魔法科高校の神童生
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Episode外伝:約束⇆想い
前書き
おっそくなりましたぁぁぁあ!!ごめんなさい。なかなか出来上がらなくって……やはり私にラブコメの才能はなかったようです。ついでにギャグも。
「ほら、隼人はやく!」
「おぷ…ちょ、待って、待ってエイミィ…!」
どうも九十九隼人です。どうも絶賛嘔吐寸前です。開始早々お見苦しいところを見せてしまい申し訳ありませんが……
「早く並ばないと順番とられちゃうじゃない!」
「確かにそうだけどさ…うぷ…そんな、わざわざ人のいるところを通らなくても……」
「こっちが近道!」
「ああ、そうですか!…もう、どうにでもなれ……おぷ…」
只今遊園地なうなのでご容赦ください。うえ、気持ちわる!
事の発端は本日の早朝だった。今日は日曜日で学校も休みということもあり、久々に惰眠を貪ろうとしてたところに、運悪く通信端末が鳴り響いた。エイミィからということもあり、無視することなどできず応対してしまったが最後。有無を言わさぬ怒涛の言葉攻めでなぜか二人で遊園地に行くことになってしまったのだ。
え、羨ましいだって?
まあ、そうなんだろうけどさ…人混みが苦手な俺にとって遊園地ってつまり生き地獄なんだよね。でも、エイミィの頼みだからね、断るわけにもいかなかったんだよ。
「うわぁ、これすっごい楽しそう」
「うへぇ、この列すっごい気持ち悪くなりそう」
辿り着いた目当てのジェットコースターを見て各々感想を言う俺たち。
げんなりしながらそう言うと、エイミィがジト目で見てきた。
「なーんでそんなにツレないのかな隼
人クンは。こーんな美少女と二人っき
りで遊園地に来てるんだよ?
もっとテンション上げなきゃ!」
「単に人混みが苦手なだけだよ。エイミィと来れて俺は嬉しいよ」
「そ、そう?
な、ならいいや!」
途端に頬を赤く染めてそっぽを向くエイミィ。どうしたんだろ?俺、なんか恥ずかしいことでも言ったかな?
でもエイミィって俺といるといつも何回かはこうなるしな……ううむ…よく分からない。
「考えても仕方ないか…」
そう呟いて、俺はぐるんぐるん回っているジェットコースターのレールを眺めた。
……ってちょっと待って。
「ねえエイミィ?」
「な、なに?」
「あのジェットコースターさ……なんで360°回転が5回連続くらいであるの?それにあの登りの角度!90°どころじゃないよ!120°くらいあるよ!」
ジェットコースターを指差して声を荒げる俺を見て、エイミィは視線を俺の指差すほうを見た。そして、ニッコリ笑う。
「楽しそうね!」
「……………………そう……」
どうやら俺がズレていたようだ。
そうだよね、あれで稼働してるんだもんね。ちゃんと安全面も保証されてるはずだもん。心配することなんて……
「おい!またあの登りで人が落ちたぞ!」
「またか!?これで何人目だ?」
「確か、今日だけでもう30人くらいか?」
「あー、でもまだ少ないほうか?」
「…だな。先週なんか一日で50人は超えたらしいぞ」
…………ちょっと、ちょっと待てよ。ぜんっぜん大丈夫じゃないじゃん!
なんだよ一日50人以上が落下するジェットコースターって!?なんでそんな危険なものが稼働してんだよ!?なんで設置10周年の石碑が立ってんだよ!?
「エイミィ!流石にこればっかりは危険だよ!」
「え?もう順番来たよ?」
……oh…
「フ、フフフフ…もう、俺に怖いものはない…今なら姉さんの料理でも完食できる気がする…」
はい。乗って来ましたよ、あの殺人ジェットコースター。マジで人落ちてたよ。俺らの後ろの人落ちてったよ。まあ、なんとか俺の減重魔法と減速魔法が間に合って大事にはならなかったけどさ。あのジェットコースターには必ず魔法師一人が常駐してないとダメだね。
でもまあ、あのジェットコースターを乗り越えた俺にとってはもうどんなものでも楽に見えるからね。今日は大丈夫だ。
「次はー、あ、あれにしよう!」
そう言ってエイミィが指差したのは、なんか高速回転している円形状の物体。コーヒーのカップを象った乗り物の真ん中に、テーブルみたいな丸い棒とハンドル(?)がついた、俺が遊園地に必要ないと思う遊具ベスト3の内の一つ。
そう、所謂、最強の敵だった。
「お嬢様……そのご要望は容認しかねます」
「命令よ」
「………了解致しました」
まず執事とお嬢様という立場的に説得は不可能だったことに今更気づいた。
あはは…コーヒーカップだって…なんでコーヒーカップをぐるぐる回す必要があるんだよ…そんなことしたらコーヒーが零れちゃうでしょうが。
そんな理屈なしにしても、ぐるぐる回ることになんの意味がある?ただ気持ち悪くなるだけじゃないか!
「エイミィ、やっぱり他のところ行こうよ。ほら、あのジェットコースターと、か……人が、落ちた、よ……」
「え?どうしたの隼人?
順番来たからはやく乗って乗って!」
………oh…
「ふ、ふふふふ……ふふおえっ、ふはっげほっげほっ…うぇ…」
「あちゃ…やりすぎちゃったかな?」
コーヒーカップでエキサイトした隼人とエイミィの二人は、現在、隼人がグロッキーになってしまったため人気のあまりないベンチにいた。
光を失った瞳で虚空を見る隼人に流石にやりすぎたと思ったエイミィは、自分はベンチから立ち上がって隼人をベンチに寝転がせた。
「ごめんね隼人。今ちょっと飲み物買ってくるから」
「う…ん。お願い……」
寝転がった隼人の力のない声に苦笑いを漏らして、エイミィは鞄から財布を取り出して走り去った。
「うー…まさか…コーヒーカップごときでグロッキーになるとはね…」
そう呻いて、ゆっくりと体を起こす。うん。少し寝っ転がったら大分良くなった。これなら、まだ付き合うことくらいはできる。今の時間は午後3時過ぎ…遊べる時間も、あと少しかな。
「……それにしても、エイミィ遅いな」
エイミィが飲み物を買いに行ってからもう10分近くが経過していた。おかしいな…飲み物を買うくらいなら、この近くに自動販売機があったはずだ。どこかの売店まで行っているにしても、ここまで時間がかかるほど遠くはない。
道に迷った?いや、エイミィに限ってそんなことはあり得無い。なんてったって方向感覚はズバ抜けているからね。迷子になるとしたら、俺のほうかな。
「…なにかあったのか?」
そう考えるのが一番かな。戻ってくる気配もないし…入れ違いになること覚悟でも探しに行ったほうがいいか。
俺も人のことは言えないけど、エイミィも一応ある筋から狙われているわけだしね。
「善は急げ。さあ、行こうか」
まだ痛む頭を無視して、俺は近くの自動販売機まで歩き出した。
「……やっぱりか…!」
一番近くの自動販売機に辿り着いたとき、そこにはエイミィの財布と、一枚の紙切れが落ちていた。それを拾い上げて書かれている内容を読む。
そして、握り潰す。
「あいつら…この間のブランシュの生き残りか…!!」
どうやらエイミィは、俺を誘き出すための人質となってしまったらしい。あの、この間壊滅させてブランシュの工作部隊の生き残りに。
書かれていたのはエイミィと犯人がいるはずであろうこの遊園地の近くの廃ビルまでの地図と、俺が暗殺者、九十九隼人だということを明言している内容の文章だった。
「…ブッ潰す…!」
紙切れを高電圧の雷で燃やし、俺は地図に描かれた廃ビルへと走り出した。幸い、こことそれほど距離がない。加速魔法を使えば、5分で辿り着くことが可能だろう。
そして、その後は犯人を消して終わり。しかし、一番厄介なのがエイミィだ。もし俺が暗殺稼業なんかやってることがバレたら確実にめんどうなことになる。あの日の約束を、俺が破っていることがバレてしまう。
いや、今はそんなことを考えている場合じゃないか。まずは、さっさと助け出さないと。
「……んっ…?」
「やぁ、お目覚めかい?」
薄暗い建物の中で、エイミィは目をさました。段々と意識が覚醒していき、視界がクリアになると目の前には一人の男がいた。くたびれたワイシャツに、真っ黒なジーンズ。どこにでもいそうな真面目な容姿の男だ。
だが、そのイメージは現実を表していないことをエイミィは知っていた。
「貴方、なにが目的?」
にっこりと微笑みかけてくる男を無視して、エイミィはなぜ自分を攫ったのかを問いかけた。すると、男の顔から人の良さげな笑みがフッと消え、次に浮かべたのはどうしようもない憎悪の滲んだ残忍な笑みだった。
「君は人質だよ。あの暗殺者…九十九隼人を誘き出すためのね!!」
「っ、隼人を?」
「暗殺者」、「九十九隼人」。その二つの単語を聞いて、エイミィは全てを悟り確信に変えた。
一つは隼人への復讐のために自分は人質として攫われたこと。そして必ず隼人が来るということ。
もう一つは、昔に立てた約束が破られてしまっていたこと。
「あいつは、僕の仲間たちをみんな消した!僕がいなかったばかりに!僕の仲間たちはあいつに殺されてしまったんだよ!
フ、フフフフ……早く、早く来い九十九隼人ぉぉ…お前の手足を引き千切って、臓腑抉り出して、僕の仲間たちを殺したことを後悔させながら殺してやるぅ…」
最初の好青年のような姿はどこにいったのか。今の男は完全に隼人を殺すことしか考えていない殺人狂だ。そして、もはやエイミィの存在なんて忘れてしまっている。
「クフフハガフゥッ!?」
油断していた男の腕を、背後から一枚のトランプが切り裂いた。血が流れる腕を抑えながら男が後ろを振り返ると、そこには扇のように広げたトランプを構えるエイミィの姿があった。
『魔弾タスラム』エイミィの本家、名門ゴールディ家の切り札となる魔法だ。
そのからくりはそれほど高度なものではない。仕組みを完全に理解して少し練習すれば天性の魔法センスを持つ隼人でなら一週間ほどでモノにしてしまうだろう。しかし、簡単故に、マスターするのは難しい。
『弾』とするものに条件発動型の遅延術式をかけ、手で投げるだけで移動魔法を発動する射撃魔法。遅延術式をかけているため、敵を前にしてCADを操作する必要もなく、単発、連弾、散弾も思いのまま。非常に使い勝手のいい魔法だ。
(浅かったわね…致命傷にはなり得ないか…けど、まだカードは4枚残ってる。その内に仕留める…!)
「こ、の…女ァ…僕の邪魔をするなァァァ!!」
そう叫び、男はエイミィに向かってナイフを振り上げた。全く手入れされていないのか、その刃は赤く錆び付いていた。
(バカね。それじゃ、自分から喰らいにきてるものじゃない!)
振り上げた男の腕に向けて、エイミィはカードを一枚投げた。エイミィの手から離れた瞬間に、加速するカード。大きく弧を描いて飛来したそれは、しかし男の腕を斬ることはなかった。
(どうして!?)
遅延術式が解除されて移動魔法がかかったカードは、男の腕に当たる前には完全に威力を損なっていた。なんらかの方法で魔法が解除されたのは明白だ。しかし、エイミィにはそれが何故かを考える時間はなかった。
振り下ろされた凶刃からは辛うじて身を捻って躱したものの、次に襲ってきた右脚によって吹き飛ばされて柱にぶつかってしまう。
「ぐっ…!」
「お前ェェはァ、人質でいればいいんだよォ!!」
再び振り上げられる錆び付いたナイフに、エイミィは逆らう術なく頭の上に腕を交差するしかなかった。そんな中で、エイミィは確かに男の腕に真鍮色の腕輪を見た。
しかし、それが現状を打開する術になるはずもなく、ナイフは振り下ろされた。
「その薄汚い手で、こいつに触るんじゃねえよ」
エイミィをナイフが切り裂く寸前に、一陣の風が吹いて、男は何者かによって蹴り飛ばされた。
「隼人……?」
バチバチと音を立ててスパークする雷を纏った隼人を見て、エイミィは思わず後ずさってしまった。
似ていた。あの日の隼人の目に。全てを消し尽くしてしまった、あの目に。
「ごめんエイミィ。ちょっとそこで座ってて」
「待って…待って隼人!」
こちらを見ることなく謝って男の元へ歩き出した隼人に言いようのない恐怖を感じ、エイミィは隼人を呼び止めた。しかし、エイミィは次に用意していた言葉を紡ぐことができなかった。
「俺は、あの日とは違うよ」
そう言って、微笑まれてしまったから。
腰が抜けてしまったように座り込んだエイミィから目を外し、隼人は再びあの男へ向けて歩き出した。
「ガフッ……九十九ォ隼人ォォォ……絶対に殺ォす!!」
「ギャーギャーうるさいな。さっさとかかって来いよ」
まったく気持ち悪い喋り方しやがって、一方○行ですかこのヤローってんだよ。
「ウオオオォォ!!」
「フン…」
馬鹿正直に突っ込んできたブランシュの男に向かって腕を振り、牽制用にドライブリザードを発動させる。
そういえば、シルバーフィストを使わないで魔法を使うのは久しぶりだな。まあ、発動スピードくらいしかあまり変わらないんだけどね。
白いベールに飲み込まれた男を、これからどう殺そうかと考え始めた瞬間、ドライアイス群は急速に溶けて消えていった。
それと同時に聞こえ始めた、俺の精神を逆撫でするような不快な金属音のような……
「アンティナイトのジャミング波か」
アンティナイトとは、魔法の発動プロセスを妨害するサイオンノイズを作り出す物質として知られている。表の世界ではとても貴重で高価かつ軍事物質とされているが、裏の世界ではよく見る一品で、厄介な代物だ。
流石は世界で一二を争う規模の反魔法組織ブランシュ。アンティナイトのブレスレットの量産は可能か。
「まあ、壊してしまえば問題はないけどね」
そう呟いた時にはあの男の腕は俺の間合いの中だ。突然間合いに入られて反応しきれていない男の鳩尾に拳を突き立て、意識をアンティナイトから外す。するとアンティナイトへ供給される男のサイオンがなくなりノイズは止んだ。
「消えろ…!」
意識を男の腕に集中させて、そして消失を発動。空間に歪を残して、男の腕は肘の下から引き千切られたようになくなっていた。
「ぎゃああああ!?」
「うるさい耳触りだよ。
……さっさと死ね」
痛みに悶える男の頭を右手で鷲掴みにして、放電。右手から伝わった高電圧のマイクロウェーブが男の脳を焼き切った。
「ガバッ…?」
顔中の穴から血を噴出して、男は倒れた。
「呆気なかったな……」
倒れ伏した男の亡骸を見て、顔にかかった男の血を拭い取る。
「お前も、仲間たちの所へ逝け」
そして消失で、男の存在そのものを消した。これで、俺が殺した証拠はなくなったわけだ。
さて、もうこうなってしまった以上、これから遊ぶなんて無理かな。
「隼人…」
「ん?
痛っ!?」
後ろから近づいてきたエイミィの拳が、振り向いた俺の鳩尾に入った。あまり力が篭ってはいなかったためか痛みは少ないけど、それよりも。
「エイミィ……ごめん」
「……なにが?」
「…俺、ずっと前から約束破ってたんだ」
「それはなんの約束?」
「……『俺が傷つかない、そして君も傷つかない』約束…」
俺が下を向きながらそう言うと、エイミィはそれきり黙ってしまった。
気まずい沈黙が流れて、思わず俺は顔を上げた。
「ーーーえ?」
惚けた声を上げたのは、それが衝撃的だったから。顔が赤くなったのは、それが恥ずかしいことだったから。拒絶しなかったのは、なぜだ?
少し背伸びをして、俺の頬に添えられたエイミィの華奢な両手。そして、触れ合った唇と唇。
エイミィが俺に、キスをしていた。
「ーーーーん…」
永遠かと疑ってしまうほど長い時間、俺はなにもできずにずっと固まって、その甘い感覚に身を委ねていただけだった。やがてエイミィが唇を離し、そして添えた手はそのままに、あの日、約束を立てたときと同じ眼で俺を見ていた。
「……知ってたよ。隼人が、約束を破ってたこと」
「なっ…!?」
「でも、今日まで確信が持てなかった。だからなにも言えなかったのよ。でも、隼人がまだ約束を覚えてたなんて思いもしなかったわ」
口調はいつものままに、俺を見つめる瞳は真剣そのもので。
「あの日のことを、俺が忘れるわけないだろう?」
「……そうね」
そう呟いて、エイミィはフッと瞳を閉じた。
「もしかしたら、この約束が、隼人を傷つけてたのかも…」
「エイミィ?」
なにかエイミィが呟いていたが、声が小さすぎて聞き取ることはできなかった。
「約束破ったなら、なにかお詫びでもしてほしいかもね」
「うっ……分かったよ、なんでもする」
家のことで仕方なかったとして、俺がずっと前から約束を破っていたことは事実だ。それに、それを今日までエイミィに伝えなかったわけだし。悪いのは全部俺。できる限りのことはしよう。
そう決めて、僅か数cmの距離にあるエイミィの瞳を覗き込んだ。
「じゃあ、私と新しい約束をして」
「え?
う、うん…」
そんなことでいいのかな?とか思って、返事は曖昧になってしまった。
「『辛いこととか、溜めてることがあったら互いに可能な限り話すこと』いい?」
そう言ったエイミィの顔を少し見て、
「……ふふっ…」
「な、なに?」
新しい約束を聞いて、思わず俺は吹き出してしまった。それが不思議に思ったのか、エイミィがわずかに狼狽を滲ませる。
「いや、エイミィらしいと思ってさ」
「ど、どういう意味よ?」
「いや、そのまんまの意味だよ。まあ、俺はエイミィのそんなところが好きだよ」
「す、好きーー!?」
ん、どうしたんだ?急にエイミィの顔がゆでダコみたいに真っ赤になってしまった。
(す、好きってどういうことなんだろう?は、隼人も私のことを?え、あ、そういえばさっき勢いで隼人にキ、キスしちゃった!?ウソでしょ?私の予定ではもう少し二人の仲を縮めてからって思ってたのに…い、いや、でもこれは逆にチャンス?二人きりだし、なんか妙にいい雰囲気だし…いっちゃう?私いっちゃう?)
本当にどうしたんだろう?もしかして、さっきの男にどこかやられたとか?
いや、外傷はどこにもないし。もしかしたら急なことばっかりで体調を崩しちゃったとか?とりあえず熱計っておいたほうがいいか。
「エイミィこっち向いて」
「ひゃい!?」
ひゃい?なんかよく分からない返事をしたエイミィに疑問を覚えつつ真っ赤に染まった顔をこっちに向けるエイミィに、俺はその顔の色と同化しそうな赤色の前髪を掻き分けて額と額をくっつけた。うわ、これは熱いな。
「やっぱりエイミィ熱あるよ、大丈夫?」
「は、はや、隼人の、顔が…!」
そう言って、エイミィは気絶してしまった。
「え、えええ!?」
夕焼けの廃ビルに、俺の情けない声が響いた。
余談だけど、翌日エイミィは発熱のため学校を休みました。
ーーto be continuedーー
後書き
どうでしたでしょうか?今回の話はお気に入り登録200件突破記念の外伝ものになっていました。これで、これからのシリアス展開に向けての甘々成分は吸収できたでしょうかね?そうであったら幸いです。
これからも、魔法科高校の神童生をよろしくお願いいたします。
あと、感想も待ってます!
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