ヘタリア大帝国
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TURN80 スペインとの交渉その五
「まあ。生きる為には当然だな」
「その中にはエイリスも入りますね」
「絶対にな。あいつもな」
フランスは今度はイギリスのことを思い浮かべながら言った。
「意地を張ってばかりっていうのもな」
「よくないですか」
「植民地のないあいつは正直な」
「欧州の大国ですね」
「ああ、大国は大国でもな」
最早世界帝国ではなくなる、そうなるというのだ。
「そうなるからな」
「ですか。それにしても」
シャルロットはフランスとここまで話してそのうえでまずは顔を上げて嘆息した、そして己の祖国にこう言った。
「この戦争で欧州が失うものは大きいですね」
「あの連中がこれからでかい顔をしていくな」
フランスは今回は日本にアメリカ、中国の顔を思い浮かべた。
「あとインドか」
「何気に凄い顔触れですね」
「俺もそう思う、それでだけれどな」
フランスはまたイタリアを見た、見れば彼は気持ち良さそうに寝ている。
「こいつは本当によく寝るな」
「シェスタですね」
「それ好きだよな」
「それはスペインさんもですね」
「あいつもまだ寝てるんだろうな」
フランスも言いながらコーヒーを飲みスイーツを口にしている。
「気楽だな。っていってもな」
「フランス殿は祖国殿をいつも可愛がってくれますね」
「だから嫌いじゃないんだよ」
起きているユーリへの言葉だ。
「イタリアもロマーノもな」
「そうですね」
「昔からな。すげえ弱いけれどな」
最早その弱さは伝説だ。
「こっちにいても戦力としては計算できないさ」
「申し訳ありません」
「いいさ。戦争はしないに限るからな」
頭を下げるユーリをすぐにフォローする。
「大体イタリアは外交だからな」
「確かに。昔から我が国は」
「だと?あちこちばらばらだった時、いやローマの爺さんの頃に培われたな」
「あのローマ帝国に」
「あの爺さんあれで人付き合いも上手だったんだよ」
ただ強く戦いたいだけの国ではなかったというのだ。
「そっちでも才能があってな」
「その血を祖国殿とロマーノ殿も受け継いでおられるのですか」
「そうなるだろうな、強さは妹さん達にいってな」
イタリンは女の方が強い、それでそうなるのだ。
「バランスよくなってるのか?」
「そうなるでしょうか」
「まあとにかくこいつは外交なんだよ」
またイタリアを見て言うフランスだった。
「それでスペインもな」
「外交が上手ですね」
「交渉は真剣にやらないとな」
さもなければ成功もしないというのだ、フランスは覚悟も見せた。
そのうえでコーヒーと菓子を楽しみながら待っていると遂にだった、部屋にスペインが来たのだった。
「ああ、待ったか?」
「ったくよ、寝てたんだな」
「そや」
平然として答えるスペインだった。
「四時までな」
「今四時半だけれどな」
「眠気覚ましにシャワー浴びてたんや」
やはり平然としている。
「まあちょっと時間食うたな」
「相変わらずだな、おい」
フランスも特に怒らず笑顔でスペインに返す。
「マイペースっていうかな」
「それでもそっちも楽しんでたみたいやな」
「食ってたぜ」
菓子は今もテーブルの上にある。
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