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ドラクエⅤ主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?

作者:あさつき
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一部:超絶美少女幼年期
  九話:冒険の準備をしましょう

 無事に(?)レヌール城のオバケ退治に出かけられることになってひと安心しつつ、ビアンカちゃんに引っ張られてアルカパの町を歩きます。

「あの子たち!ぜったいに、ゆるさないんだから!ぜったいに、オバケをたいじして、びっくりさせてやるのよ!」

 なんか、ビアンカちゃんが燃えてます。

「いつもいたずらばっかりしてるくせに、急におとなしくなって!ドーラと仲よくしようなんて、ずうずうしいのよ!」

 モテる女は、辛いね!(ニヤニヤ)

「ドーラ!昼間だと、町を出られないから。夜に、こっそりぬけ出すわよ!」
「はい!ビアンカおねえさん!がんばって、ネコちゃんをたすけましょうね!」
「ネコちゃん?……そうだったわね!がんばらなくっちゃね!」

 え?忘れてたの?
 どんだけですか、ビアンカちゃん。

 いやー、愛されてるね!(ニヤニヤ)

「さあ!それじゃ夜にそなえて、今のうちに眠っておきましょう!」

 ゲームだと夜でも買い物できたから、それでもいいけど。
 現実だと、どうなのかな?
 できれば、昼間のうちに買っときたいよね。

「ビアンカおねえさん。そのまえに、ぶきやさんとぼうぐやさんに、いきませんか?オバケたいじの、じゅんびをしましょう!」

 ドーラちゃんの提案に、ちょっと困った顔のビアンカちゃん。

 あー、やっぱり困った顔も、可愛いわー。

「お買いものには、お金がいるのよ?武器屋さんとか防具屋さんでお買いものできるほど、おこづかいはないもの。」

 ああ、そういう心配ね!

「だいじょうぶです!おとうさんとたびをしているときに、しんせつなひとたちが、おこづかいを、たくさんくれたんです!これで、おかいものしましょう!」

 ええ、くれたんですよ、あくまで。
 みんな、親切だよね!

「そう。それならドーラの分は、買えるわね。それじゃ、行きましょうか!」
「ううん!いっしょにいくんだから、ビアンカおねえさんのぶんも、かいましょう!」
「ダメよ。私よりも小さい子に、買ってもらうなんて。」

 しっかりしてるなー、ビアンカちゃん!
 悪ガキ共とは雲泥どころじゃない、推し測ることすら不可能なレベルの差がついてるね!

 だがここは、押し切る!

「これは、わたしのおかねじゃなくて、しんせつなおとなのひとたちの、おかねですから!ビアンカおねえさんも、あってれば、くれたとおもいます!それに、……じぶんのだけかうなんて、……いやです……」

 しょんぼりドーラちゃん。

 ビアンカちゃんが、わたわたしてます。

「わ!わかったわ!そのかわり、町の外では、魔物と戦うはずだから!魔物は、お金を落とすのよね?落としたお金とか見つけた道具は、ドーラがもらってね!」
「はい!わかりました!」
「それじゃ、行きましょうか!」
「はい!」



 ビアンカちゃんの案内で、武器屋さんに到着です。

 私の分は、ブーメランで確定として。
 ビアンカちゃんのは、相談しないと……おや?

 ビアンカちゃんの、様子が……?

「……」

 無言で、ディスプレイされている(いばら)のムチを見つめています。
 目が、キラッキラしてます。

 ……うん、わかった。

「ビアンカおねえさんは、その、ムチでいいですか?」
「……え?……だ、ダメよ!こんな、高いもの!!」

 チラチラとムチを見ながら、そわそわと答えます。

 オーケー、オーケー。
 何でも、買ってあげるよ!
 お姉さんに、任せなさい!

「わたしは、この、ブーメランにします!ビアンカおねえさんのムチよりも、たかいんですけど……いいですか……?」

 上目遣いで、お伺いを立ててみます。

「もちろん、いいに決まってるじゃない!ドーラの、おこづかいなんだから!」
「ありがとうございます!それじゃ、おじさん!ブーメランといばらのムチを、ひとつずつ!くださいな!」
「え?え?」

 いいって言ったよね!

 ビアンカちゃんが混乱しているうちにとっとと会計を済ませ、ビアンカちゃんを引っ張ってお店を出ます。

「つぎは、ぼうぐやさんですね!」
「ドーラ……ほんとに、よかったの?こんな、高いもの」
「はい!ビアンカおねえさんの、みをまもるものだから!ちゃんとしたのじゃないと!」
「そう……ありがとうね、ドーラ!」
「はい!さあ、つぎにいきましょう!」


 お金があれば皮のドレスも買いたかったところですがそこまでは無いので、ビアンカちゃんにうろこの盾を買います。
 おなべのフタじゃあんまりだし、私は洞窟で拾った皮の盾があるからね!
「ぶきは、ビアンカおねえさんのほうが、やすかったから!これで、おんなじですね!」
とかなんとか言ってね!

 さらに、道具屋でヘアバンドを買ってお揃いにします!
 ビアンカちゃんと、お揃い!
 美少女たちが、お揃い!!

 ……あー、なんで写メが無いのかね?
 鏡でバッチリ確認はしたけれども!

 ……気合いで焼き付けろ!
 脳裏に!
 網膜に!!



 と、オバケ退治の準備を万端に整え、すっかりその気で宿に帰ると、パパンに

「ドーラ、戻ったか。それでは、帰るとするか」

と声をかけられ。

 あー、そういえばそんな展開もあったねえ、とぼんやり考える私。
 焦るビアンカちゃん。

 早くビアンカママン引き留めてくれないかなあ。
 自分から、なんか言うべき?

 なんてことを考えてるうちに、ビアンカちゃんが焦りに任せて口を開きます。

「おじさま、もう帰るんですか?せっかくだから、泊まっていきませんか?」
「サンチョや村の皆を待たせているのでな。折角だが」

 まだいられるつもりだったから、お土産も見繕ってないわ、そう言えば。

 しかしサンチョにいつも待たせてごめんね的なことを言い置いてきたドーラちゃんとして、ここで泊まりたがるのは正しいのかどうなのか。
 かといって、ビアンカちゃんを全くフォローしないというのも……。

 ……ごめん、サンチョ!

「おとうさん。もうすこしだけ、いられませんか?サンチョやむらのみんなとも、はやくあいたいけど。ビアンカおねえさんと、おわかれするの……さみしい、です」

 ……なんという八方美人!
 我ながら、これはひどい!

 早く助けて、ビアンカママン!!

「ちょいと、パパスさん!うちの宿屋に来ておいて、一泊もせずに帰るなんて、そりゃあ無いよ!せめて、一泊だけでも!泊まっていってくださいな!」
「む……」

 ああ、助かった。

 ビアンカママンさえいれば、もう大丈夫!

「本当は、一泊と言わず何泊でもして欲しいところだけどね!ドーラちゃんだって、日帰りじゃ疲れちゃうだろ?大人とは違うんだから、気遣ってあげないと!」

 おお!
 私をダシに使うとは、流石ビアンカママン!いい着眼ですね!

 まあ、まともに休まず脱け出すんですけどね!

「……そうだな。それでは、一泊だけ。お世話になるか!」
「そう来なくっちゃ!今夜は、腕によりをかけてご馳走するからね!ビアンカ!一番いいお部屋に、案内して差し上げて!」
「はい!」

 よし!落ちた!
 あとは、夜に備えて夕食まで休んで!
 いよいよ、最高の思い出作り!

 レヌール城に、出発だね!
 
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