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ハイスクールD×D~小さな赤龍帝~

作者:九桜
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第0章 転生世界のチャイルドドラゴン
  第1話 少年と赤い龍帝

 
前書き
 お待たせして申し訳ありません。

 そろそろ本腰入れて書いていこうと思います。 

 
 Side:龍夜


 俺の名は兵藤龍夜。突然だが、俺は転生者という者らしい。


 いきなり何言ってんだ、と思うかもしれんが、残念ながら事実であるのだから仕方がない。何故かというと俺には前世の記憶があるのだ。自分が前世でどのような人生を送ってきたか、どんな最期を迎えたのかもはっきりと思い出せる。


 そう、俺が最後に見たあの子の泣き顔とありがとうという言葉も。


 まあ、そんなわけで神様の気紛れかは知らんが、こうして俺は第二の人生を手に入れられたということだ。ちなみに俺は今七歳。前世の記憶を思い出したのが五歳のころだった。


 ……正直安堵した。


 もし赤ん坊のころから前世の記憶があったらと思うと、前世で読んだ二次小説なんかであった羞恥プレイが……やめよう、考えたくない。


 とにかく、前世の記憶を思い出してからというもの、俺の精神はすっかり老成してしまっているから時折うっかり子供らしくない発言をしてしまうのが悩みといえば悩みではある。気を付けてはいるつもりなのだが。あと他に悩みといえば、やはり今の俺の容姿だろうか。別に不細工というわけではない。というか自分で言うのもなんだが、顔立ちはそれなりに整っている方だと思う。


 では何が問題なのかって?……それは俺の顔を見る人たちの十人中八人が女の子と見間違えるような顔立ちだからだ!!髪の毛も父さんと母さんが長い方が似合うとかって理由で全然切らせてくれないから伸び放題。今じゃ腰の辺りまで届いてい待っている。お陰で初対面の相手にはほぼ全員に女の子だと思われるし、この間なんて鼻息荒くした知らないおっさんに「お、お菓子あげるから、あっちのトイレの裏側でおじさんと楽しいことしよう」なんて言われたんだぞ!!



 ちなみにそのおっさんには丁重に全体重を乗せた飛び金的蹴りをかまして差し上げた。その後偶然近くを通りかかった警官におっさんを突きだしてめでたくそのおっさんは御用となりましたとさ。うん、この世から変態(あく)が一人減ってなによりだ。良いことしたな。


 …おっと、話が脱線してしまったな。何はともあれ俺は運よく得たこの第二の人生を満喫している。一度目の人生はあんなことになってしまったが、だからこそこの二度目の人生は少しでもマシなものにしていくつもりだ。俺の生まれた家はどこにでもある普通の家庭だが、生活に不自由はしていないし俺は満足している。父さんも母さんも俺にちゃんと愛情を注いでくれてるしな。


 んで俺が今何をしているのかというと、公園の噴水の縁に腰かけて人を待っている。ここで待ち合わせの約束をしていてもうすぐ来るはずなのだが………


「お~~い、りゅうちゃあ~ん」


 来たみたいだな。俺は声のした方に顔を向けると一人の俺と同い年くらいの子供が走ってくる。


「おっす。待ってたぜイリナ」


「ごめんりゅうちゃん。おまたせ」


 この子は紫藤イリナ。近所に住んでる俺の友達だ。活発そうな顔つきで半袖のシャツを着て半ズボンはいているから男の子と間違えられそうだが、れっきとした女の子である。俺とは真逆の子というわけだ。


「さて、今日は何して遊ぼうか?」


 俺の問いかけにイリナは目を閉じてしばしう~んう~ん唸る。


「えっとね、それじゃあチャンバラやりたい!」


 元気に手を挙げて答えるイリナ。そんな彼女の笑顔を見てると微笑ましい気持ちになってつい笑ってしまう。前世で人の笑った顔を見てこんな気持ちになったことなんてほとんどなかったのに。そう思うとやっぱり俺は少しばかり変わったのかもしれない。


「チャンバラか。よし、じゃあやるか」


 そう言って俺は近くに落ちてた木の棒を二つ拾って一本をイリナに投げ渡す。イリナはそれを上手くキャッチして剣道で言う正眼に構える。


「よ~っし!今日こそはりゅうちゃんに勝つからね!」


 そう宣言するイリナの目は子供らしい輝きでキラキラしている。ちなみに俺とイリナのチャンバラでの対戦記録は俺の連戦連勝だったりする。


「ははっ。さ~って、出来るかな?」


 俺は余裕の態度で棒を肩に担ぐ。イリナにとっては同い年の友達と遊んでるつもりなんだろうが、俺としては弟……いや元気な妹とじゃれ合ってる気分だな。


「いっくよーー!!」


 そんなことを考えてるうちにイリナが棒を振り上げて切り掛かってきた。俺は瞬時にそちらに意識を集中させ迎え撃つ準備をする。


 こうして、今日も俺たちの遊びが始まった。




 それから三時間ぐらい経った頃、たっぷりと遊んだ俺とイリナはそろそろ帰らなきゃならない時間になったのでお互いに手を振りながら家路についた。今回のチャンバラも俺の勝ちだった。イリナのやつ、悔しがってたな。帰り際に「次は絶対に勝つもん!」て言ってたし。あの台詞もこれで何度目だろう。そんなことを考えながら俺は夕暮れの中我が家への道を歩いて行った。




 ―――〇●○―――




 家に帰って母さんの作った夕飯を食って、風呂にも入ってパジャマに着替えて少し本を読んでから俺はベッドの上で横になった。明日からまた学校が始まる。前世じゃそう思うたびに憂鬱になったものだが、今じゃ逆に学校に行くのが楽しみになってしまっている。それはきっとイリナや他の友人たちのお陰だろうな。友達がいるってだけでこんなに学校が楽しいと思えるなんてな。生まれ変わってよかったと本当にそう思う。


 さあ早く眠ろう。そして明日もイリナ達と思いっきり遊ぼう。そう思い俺はゆっくりと瞼を閉じた。




『………きろ…』


 ……なんだ?


『…い……おきろ…』


 ……声?


『おい…おきろ……』


 ……誰だ?


『おい、起きろ。相棒』


 ………ッ!?


 重く威厳に満ちた声に俺は目を開ける。そこは赤い世界(・・・・)だった。


 周りには炎が燃え盛り、黒一色の世界を真っ赤に塗りつぶしている。なんだここは?一体どこなんだ?


『ここはお前の心の中だ、相棒』


 ッ!?この声、さっき聞こえてきた…。


『まさかこんなに早く俺の声が聞こえるようになるとはな。今回の相棒は可愛らしい見かけの割に中々見どころがありそうだ』


 何だ?誰なんだ?相棒って、俺が?一体どこにいるんだ?


『ここだ。目を凝らしてよーく見てみろ』


 俺はその声の言うとおりに目を凝らしてみた。すると炎の世界に段々と輪郭が露わになっていきやがて完全な形を成した。その姿を見て俺は目を見開いた。何か言葉を発したいが口がまともに動かない。それほどの衝撃だった。


 俺の目の前に現れたのは、血のように赤い大きな瞳。耳まで裂けた口元には鋭利な牙が生えそろっている。頭部には鋭い角が何本もあり、体を覆う鱗はルビーのように赤い。その体格はとてつもなく巨大で俺など一呑みで平らげられるだろう。その姿は神話やお伽噺の中でのみ存在するはずのもの。


 そう、俺の前に現れたのは――――――――赤いドラゴンだった。


『そうだ。その認識でいい。まずは初めましてと言っておこうか。我が宿主にして相棒、兵藤龍夜よ』


 お、お前…どうして俺の名前を…?


『もちろん知っているさ。俺はお前とずっと一緒にいたんだからな』


 俺と…ずっと一緒に…?


『ああそうだ。先ずは自己紹介しておこうか。俺の名はドライグ。誇り高き二天龍の片割れである『赤き龍の帝王(ウェルシュ・ドラゴン)』だ。以後よろしく頼む。これから共に戦う相棒、兵藤龍夜。……今代の…赤龍帝よ』


 赤いドラゴンがそう言った瞬間に俺の頭が突然痛み出したと持ったら、何かが頭から飛び出してきた触ってみるとそれは……二本の角だった。


 これがこの俺、前世の記憶を持つ転生者「兵藤龍夜」と遥か昔に封じられた伝説のドラゴン「ドライグ」との出会いであり、俺が今代の赤龍帝となった瞬間であった。 
 

 
後書き
 いかがでしたでしょうか。

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