スラスターが火を吹きカタパルトの勢いを相まって超加速で輸送機から飛び出した。そのスピードはまるで流星とも見間違えるほど。まるで隕石の如く使徒に向かい、橙色の使徒の身体の半分を吹き飛ばし、そのままの勢いで地面に降り立った。その際にも地面は大きく凹み、でかでかとクレーターを作っている。
橙は半身を吹き飛ばされながらも痙攣してるかのような動きをしている。灰色は橙に手を貸して橙を立たせると、傷はふさがって身体は再び構成し直された。灰色と橙はアルトの方を向いて走り出す。
「正面から来るか、その姿勢だけは褒めてやるが」
灰色と橙はジャンプしながらそのまま飛び掛るが、アルトの肩の武装が解放された。
「アルトに対しては逆効果だ!雪崩の名を持つ武装、天災に逆らえれるか。クレイモア!!」
肩の武装からは赤い粒子を纏った近距離指向性・近接戦闘用炸裂弾M180A3、クレイモアが吐き出される。調子近距離で放った為にクレイモアは全弾灰色と橙に直撃。近寄る事も出来ずに大きく弾き飛ばされ、倒れこむ。アルトは肩のクレイモアのハッチを戻してから、加速して使徒に向かう。使徒は大ダメージを食らい、一旦一体化しようと試みているのか、融合支し始めていた、が
「バンカー!貫け!!」
使徒の融合しかかっているコア部分に対して右手の杭、『リボルビング・バンカー』を突き刺した。ATフィールドまでも易々と貫いて、コア部分に刺さるバンカー。そのまま使徒を大きく持ち上げてスラスターを開いて空へと上昇していく。圧倒今に凄まじい速度まで加速したアルトはそのままバンカーに付属しているリボルバーから弾薬を打ち込んでいく。コア部分の亀裂はドンドン大きくなっていき遂には砕け散り、アルトはそのまま全くスピードを落とさずに使徒を貫通した。使徒は粉々に砕け散っていき、地面に接したときに膨れ上がっていき、大爆発を起こした。アルトはそのまま輸送機に戻っていき、輸送機はアルトを格納したあと注意機からさっさと離脱した
後書き
・・・満足・・・♪
やっぱアルトいいわぁ・・・。男のロマンだわぁ・・・。癖のありながらとんでもない攻撃力と重装甲、そしてあの爆発的な加速力・・・いいわぁ・・・でも今回のアルトの戦闘、これでも自重してるんだよね。まだアルトの永久機関使ってないし。もしかしたら本気のアルト来るかも!?
まあ100%、半分運転でも世界が軽く半壊するけどねキラッ☆
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