DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
第45話:色んな趣味の人が居るから構わないけど、騙すのは良くないと思う。まぁ放っておくけどね(笑)
(ハバリア)
リュカSIDE
最近お窶れ気味のウルフに少しばかり気を遣いながら下船した町……
マーニャ・ミネアの故郷があるキングレオ地方の港町ハバリアだ。
ウルフにとっても因縁があるらしいが、何かもうそれどころじゃなさそう(笑)
本当は鎖国状態な国なのだが、トルネコの交渉術を駆使してコッソリ港に停泊する我ら……
まあまあ役に立つデブだ。
口に出して言うと、流石に落ち込んじゃいそうだから控えるけどね。
マーニャ達は早々に町に繰り出し、この国の現状を知るため情報収集に出かけた。
俺も町に繰り出しナンパでもしようかと思ったんだけど、無料で船に乗せてもらってるのだし、多少はお手伝いをした方が大人的かなと思い、ミントスから積み込んできた荷物を下ろす作業の手伝いをする。
大きな木箱を抱え船倉から運ぶ作業……
何が入ってるのか判らないけど、結構重いよコレ!
本当は奴隷時代を思い出しちゃうから、力仕事ってのは嫌いなんだけども、俺が手伝える事ってこれくらいじゃん!?
ふと気付いたら、本職の水夫達が俺の作業をぼーっと眺めてる。
何で給料を貰う訳でもない俺が頑張って、アイツ等がボケッとしてんだよ!?
「おい、本当はお前等の仕事だろう……ボケッとしてないで、荷下ろしを手伝えっての!」
“手伝う”って言葉もおかしいよな。
だってアイツ等の仕事であって、手伝ってるのは俺だから。
まぁ俺に指摘されて慌てて荷下ろしを再開する水夫達…
でも2.3人で1個の木箱しか運ばない……非力じゃのぅ。
「ば、化け物じみた怪力ね……」
同じく荷下ろしを手伝っているアリーナが、クリフトと共に木箱を運びながら呟いた。
奴隷時代の作業に比べれば、これくらいの荷物は軽いのに……
彼処は空気も薄かったから、今の作業より一層大変だったんだ。
さて……
荷下ろしも終了し、トルネコが忙しく金儲けに勤しんでいる中……
血相を変えたウルフがお手々繋いだリューノと共に俺の下に駆け付ける。
秘密にしたいのなら、イチャ付くのは控えた方が良いのでは?
「リュ、リュカさん! マー、マリーの情報を手に入れた! マリーはライアンって戦士と共にキングレオの不正を正す為、何やら動き回ってるって!」
はぁ……お前にとっては一大事だもんなぁ……ビアンカの情報は無いのかよ!
「今ライアンと言いましたか?」
話しに割り込んできたのは、金儲けで忙しいはずのトルネコ。
何か知っているのか、情報を渡したくてウズウズ顔。
「ト、トルネコさんは何か知ってるんですか!?」
「あ、はい……以前エンドールのカジノで、『勇者様を探してる』と仰るピンクの鎧を着た戦士様に出会いまして……」
ピンクの鎧!? 目立つなぁ……そんなに目立つ格好をしてるのだから、共に行動をしたとしても、俺が歌う事に文句は言わないだろう。だって文句言われても『お前の格好の方が目立つわ!』って言い返せそうじゃん!
「そんな訳で、状況を詳しく知る人物の所にマーニャさんとミネアさんが行ってます。俺達も行って話を聞きましょう!」
俺が別の事を考えていたら、何やら話が纏まったらしく、情報源のとこに伺う事になった……
めんどくせーなぁ……
大勢で行ってもアレなので、関係者(俺の家族とマーニャ・ミネア)だけで伺う事に……
ウルフの説明では、その女性はエンドールからマリー達と共にハバリアへやって来たらしく、共に行動をしてたのだが、大怪我をし瀕死状態の男を見つけ、看病の為ハバリアで生活していると言う……
その大怪我人はマーニャ・ミネアの古い知己で、ウルフも其奴の事を知っているらしい。
らしいと言うのは、ウルフの言葉を聞くと良い感情が含まれてないから……
まぁ兎も角、この偶然的な接点を頼りに、情報の収集を行おうって事みたいです。
暫く歩くと小さな平屋が見えてきた。
家の外には住人と思われる人とマーニャ・ミネアが会話をしている。
すると俺達の気配に気付いたのか、周囲を警戒する様に見回し、大きく手を振って俺達を室内へと誘導する住人……
……あれ? どっかで見た事あるな、アイツ。
「……げっ! ア、アンタはエンドールの!?」
エンドール? あぁそうだ、エンドールでアリーナが出場した武術大会に出てた男の娘だ!
確か……ビビアンって言ったかな?
「やぁ、お久しぶり」
「な、何だーお前等! こ、この男の知り合いなのか!?」
「え……あ、はい……この方はマリーの父親です。リュカさん、彼女とはお知り合いなのですか?」
「ううん、違うよ」
「え、でも……彼女はリュカさんの事を知ってるみたいですよ?」
そりゃ知ってるだろう……大観衆の前でバラした張本人だから(笑)
「ううん、彼女の事は知らない。でも彼の事は知ってるんだ(笑)」
「「「「彼?」」」」
ウルフ・リューノ・マーニャ・ミネアの視線が一斉にビビアンに向けられる。
「うわぁー、お願い! 彼には秘密にしておいて!! やっと見つけた理想の恋人なの……私が元男だって事は、中のオーリンには秘密にしておいて!!」
ビビアンが俺に縋り付き涙ながらに懇願する。
見た目は100%美女だから泣かれちゃうとちょっと……
「解ったって……女の子って事にしといてやるよ」
縋る男の娘の頭を撫でながら、ちょっとムラムラする気持ちを抑えつつ押しのける。
どうなっているのかオッパイの感触は本物ソックリだ。
「えぇぇ……コレが男ぉ~?」
「匂いで判るだろ!?」
ウルフが不思議そうにビビアンを眺める。
エンドールの時と違い、バニースタイルではなく普通の格好をしているビビアン。それでも胸元の大きく開いた服を着てるので、知らない男性は鼻の下ノビノビだ。
「匂いって何よ!?」
呆れ口調のマーニャ。
「俺もまだその域にまで達してないッスねぇ……」
悔しがるウルフ。
「んな事より、中に入んない? お茶の一杯くらい出して欲しいんだけど……お前のカルピスは要らないゾ(笑)」
俺の言葉を聞きビビアンは慌てて室内へ向かい入れる。
とても低姿勢で……
だけど、これでカルピスが出てきたらブッ飛ばす。
リュカSIDE END
後書き
酒を飲まない私は、会社に届いたのお中元の中でカルピスのセットを貰いました。
大丈夫、中身は本物だよ。
ページ上へ戻る