めだかボックス 〜From despair to hope 〜
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第31話 「あの時の約束を覚えておるか……?」
めだかちゃんは…何とか、その溢れんばかりの激情を治めてくれた。
だから、劉一は、無事にいられたのだった。 苦笑
「で…話は戻るけど…」
劉一は、とりあえず元に戻した。
怒られない様に……必死に考えながら。
「めだかちゃん。確か、弧…じゃなくて 米良先輩って、確か…とても素晴らしい 信念…と言うかモットーと言うか 確かあったよね?」
また名前で読んだら…怖いからって言うのは秘密だ! 苦笑
「うむ、確かに聞くだけでも素晴らしいの一言だ。米良二年生は食材に対して敬意を払っておる。」
めだかちゃんは、今回ばかりは怒ったりせずに同意をしてくれた。
劉一は、それを確認すると焔木先輩の方に向いて……。
「そんな彼女に、認めてもらいたいって思う気持ちは当然大切だよ? それがモチベーションになって、自分を高められるかもしれないし、何より、目標は高ければ高いほど良い、それが一目ぼれとか、だったとしても。良いって思うなぁ。」
「ッ〜〜〜///」
焔木先輩は口をパクパクさせながら顔を真っ赤にしていた。
どうやら、図星のようだった。
「でもね… 簡単な事だよ。認めてもらう事なんて、…でもそれに気付かないのがちょっと残念かなぁ…?あっ でも 気付くのが難しいのかもしれないか…。」
劉一は、そう続けて言う。
「かっ…簡単??委員長に認めてもらうのが!?そんな簡単な事じゃ!!」
焔木先輩は少し怒っているようだ。
それは、もちろんそうだろう。
一通りの委員長クラスはめだかちゃん付き添いの下確認してるし… プロフィール上だけど… 様々なもはや職人プロフェッショナルの領域いきを越している人ばかりだし、簡単って言われたら、むっと来ると思う。
「わからないかなぁ?めだかちゃんがヒントを出してくれたのに。」
劉一は、めだかちゃんの方を向いた。
「ふむ。」
やっぱりめだかちゃんも分かっているようだ。
劉一が向いた時、頷いていた。
「ヒントだって…?」
焔木先輩はまだ理解し切れてないようだった。
「…めだかちゃん。」
劉一は 目で合図を送る。
「ふむ、 劉一は完全に分かっておるようだな。よかろう。 私から教えてやろう、焔木二年生の努力は認めるが為にな、何もせず、ただ聞くだけだったら答えなかったのだがな。」
めだかちゃんはそう言い、センスを構えて直して話しだした。
「劉一が言うように、米良二年生の信念は『生きる事は食べる事、そして食べる事は殺す事』だ。それを分かってない奴がどれだけ、新メニューを開発したところで、彼女に『おいしい』の一言を言わすのは不可能だぞ?」
めだかがそう言う。
「おいしい… 委員長がそう言ってくれるのは最大級の賛辞だと僕は思うね。僕の場合は、めだかちゃんに「よくやった」かな?」
劉一は、笑いながらそう言ってめだかちゃんを見た。
「ふむ!」
めだかもセンスをビシッと構える。
焔木先輩は、目を見開かせた…
「あ…た 確かに… 委員長…いつも言ってたよ… 『生きる事…殺す事…』 そうやって委員の皆に……」
知っていたようだ。
だけど… 認めてもらいたくて…焦って焦って…
全然本人が見えてなかったんだね。
そして… 基本をさ…
「そう言うことだね。全ての…食材を… 生命を貰って料理を作ってるんだからさ!それが分かってたら… 後はもう少しだと思うよ!もうちょっとで、彼女に『おいしい』って言わせられると思うよ!」
劉一は、笑顔でそう言う。
でも……何かを間違えているような気がしていた。
「って あ…よくよく考えたら 新料理の開発の投書の件から大分遠ざかった気がする…。」
そう、それなのだ。
投書の内容は新料理の開発。
でも、今日した事は違う。
劉一はその事で苦笑いをしていた。
「そんなことない…。 まさか…後輩の君たちに…ましてや 食育委員会でもない人たちに… そんな事を気付かされるなんて… 俺 一から出直してくるよ。委員長に本当に認めてもらうためにさ。… どうもありがとう、黒神さんと劉一君」
焔木はそう言って2人に頭を下げた。
「……ふふふ。良かったです。がんばってください!先輩! …めだかちゃん。」
激励を言った後、めだかのほうを見る。
めだかは、顔色…そして目が変わった焔木先輩を見て確認すると…またまたセンスを構え。
「ふむっ…これにて一件落着だな。劉一。」
めだかちゃんはそう言い。
そして 食堂を後にした。
それは帰りの道中……
「やはり流石劉一だ。私が考え付く前に答えを導き出した。見事な手際だ。」
そう言って笑っていた。
「あ…ははは。 ありがとう、めだかちゃん。僕もしっかり補佐しないといけないからね。色々勉強してて良かったよ。」
そう言って劉一も笑った。
「ふむ!それはそうと、 米良二年生の事を詳しく話してもらおう!」
( !!えええ!!覚えてたの!)
すっかり忘れていたと思っていたのに、覚えていためだかちゃんに驚く!
……でも、心のどこかでは当然だとも思っていたようだ。
「当然だ!」
その劉一の心の声にこたえるようにめだかちゃんは凛っ としていた。
劉一は、少し肩を落として。
「ええっと………。彼女には1回だけあった事があるだけだよ。 あの食育委員会ってさ?2人も委員長がいるじゃん?少し珍しいなって思って。 ……それで、そこで話しをしていた時に、僕は彼女の信念をその時に聞いたんだ。それだけ、それだけだよっ!めだかちゃんっ!」
劉一は少し必死にそう言う。
決して嘘は言っていない。
その彼女の信念には感銘を覚えていたから……心に強く残ったんだ。
そんな劉一を見ためだかちゃんは、とりあえず嘘は言ってないと判断したのか、扇子をビシッとしまうと……。
「ふむ、そうか…」
それだけ言っていた。
劉一は、少し安心できていた。
ほんの少しの事で、めだかちゃんに言われ続けたら……身がもたないから……。
「ところでだ…劉一!」
そして、帰り道中…。
めだかちゃんがなにやら突然話題変更した!?
(さっきの事…かなぁ… (怖))
劉一は、少しビクッと体が震えた後……。
「な、なに… かなぁ?めだかちゃん……。」
意を決し、 恐る恐る聞くことにした…。
だけど、めだかちゃんの返答は想像外の事だった。
「私との約束… 覚えておるか?」
その一言だけだった。
その表情はいつもと少し違っていた。
( 約束…?)
劉一は、腕を組んで考える……。
だけど、纏まらない。
「ええっと… たくさん有ると思うけど… ほら… 昔だったら、手合わせの事とか… 最近じゃ 決して勝手に消えるなとかさ… 僕、いっぱいあるね?めだかちゃんや、善吉との約束。うん、覚えてるよ。」
その通り。
【約束】。
それ自体は沢山ある…。 それに、忘れたら怒られちゃうからね。
「ふむ。確かに沢山したが、重要な約束の事だ。」
めだかちゃんはそう言う。
でも、劉一はまだやっぱりわからない。
ただ、さっき言った事、それは 所謂【ハズレ】と言う事はわかった。
「ん……。めだかちゃんとの約束ってどれも僕に取ったら重要だからね… 難しいなぁ… お願い!もう1つヒント!頂戴よ。」
劉一が両手をそろえてそう言うと…
……めだかちゃんはちょっとムスッとしていた。
答えてくれない事、それが残念で仕方が無い……と言った様子だ。
「むぅ…… 私が、私達が高校生となったら………、の約束だ。まさか忘れたとは言わないだろうな…?」
めだかちゃんは、少し顔を紅潮させていた。
劉一は……その言葉を聞いて再び考える。
(高校生になったら…?って…ひょっとして…)
劉一は、一つの結論に達した。
だって……【高校生になったら】と言う話。
自分がめだかちゃん達と共にいたのは、高校からがスタートだ。
それ以降となればもう13年も前のことになる。
と言う事は……。
「……///」
劉一は…顔を赤面させていた。
めだかちゃんのそれ以上に顔が紅潮し体温が上昇していくのがわかる。
「? どうかしたか?劉一 まさか…覚えていない…のか…?」
めだかちゃんが…悲しそうな顔をしていた…。
その目を見た劉一は……。
(違う……僕、恥かしいんだよぉ……こういうときは…読んでくれないんだ?僕の考え……ううぅ……恥ずかしいけど…悲しそうなめだかちゃんは見たくない……。)
(うん…!)
劉一は、 覚悟を決めた!めだかちゃんを悲しませたりするなんてもうゴメンだから。
それに……覚えているから。
ずっと……ずっと覚えているからっ!
「……めだかちゃん//僕…その約束も… 君との約束もちろん覚えてるよ//」
劉一は顔を上げた!
この時、めだかちゃんは劉一が顔を自分以上に赤くさせていることに気がついたようだ。
「!」
その答えを聞いためだかちゃんは途端に笑顔になった。
「……僕///……僕はめだかちゃんが好きだよ。13年間もあってなかったけど… 会えない時も、会えないって思ってた時もずっと。 あの時から変わってない……よ///。 ≪大好き≫」
劉一は恥かしいけれど、必死に我慢しながら続けた。
劉一の言葉を聞くごとにめだかちゃんの表情は輝いて行く。
光の様に輝いていて……誰もが振り返るような笑顔を見せてくれていた。
でも、劉一は恥かしいのかその表情は見て無かったようだ。
劉一は、目線を別の方向へと向けながら続けた。
「……だから、さ? ……他の女生徒の話をするたびに睨むのは…ちょっと控えてもらいたいかな?僕はめだかちゃんが1b“ガバッ!!”『 劉一! 約束のキスだ!…ちゅっ!! ッ凛』むぐぅぅっ!!」
劉一が最後まで…言うその前に。
めだかちゃんの唇が劉一の口を塞いだ…。
「ッッッ!!??」
あの時もキスをしようとしていたけど…
その時より遥かに早い…
暫く意識が飛んでたと思うね… 苦笑
【黒神めだかの真骨頂 行き過ぎ愛情表現】
「私も劉一!貴様の事がずっと好きだったんだぞ! あの時…いや あったときからだ!」
続けてめだかちゃんは至近距離でそう言う!
ってか 告白っ???
「//… あっ…ありが…と…僕も…だよ。めだかちゃん……」
顔を近づけて至近距離で……おまけにキスされた後だったら……。パニックになっても仕方ないと思う。
でも劉一は、めだかちゃんは全人類みんな好きって思ってる事を知っていた。
だから、自分だけ特別ってうぬぼれたりはしないけど…。
それでも… やっぱり 好きって言ってもらったら…嬉しい。
自分も好きで相手も好きだったら、本当に嬉しい。
劉一だって 男の子だもん。
それに…この時のめだかちゃんの笑顔……
本当に可愛い、綺麗な笑顔だったから……。
そして、暫く余韻に浸った後……。
「では こちらの投書の内容は全て終了したな。 すまないが劉一は善吉の様子を見てきてもらえないか。今回の件をまとめておきたいのでな。 何より動物は苦手だしな…」
「うん。わかったよ。僕、善吉を見てくるね。」
少し照れくさい状況だったが、 (主に劉一君がで、めだかちゃんは艶々とした顔… そしてはちきれんばかりの笑顔だった!)
2人は次の仕事へと戻っていった。
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