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『ポケスペの世界へ』

作者:零戦
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第三十八話

 
前書き
ほんとすいません。
長らくと御待たせしました。 

 



「クチバまでありがとうな~」

「おぅ。またな」

 桟橋から離れていくアクア号。俺はアカネの見送りに来ていて、アカネはデッキから俺に手を振っていた。

「次はウチが勝つでぇ~」

「もうやりたくないです」

 クチバに到着するまでの道中、アカネは幾度となく俺に勝負を挑んできたがいつも負けていた。

 まぁその度にアカネが泣いて、アカネを泣き止ますのに一苦労したけどな。

 そして俺達が手を振る中、アクア号は航行を始めた。俺はアクア号が水平線から消えるまで見ていた。

「……さて、行きますか」

 今度は何処に行こうか……。あ、シオンタウンはパスの方向だ。

 だって俺、幽霊無理だしな。というより旧作でのシオンタウンのBGMは怖かったな。

「……サイクリングロード行くか」

 下りたいし上りたいしな。此処からだと、ヤマブキを経由して行くしかないな。

 ……今度はナツメいないよな? まぁさっさとヤマブキを出るのが先決だな。

「そんじゃあレッツゴー」

 俺はチャリを漕ぎ出したのであった。



――タマムシシティ――

「そういや旧作だとタマムシデパートの屋上の女の子から技マシンのれいとうビームを貰えたよな」

 タマムシシティの街並みを見ながら俺はそう呟いた。今は知らんけどね。

「そうだ、ついでにエリカさんと会おうか」

 そう言えばエリカさんはタマムシジムのジムリーダーだしな。

「そうと決まれば早速行こうか。地図だと……」

 俺はチャリを漕ぎながら郊外にあるタマムシジムへ向かった。


――タマムシジム正門――

「うひひひ、女の子がいっぱいだわい」

「……エロじじい……」

 タマムシジムに到着すると、窓から中を覗いているエロじじいがいた。てかゲームでもいるよなエロじじい。

「もうお爺ちゃん。練習の邪魔だから覗いちゃ駄目って言っているでしょう」

 そこへピクニックガールの女の子が外に出てきてエロじじいを注意した。

「ほんとにもう……あら、貴方は?」

 ピクニックガールの女の子が俺に視線を向けてきた。

「あ、すいません。エリカさんいますか?」

「……もしかして貴方がショウさん?」

「そうですけど……」

 その瞬間、ピクニックガールの女の子の目がキランと光った……と思う。

「ちょ~っと待ってね~」

 女の子はそう言ってジムの中に入った。

『エリカさ~ん。愛しのショウさんが来ましたよ~』

『ちょッ!?』

 何か中が騒がしいような……。そして奥からドタバタした音が聞こえてきて入口にエリカさんが現れた。

 ……ちょっと着物が乱れているけど、かなり慌てて来たんだろうか……。

 そして頬も薄く赤いので妙にエロい。

「はぁ……はぁ……お久しぶりですショウさん」

「あ、あぁ。久しぶりだなエリカさん。もしかして今は用事があったのか? それならまた日を改めるけど……」

「大丈夫です。問題ありません」

「けど……「問題ありません」……そうか」

 まぁ彼女が問題無いなら良いか。

「それで今日は一体どうしましたか?」

「あぁ、たまたま近くに来たからな。挨拶でもしておこうかと思ってな」

「あ、挨拶ッ!?(ま、まさかの挨拶は……そんな私、心の準備がまだ……)」

「……何か勘違いしてないかエリカさん?」

 エリカさんは顔を赤くしてくねくね身体を動かしている。なお、訂正はちゃんとしておいたが何故か残念な表情をしていた。

「そう言えば今日は泊まるところは?」

「今日はポケセンに泊まろうと思ってるんだけど……」

「そ、それでしたら泊まりませんかッ!! へ、部屋はいっぱいありますから問題ありませんッ!!」

「は、はい……」

 エリカさんの詰め寄りに俺は思わず頷いた。てか怖かったんだが……。

 そして俺はエリカさんの家で一夜を過ごす事になった。

「御馳走様でした。大変美味しかったです」

「フフ、ありがとうございます。喜んでいただけて何よりですわ」

 夕食は美味しかった。両親はいないのかと思ったら今日は用事で出掛けているらしい。

「御風呂を用意してますので良かったら入って下さい」

「すいません。何から何まで」

「良いんですよ」

 俺はピカと一緒に御風呂へと入った。

「ぁ~、まさかのエリカさん家での一泊か……思ってなかったな」

「チャ~」

 ピカは犬かきをしているけど、風呂場でするな。

「お湯加減を如何ですか?」

「あ、エリカさん。大丈夫……」

 振り返るとそこには身体をタオルで巻いたエリカさんがいた。

「エ、エ、エリカさんッ!?」

「……私も御一緒にと思いまして」

 エリカさんはそう言って風呂に入る。ちなみに浴槽はかなり大きめだ。

「……ショウさん、御迷惑でしたか?」

「い、いえ。そんな事はないです。ただ驚きまして……」

 ぅ~、む、胸が見える。エリカさんのふっくらした膨らみがある胸がタオル越しから判るぞ……。

 そして風呂に入る事三十分が経過した。エリカさんが俺にゆっくりと近づいてきた。

「エ、エリカさん?」

「ショウさん……私……」

 そう言ってエリカさんは俺に身体を預けて気絶した……ってッ!?

「逆上せてるッ!? し、しっかりしてくれエリカさんッ!!」

 エリカさんは完全に逆上せてしまい、俺は何とかお姫様だっこをして脱衣所に駆け込んだ。

 ちなみにタオルがはだけてしまい、エリカさんの胸が完全に見えたのはエリカさんには内緒にする事にした。


 
 

 
後書き
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