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万華鏡

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第三十五話 厳島神社その三

「米沢もそうだけれど」
「伊達政宗って凄いのね」
「大河ドラマの主人公にもなってるしアクションゲームでも常連でしかも実質百万石で今は政令指定都市よ」
 仙台市の話にもなる。
「東北じゃダントツじゃない」
「そこまで凄いの」
「そう、だからね」 
 彩夏は仙台についても羨ましそうに語っていく、政宗だけでなく。
「負けたくないけれど」
「ううん、難しい話よね」
「そうね」
 四人も今の彩夏にはこう言うしかなかった、そしてだった。
 そうした話をしているとだった、宇野先輩が五人に少し不機嫌に言って来た。その言うことはというと。
「私だと毛利様しかないけれど」
「あっ、やっぱりですか」
「毛利元就さんですか」
「毛利様よ」
 今は酔っていないので五人に普通の言葉で言う。
「そこ重要よ」
「毛利元就様ですか」
「そう言わないと駄目なんですか」
「そうよ、広島の英雄だから」
 当時は安芸の国だったがあえてこう言うのだ。
「様付けでないと」
「それで宇野先輩はなんですか」
「その毛利様なんですね」
「私はそうしたゲームでは絶対に毛利元就様よ」
 彼を選んで遊んでいるというのだ。
「この人しかないわよ」
「ううん、流石広島出身ですね」
「その人一択なんですね」
「野球はカープでサッカーもね」
 広島のチームしかないというのだ。
「それ一択よ」
「ですか、じゃあ神社もですね」
「一番お好きなのは」
「決まってるでしょ、今から行く場所よ」
 やはりこれも一択だった。
「厳島神社よ」
「そこなんですね」
「広島なら」
「厳島だけだったのよ」
 宇野先輩はここで話題を変えた、そして言うこととは。
「平家を庇ったのは」
「あっ、平家物語で」
「それでなんですか」
「そうなの、日本中の神様が集まって平家をどうするかってお話をしている時にね」
 その時にだというのだ、厳島神社の神だけは陛下を庇ったというのだ。
「まあ庇ったのは厳島の神様だけで他の神様は平家を駄目だって言ったから」
「平家は終わった」
「そうなったんですね」
「残念だけれどね。あっ、私源氏嫌いだから」
 宇野先輩は五人にこのことも話した。
「頼朝がね」
「私も頼朝嫌いなのよね」
 宇野先輩といつも一緒位いる高見先輩も言う。
「お父さんが義経好きで」
「それで頼朝嫌いだから」
「それでなんですね」
「そうなのよ。というか頼朝って嫌な奴じゃない」
 高見先輩は先輩が思っていることも言った。
「陰険でしょ、疑い深いし」
「ああ、あいつはそうですね」
「そういう性格ですね」
 五人も高見先輩の言葉に賛成する、当然宇野先輩の言葉にもだ。
「ゲームでも漫画でもいつも悪役で」
「嫌な奴で」
「だから嫌いなの」
 高見先輩は厳島の方を見て言うのだった。 
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