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好きです!先輩!

作者:黒風
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第一話 着替えてるんですけど、先輩。

俺は、原田悠一(はらだゆういち)。

男子バスケ部の1年だ。


「よし!練習終了!」


キャプテンがそう告げる。

号令がかかり、部室で着替えようと移動する。


?「ん~、やっぱ練習って疲れるよな~!」


そうぼやいているのは、同じ1年の花咲叶斗(はなさきかなと)だ。

背は、バスケをやるには小さくて小柄だが、頼れる同級生だと思う。


叶「なぁ、悠一と遥はどう思うよ?」

悠「ま、確かにうちの練習はきついんじゃね?」

?「何言ってんだ?強豪校はこれよりきついぞ。」

叶「うぇ!マジかよ…ここでよかったかも。」


無表情に強豪校のきつさを告げたのは、成神遥(なるかみはる)。高身長のイケメンで、無口なミステリアスキャラとして人気だ。ファンは他校にまでいるほどだ。(本人は迷惑してるそうだが。)


遥「…慣れればここもきつくないだろ。」

叶「そうかな~…」

悠「でも、もうひとつ慣れなきゃいけないこともあるぞ…」

叶・遥「「…『あれ』か。」」

悠「『あれ』だ。」


話しながら歩いていたら、部室の前まで来ていたようだ。

部室に入り、着替え始め…

ようとするのだが。


?「あー!来た!ほら、お前ら。早く着替えないの?」


でた。一番の強敵(?)。そして、


俺の好きな人。

彼の名前は朝倉凪(あさくらなぎ)。よく言って、スキンシップの多い人。

悪く言って、変態だ。

凪「ほらほら~、着替えようぜ?特に遥!」


みんな、着替えるのを躊躇っている。

そんな中、着替えようとするのは俺だけ。

すると、先輩の目が光り、俺を捉えた。


凪「ほら!悠一はえらいぞ~!着替え始めて!お前らも着替えろよ!」


そう言いながら、俺に抱きついている先輩。

「やめて下さいよ~www」とか言いながら、俺も満更でもない。


「つか、お前も着替えろ!凪!」

キャプテンがツッコミを入れても、

凪「俺、上半身でも人に裸見られたくないのー。人の見るのは好きなんだけどねー。」

と、返してしまう。


キャ「だったら見んな!」


キャプテン、ごもっともです。


凪「えー………はっ!俺、今日体育館の鍵やんなきゃ!じゃあ、後で、ね☆」


そう言って部室を出て行く先輩を眺めてたら遥がぽつりと言った。


遥「…お前、よく朝倉先輩の前で着替えられるよな。」

悠「ま、慣れだよ。慣れ。」



本当は、先輩のこと好きだから、なんて言える筈もない。 
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