転生とらぶる
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魔法先生ネギま!
0315話
「……さて、俺達はどうするべきか」
ネギが張り切って一人で外の見回りに行ってしまった為、その場に置き去りにされた俺と神楽坂、そして桜咲。
「えっと、そうですね。私と神楽坂さんはお嬢様を部屋の近くでお守りしますが……アクセルさんがそれをするのはちょっと無理がありますね。ネギ先生のように見回りをするにしても生徒のアクセルさんでは他の先生に見つかった時にどうにも出来ませんし……どうしましょう?」
「うーん。アクセルの出番はいざという時の為に取っておいて、今は部屋で休んでてもらうのがいいんじゃない?」
「確かにそれくらいしかないか」
桜咲の言う通り、生徒の俺がネギのように見回りをしていれば新田辺りに見つかって怒られる可能性も高いし、かといって近衛達の部屋に泊まり込む訳にもいかないだろう。ここは大人しく神楽坂の意見を聞いておくのがベストか。
「じゃ、部屋に戻る……前に、携帯の番号を交換しておくか。何かあったら連絡してくれ」
「そうですね。では、お願いします」
「あ、じゃあ私も」
2人と携帯の番号を交換してその場で別れて部屋へと向かう。
「とは言っても、1人だとどうしてもやる事がないんだよな」
部屋へと戻ってきて、思わず呟く。普通なら他の班員と話をするなりなんなりする所なのだが、この部屋には俺1人だ。
せめて男同士という事でネギと同じ部屋だったら良かったんだが……いや、どのみち外の見回りに行ってるんだから俺1人だったか。
空間倉庫を展開し、以前暇つぶし用に買っておいた雑誌を取り出す。
……そう言えば、SEEDの世界ではムウに貰った雑誌を読んでる時に限ってザフトなりなんなりが襲い掛かってきたものだったが……
ヴヴヴ
そんな風に思ったのが悪かったのか、携帯が震えて着信を教える。
「おいおい、まさかとは思うが……」
嫌な予感を覚えつつも、通話ボタンを押す。すると……
『アクセル、ちょっと来て。このかがサルに誘拐された!』
「ちぃっ、フラグでも建てたか。分かった、すぐに出る。合流場所は外でいいな」
『うん、そうして』
いざという時の為に浴衣ではなく私服だった事もあり、特に準備は……いや、あったな。脳裏に空間倉庫のリストを展開し、千鶴とのパクティオーカードを取り出す。そのまま教師達に見つからないように部屋を抜け出して玄関へと向かいながらパクティオーカードをおでこに当てる。
『念話』
小さく呟き、千鶴に繋がったというのを感じながら心の中で呟く。
『千鶴、聞こえるか? これはパクティオーカードの機能の念話だ。人に見つからない場所に移動してパクティオーカードをおでこに当てて念話と唱えてくれ』
本来なら携帯で連絡をすれば早いのだろうが、幸か不幸か俺の班では酔っ払ってダウンしてない奴も多い。そんな中で千鶴に変な疑いを感じさせないようにするのと、いざという時の為に千鶴にもパクティオーカードの扱いに慣れて欲しいからという思いもあった。
『アクセル君、聞こえるかしら?』
『ああ、聞こえる。ちょっと厄介ごとが起きたから俺はネギ達と旅館の外に出る』
『あら、じゃあ私も……』
『いや、千鶴は残ってくれ』
『アクセル君?』
低い声で不満そうに呟く千鶴。だが、何も今回残していくのは戦力にならないからという訳ではない。
『そう怒るな。修学旅行前に話したと思うが、ちょっかいを掛けてきたのは関西呪術協会だろう。俺の追ってる方が本命だとは思うが、もしかしたら囮という可能性も捨てきれないんだ。だから千鶴はこの旅館で守りを固めてくれ。幸い、千鶴のアーティファクトは防戦に優れているからな』
『……分かったわ。アクセル君、怪我をしないようにね』
『ああ』
短く返事をし、念話を終了する。同時に旅館の玄関へと辿り着き、外へと出る。
旅館の前にはネギ、神楽坂、桜咲の3人とついでにカモが1匹集まっていた。
その様子に、思わず声を上げる。
「おいっ、まさか俺が来るまで待っていたのか?」
近衛が誘拐されたとなれば、一刻も早く相手に追いつくべきだろう。少なくても全員がここで待っている必要はない筈だ。
「違うわよ! ネギが小猿に群がられてたのよ」
「小猿? ……なるほど、風呂の時と同じ相手か。話は分かった。取りあえず追うぞ」
短くそう言い、桜咲の意識が向いている方へと走り出す。
「ちょっと、あんたが仕切らないでよ!」
神楽坂が文句を言いながらも、俺の後を追ってくる。ネギと桜咲も同様だ。
「で、相手の顔は見たのか?」
走りながら3人に尋ねる。
「う、うん。その……サルだったよ」
「いや、だからサルの式神を使うんだろう? そうじゃなくて術者本人を見たのかって」
ネギも混乱してるのか、サルがどうとかしか口に出さない。その様子を見かねたのだろう、桜咲が口を挟んでくる。
「術者はサルの着ぐるみのようなものを着ていたので、ネギ先生の仰る事も必ずしも間違ってはいないかと」
「……は?」
一瞬、桜咲が何を言っているのか良く分からなかった。サルの着ぐるみを着て誘拐するような奴がいるだろうか? ……いや、恐らくここも何らかの漫画かアニメの世界なんだからもしかしたらいるのかも知れないが。
そんな風に混乱しつつも走っていると、ようやく目標が見えてきた。
「……本当に着ぐるみを着てるな」
そう、サルの着ぐるみを着た人物を。それだけに非常に目立っており、まず見逃すような事はないだろう。その目立つサルの着ぐるみが近衛を抱いたまま公園の中へと入っていく。
にしても、何で着ぐるみを着て……そんな風に思った俺へと桜咲が声を掛けてくる。
「アクセルさん、一応忠告しておきますがアレはただの着ぐるみでは無く、式神か何かで作られた物だと思います。恐らく式神を着込むことによって術者の身体能力をカバーしてるのではないかと」
「つまり、パワードスーツみたいなものか?」
「恐らくですが」
なるほど、そう考えれば理解出来無くもない……か? 実際、近衛を抱いたままでもかなりの速度で走っているのだから桜咲の予想は正しいのだろう。
「ちょっとあんた待ちなさいよっ! このかをどうするつもり!」
「このかさーーーーーんっ!」
そのサルの着ぐるみへと向かい、神楽坂とネギが大声で叫ぶ。
「ちぃっ!」
その2人の行動に思わず舌打ちする。どうせなら背後から奇襲を仕掛ければよかったものを。
チラリとこちらを振り向いたサルの着ぐるみ。その顔の部分から見えている人の顔は見覚えのあるものだった。新幹線で売り子をしていたあの陰陽師の女だ。幸い今の俺達は大きめの公園の中にいる。仕掛けるなら今だな。
「ふっ!」
足に魔力を集め、瞬動を発動。そのまま着ぐるみの横へと移動してその脇腹を狙って拳を叩き込む! だが……
「何!?」
返ってきた手応えはグニュウッとしたものだった。俺の拳の威力が着ぐるみに吸収されて中身まで伝わっていない、だと? 普通の人間なら悶絶する程度の力を込めたのだが。
ただ、無力化されたとはいえ俺の一撃は無駄ではなかったらしい。いつの間にか横へと現れた俺に着ぐるみの女が驚きその動きを止めたのだ。
「ネギっ!」
「うん!」
俺の言いたい事が分かったのだろう、ネギが素早く回り込むと近衛を抱きかかえて跳躍、神楽坂の下へと戻る。
「このかは返してもらったわ! 諦めて帰りなさいよ!」
「痛ぅっ……ただのガキかと思って油断したわ。ただ、うちとしてもこのまま退くなんて真似は出来んのや。お嬢様はきっちり貰っていきますえ」
そう言って着ぐるみを脱ぎながらこちらへと振り向いた女と、ネギや神楽坂達の側まで下がった俺の視線がぶつかる。
「げ、新幹線の中で会ったガキかいな。ったく、本当に何者なんや」
「……確かあの時に言った筈だな? 次はない、と」
「え? アクセル君、あの人を知ってるの?」
「ああ。と言うかネギ、お前も知ってる筈だぞ。新幹線の中でぶつかっただろう?」
「え? ……あっ、あーーーーーっ! あの時の売り子のお姉さん! っていうか、さっき旅館で会った!」
ネギもようやく思い出したのか、大声でそう叫ぶ。だが、旅館で?
「ちょっと、なんであんた達はこのかを狙うのよ! あんた達の目的はネギの持ってる親書とかじゃないの!?」
「目的を馬鹿正直に教えると思うんか?」
「ふん、貴様の狙いはお嬢様の力……違うか?」
「桜咲さん?」
「お嬢様は、まだ発現はしていなくてもその血筋故に莫大な魔力が眠っているのです。奴の狙いは恐らくその力を手に入れて関西呪術協会を牛耳るなるなんなりを狙っているのではないかと」
「学園長の言ってた強硬派って奴か。まさかここまで堂々と手を出してくるとは思わなかったがな」
「はい。ですが元々関西呪術協会は裏の仕事も請け負う組織なんです。なので強硬派ならこういう手段に出るというのは十分に考えられました」
「そう言うこっちゃ。さて、お話はもうええやろ。そろそろお嬢様を返してもらうで?」
懐から呪符を取り出し、周囲へと飛ばす。その呪符は公園の四方へと飛んでいき木や柱、ベンチや電柱へと貼り付く。
「気をつけて下さい、あれは人払いの呪符。あれをここで使ったという事は、奴はここで仕掛けて来るつもりです」
人払いの呪符、俺の使う認識阻害と似たようなものか。正式な効果はともかく、人の目を気にせずに戦えるという意味でだが。
「ふん。あの時は俺一人に恐怖を抱いていたというのに、ここでこの人数相手にやり合うのか?」
「確かにあの時はそうだったかもしれへん。けど、あの時とここでは条件が違うんや! いでよ、猿鬼、熊鬼!」
女が呪符を構えて呪文を唱えると、次の瞬間には俺達の目の前に巨大な猿と熊が存在していた。ただし……
「な、なんかファンシーね」
そう。神楽坂の言う通り、その猿と熊はどちらかと言えばヌイグルミと表現した方がいいような外見をしていたのだ。
だが、そのヌイグルミを見ている桜咲の視線は鋭い。
「気をつけて下さい。さっき言った善鬼と護鬼です」
「……あれが、か?」
「はい。間抜けな外見ですが、舐めて掛かる訳にはいかないでしょう」
こちらで相談をしていると、目の前の女は再び呪符を取り出す。
『お札さん、お札さん、ウチを逃がしておくれやす。……三枚符術京都大文字焼き!』
女の呪符から炎が吹き出て、轟! とばかりに炎で大の字が描かれる。そしてその瞬間、念動力でその存在を感じ取る。
「ネギっ、後ろだ!」
「えっ!? うわっ!」
ネギの後ろに突然人影が現れ、ネギに一撃を加えて近衛を掻っ攫っていったのだ。
「お嬢様!」
そう叫んで掠われた近衛の後跡を追おうとした桜咲だったが、すぐに持っていた剣で空中を一閃する。
「ありゃりゃー。さすが御同類ですなぁ」
「ちぃっ、この剣筋は神鳴流か!」
「はいー。神鳴流の月詠ですー。おはつに」
「……お前が、神鳴流?」
桜咲のその言葉も無理は無いだろう。神鳴流と言うからには桜咲のような鋭い雰囲気を持った人物が出て来るとばかり思っていたのだ。だが、桜咲の前で剣を2刀構えているのは、パッと見天然系にしか見えない存在だった。……そう、あくまでも外見は、だが。
しかし俺の中にある念動力は、あの神鳴流の剣士が見た目通りの存在ではないと教えている。アレは擬態でしかなく、その本性は……
「桜咲、気をつけろ。奴は見た目通りの存在じゃない」
「……分かりました」
俺が桜咲と話をしている間、ネギは呪文を唱えていたのか持っていたその杖を炎の方へと差し向ける。
『風花 風塵乱舞!』
まさに突風としか言いようのない風がネギの杖から放たれ、燃えさかっていた炎を根こそぎ吹き飛ばす。そしてその向こうにいたのは陰陽術の女、ネギの手元から掻っ攫われた近衛。そして白髪の少年だった。
後書き
名前:アクセル・アルマー
LV:38
PP:625
格闘:262
射撃:282
技量:272
防御:272
回避:302
命中:322
SP:462
エースボーナス:SPブースト(SPを消費してスライムの性能をアップする)
成長タイプ:万能・特殊
空:S
陸:S
海:S
宇:S
精神:加速 消費SP4
努力 消費SP8
集中 消費SP16
直撃 消費SP30
覚醒 消費SP32
愛 消費SP48
スキル:EXPアップ
SPブースト(SPアップLv.9&SP回復&集中力)
念動力 LV.10
アタッカー
ガンファイト LV.9
インファイト LV.9
気力限界突破
ギアス(灰色)
魔法(炎)
魔法(影)
魔法(召喚)
闇の魔法
???
撃墜数:376
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