転生とらぶる
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魔法先生ネギま!
0319話
唐突に行われた釘宮の告白。そしてキス。俺はそれをただ黙って受け入れていた。正直に言えば呆然としていたというのが正しいのかも知れない。何しろ、俺に取って3-Aの生徒は5歳以上も年下なのだ。その為に、どちらかと言えばフィオナに感じているような妹に対する感情を抱いていた訳だ。だが、それはあくまでも俺の気持ち。それに対する釘宮の気持ちはまた別な訳で……
「ん……」
目を閉じて唇を合わせていた釘宮だったが、その身体からポウッとばかりに魔力のようなものが微かに出たのを感じる。
……何だ? 一瞬仮契約かとも思ったが、それにしてはあやかや千鶴の時のように魔法陣と俺のSPが共感して釘宮に対して狂おしい程の愛おしさといったものは感じられない。そうなると何か別の魔法陣だと思うんだが。
そんな風に考えていると、やがて釘宮の唇が俺から離れていく。
「その、ごめんね。今日、ここで言っておかなきゃ後で後悔すると思ったからさ。あ、その、別に返事とか期待してる訳じゃないから! その、本当に私の気持ちを伝えておきたいと思っただけだからね!」
そこまでを勢いに任せて言うと、苦笑をしながら溜息を吐く。
「にしても、今まで散々いいんちょと一緒にするなーって言っておきながら、結局アクセル君の事が好きになるって、どんなツンデレなのかしらね。……さてっと」
頬を赤くし染めつつこちらへと微笑みながら俺から離れて、再びこちらを向く。
「いい、アクセル君。さっきのは私のファーストキスなんだから光栄に思いなさいよ?」
「……ああ。もちろん」
そこでようやく言葉を返す俺。
そのまま釘宮の後を追うように、部屋の入り口まで移動する。
「美砂、いいわよ」
襖を開けて、廊下にいた柿崎へと声を掛ける釘宮。すると、待ってましたとばかりに柿崎が部屋の中へと入ってくる。
「円、どうだった?」
「……うん」
柿崎の言葉に、はにかみながらも頬を赤くして頷く釘宮。それを見た柿崎は小さく笑いながら俺へと視線を向ける。
「そっか。アクセル君、急で悪かったと思うけど乙女はいつでも恋に全力なんだ。それは分かってあげてね」
「あー、うん。まぁ」
何と言えばいいのやら。そんな風に思っていると、何故か釘宮と話していた柿崎がこちらへと近付いてくる。
「さ、それじゃ私の番だね」
「ん?」
「つまり、こーゆー事よ」
そして重なる俺と柿崎の唇。柿崎の唇は釘宮の唇と違い、ひんやりとした冷たい柔らかさとでもいうべきものだった。
いつもの俺なら回避出来ていただろう。だが、釘宮とのキスで驚いていただけに反応が遅れ、その唇を黙って受け入れてしまったのだ。
「ちょっ、美砂!?」
釘宮の驚く声を聞きながら、10秒程して離れていく唇。その時、釘宮と同じように柿崎の身体から何か魔力らしきものが少しだけ抜け出している事に気が付く。
だが、釘宮はそんな事に気が回らない程にテンパっており、キスをした柿崎本人はそれに気が付いていない。
「ま、私は円みたいにアクセル君に熱烈な恋心を抱いてる訳じゃないけど。それでもアクセル君に関しては好意を抱いているのは間違いないからね。あ、そうそう。私の唇も円と同じく初物だからありがたく思うように」
「あんたその言い方、何かいやらしいわよ!?」
がーっとばかりに柿崎に食ってかかる釘宮。そんな釘宮を見ながら、柿崎は微笑む。ただしそれは、先程釘宮から告白の知らせを受けた時のような優しさを感じさせるような笑みではなく、艶やかとも表現出来るような女の笑みだった。
そんな2人の様子を見ながら、ようやく再起動する俺。
溜息を吐きながら口を開く。
「取りあえず、何で急にこんな事を?」
「え? 理由? そうね、実は『唇争奪! 修学旅行でネギ先生&アクセル君とラブラブキッス大作戦』ってゲームをやってるのよ。で、丁度いい機会だから円をこれに参加させていい加減その気持ちをはっきりさせようって事になってね。ちなみに1班の代表が私達2人。本当は委員長とかも出場したがってたんだけど、何とか私達が参加出来るようになったんだ」
「……あー、どこから突っ込みを入れればいいんだ? と言うか、そのゲームは誰の仕切りだ?」
「え? 朝倉だけど」
「……ほう」
朝倉ねぇ。となるとカモも首を突っ込んでる可能性が高いな。だが、何が目的だ? 仮契約にしては、魔法陣とSPの共振が起きてないから違うんだろうし。……まぁ、いい。明日の朝になったらじっくりと聞き出してやるとしよう。
「アクセル君、どうしたの? あ、もしかしてアクセル君の唇を狙ってきたのが私と円だけだったから残念だったとか? アクセル君も意外と女好きなのね」
「いや、そうじゃなくて」
まぁ、レモン達の事を考えれば女好きと言われても否定は出来ないんだが。
「で、つまり残りの奴等の目的はネギな訳か」
まぁ、俺とネギのどっちが一般受けするかと言ったら、それは当然ネギだろう。
「そうだね。今日告白した本屋ちゃんは当然ネギ君目当てだし、まき絵とか、鳴滝ズとかは間違い無くね」
そこまで聞いてふと嫌な予感を覚える。班から代表を出すという形なら、もしかしてエヴァ達の班である6班からは……
「ちなみに、6班の選手は?」
「6班は棄権してたと思う」
ふぅ、エヴァがこの馬鹿騒ぎに参加して無くてなによりだ。
そんな風に安堵していると、釘宮と柿崎の2人が立ち上がる。
「さてっと。じゃあ私達はそろそろ戻るわ。明日また、ね」
釘宮がどこか照れたように笑いながらそう言ってくる。
「ああ。新田とかに見つからないように戻れよ」
そこまで言ってから、釘宮に何と言えばいいのか迷う。告白を受け入れる? それは無理があるだろう。何しろ俺のこの外見はあくまでも仮の物でしかないのだ。……元に戻る算段は今の所全く無いが。ましてや俺はいずれ麻帆良……と言うか、この世界を去る予定なのだ。到底告白を受け入れる訳にはいかない。これがもし、コーネリアのように戦士であるのならシャドウミラーに連れていくというのもありだろう。だが、釘宮にしろ、柿崎にしろ普通の女子中学生で一般人でしかない。
当然、ここでキッパリと断るのが一番いいのだろう。だが、先程までの緊張に震えながらも頑張って己の想いを告げてきた釘宮に対してそれをするというのはどうしても忍びなかった。
「その、告白にどう返事をすればいいのか分からないが……そうだな、取りあえず友達からという事にしておいてくれ」
結局俺はそうやって誤魔化す。……こういう所が優しいんじゃなくて甘いとレモンに言われる理由なんだろうな。全く、これがムウならもっと上手く言いくるめる事が出来るんだろうに。
俺のその言葉を聞いた釘宮は一瞬キョトンとした後にニコリと笑って頷くのだった。
「うん、これからもよろしくね、アクセル君」
「あ、円ばっかりずるい。アクセル君、私のファーストキスを奪っておいて、私には何も無しなの?」
「そうだな、これからもよろしく。……じゃ、おやすみ、円、美砂」
『うん、おやすみ』
今までは名字で呼んでいたのを、初めて名前で呼ぶと2人共一瞬ポカンとしながらも照れたように言葉を返すのだった。
翌日。昨日のラブラブキッス大作戦とやらのゲームの賞品として、カモがコピーしたパクティオーカードを貰った宮崎、円、美砂の3人がクラスの皆と共に集まって騒いでいる中、俺、あやか、千鶴、神楽坂、桜咲、朝倉、カモ、ネギは少し離れた場所に集まっていた。
きゃあきゃあ騒いでいるあちらとは違い、こちらに流れている空気は重い。その原因である1人と1匹は青い顔をして俺の前で縮こまっている。
「……まさか、仮契約とはな」
その言葉にビクッとする朝倉達。
「以前も言ったな? 朝倉のように覚悟を持って魔法に踏み込むのならいいが、何も知らない相手を騙してこちらへと引き込むような真似は許さない、と」
「で、でもですね。アクセルの兄貴。兄貴も感じてると思うけどこの修学旅行は何かやばい。木乃香の姐さんの誘拐しかり、関西呪術協会しかり。なら仮契約してこっちの戦力を……」
『火よ灯れ』
カモの言葉の途中で小さく呪文を唱える。SPを極限まで減らして発動したその魔法は、カモの目の前に炎を出現させる。
「ひぃっ!?」
「ちょっとアクセル!? やりすぎよ!」
「……黙っていろ」
ギロリ、と半ば殺気の籠もった目で神楽坂を一瞥すると俺の怒りを感じ取ったのか、冷や汗を掻きつつ引き下がる。
「戦力だと? 純粋な魔法使いスタイルのネギにとっての従者は、前衛を任せられる者が望ましいだろう。言い方は悪いが肉壁だな。……それがあの宮崎に務まると? そして何より、円と美砂まで巻き込むというのはどういう了見だ? 俺が従者が欲しいと、仮契約をしたいとお前達に頼んだか?」
「アクセル君、カモ君だって悪気があった訳じゃ……」
ネギがそう言ってくるが、その言葉に思わず溜息を吐く。
「ネギ、そもそも以前言ったな? カモの行動に関してはお前が全責任を取る、と。自分が関係ないという顔をしてるが、今回のカモの行動の責任は当然お前にも関係してくるんだぞ? ネギが麻帆良に来た時にこの修行に失敗した場合は二度目のチャンスは無いと学園長が言っていたが、それを考えるとイギリスに帰る準備はしておいた方がいいのかもしれないな」
そもそも本人が知らないとは言っても、仮契約をしてしまった以上はまず間違い無く魔法関係者と見なされるだろう。これが麻帆良ならまだ手のうちようもあったのだ。だが、ここは京都であって麻帆良の影響力は及ばない。そして尚悪い事に、ここには俺達を狙ってくる相手もいる。それも相当の実力者が。そんな相手が円や美砂、宮崎の事を知ったらどうするかは明白だろう。人質、洗脳、誘拐他にも色々と手を打ってくる可能性が高い。何しろあの3人は全くの一般人なのだから陰陽師や魔法使い、神鳴流剣士相手に対抗出来る筈も無い。
これがあやかや千鶴なら、魔法の訓練もしている為に対抗は出来なくても逃げ切れる可能性はある。だが、あの3人は……
「でも、アクセル君。なら何でパクティオーカードをあの3人に渡したの?」
まるで俺を落ち着かせようと……いや、まるでじゃないな、事実そういうつもりなのだろう。苛つく心を静める為に深呼吸をしてから口を開く。
「既に仮契約が結ばれてしまった以上は今回の騒動に巻き込まれる可能性が高い。ならいざという時に魔力供給を出来るようにしておけば多少は安全度が上がるだろう」
「なら、あの3人にしてもそれ程心配は……」
と言いかけた朝倉に視線を向けて、大きく溜息を吐く。
そう、本来ならカモにしろ朝倉にしろ問答無用で仮契約を成立させた責任を取らせたい所なのだが、それが出来ない理由がそれなのだ。俺達の班である1班や、狙われている近衛のいる3班のメンバーという以上はそれだけで敵の標的にされる可能性が少なからずある。そういう時の為の保険として仮契約をするというのはありと言えばありなのだ。……もっとも、以後問答無用で魔法に関わるという可能性を考えれば下策中の下策にしか思えないが。
「……まぁ、朝倉の言い分も多少は理がある。だが、この件については学園長に報告させて貰うぞ。学園長がどういう処分を下すかはあちらに任せるとする」
「そ、そんなっ!」
俺の言葉に再びネギが口を開くが……
「……お前も、カモと使い魔契約をしている以上は処分を免れないだろう。せめてこの麻帆良で行われている修行が失敗と見なされないといいな」
「あ、あう……」
その一言で沈み込む。
まぁ、実際の所は英雄の息子であると期待されているネギだ。そうそう厳しい処分は下されないだろうと予想はしている。だが、それを言ってしまえば懲りずに同じ事を繰り返す可能性が高いしな。
「まぁ、いい。時間は戻せないんだ。せめて今回の依頼を果たして点数を稼ぐんだな。……それと、ネギ、カモ、朝倉」
2人と1匹に声を掛けながら、誰かが飲み終わってそのまま置いていったのだろう空き缶を自販機の近くから拾い上げる。
「これが最終通告だ。……次は無い。いいな?」
そう言いながら、空き缶を握りしめて圧縮していく。MSコンテナですら毟り取る俺の握力だ。アルミ缶の空き缶程度なら問題無く圧縮が可能だ。
そんな俺の台詞に、2人と1匹は顔を青くしながら頷くのだった。
「でも、なんで私のアーティファクトってハリセンなのかしら」
神楽坂が首を傾げてそう呟く。近くでは2人と1匹が落ち込んでいるが、取りあえずは気にしない方向らしい。
「恐らく神楽坂の実力不足だろうな」
「実力不足?」
「ああ。千鶴のアーティファクトも本人の実力不足のせいか、7種類ある能力のうち3つしか使えないからな」
「アデアット」
千鶴を見ながら軽く深呼吸をして己のアーティファクトであるハリセンを取り出す神楽坂。
「うーん、やっぱりハリセンよねぇ。委員長のように絵に描かれてる武器になるんなら、これが剣になるんだろうけど……」
そんな神楽坂から少し離れた場所では朝倉がネギを慰めているのが見えた。
お前が慰める資格があるのかと突っ込みたい所ではあるが、今日は色々と忙しくなる可能性が高いのだから、このままの状態だとちょっと具合が悪い。なので取りあえず見逃す事にした。
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:38
PP:625
格闘:262
射撃:282
技量:272
防御:272
回避:302
命中:322
SP:462
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
???
撃墜数:376
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