SAOもう一人の聖騎士
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追想~廃墟探索~
前書き
すいません!課題と死闘を繰り広げていました・・・・・・では、シュピーゲル追想編、再開です!
「廃墟探索?」
あの決闘の後、何故か仲良くなっているシノンとペイルライダーさんに連れられて、僕達はダンジョン探索をすることになった。ペイルライダーさんに話を聞くと、どうやらここはある怪談話で一躍有名になったダンジョンだそうだ。
「へぇ。その怪談ってやつはどんな話なんですか?」
「まぁ、見てのお楽しみだな」
僕の方を振り向いて可愛くウインクするペイルライダーさん。直後、物凄い強さで脇腹をつねりあげられた。
「シノン!?いきなり何するのさ!?」
「自分の胸に聞いてみなさい?」
いつにも増して剣呑な目付きで僕を見上げるシノンさん。怖い。怖いです。
「夫婦喧嘩もそこまでにしとけ。着いたみたいだ、シュピーゲル先生、一発頼むぜ?」
目の前にそそり立つ巨大なシェルター。少し調べてみるが、厚さ自体も相当の物だろう。・・・・・・とは言え、この程度ではこの僕、『灰塵の騎士』シュピーゲルの障害にはなり得ない。
「・・・・・・・シッ!」
光剣を抜き様に居合の様な斬り上げ。頭上に振り上げられた光剣を、振り抜いた勢いを殺さずに手首を返し更に一閃。かつてSAOで『バーチカル・アーク』と呼ばれていた剣技をそのまま逆再生した様に手順が逆だ。幻影剣二連撃技、『バーチカル・A・リバース』。バーチカル・アークの剣の軌道を逆さにした様な逆Vの字が、鈍く輝く鋼色のシェルターに刻まれる。
「ま、こんなもんかな」
ズ、スズズゥゥゥン・・・・・・と低い音を立てシェルターが倒れた。ちょうど人一人が通れるくらいの大きさの穴から一人ずつ廃墟に入って行く。真っ暗な内部で僕達を出迎えたのは、十の紅い光だった。
「こいつは・・・・・・機械兵か?」
ダインが眉をひそめSIGを構える。徐々に暗がりに慣れ始めた目が捉えたのは、錆び付いた軍刀やぼろぼろのライフルを持った人型の機械だった。
「派手な歓迎だな・・・・・・来るぞ!」
ダインの警告と同時に指揮官機らしき一機が撃ってきた。僕とシノンが左へ、ダインとペイルライダーさんが右に跳んで回避する。ここまで近付かれてはもう戦闘は避けられないだろう。四人共それぞれの武器を抜いた。
「増援が来る前に仕留める!行くぞ!」
ペイルライダーさんの掛け声と同時に、各々が機械兵に飛び掛かった。
機械的な狂気に満ちた目が紅く輝き、敵(ぼくたち)を真っ向から見据える。滑るような機動で僕の目の前に立ち塞がった機械兵が、茶色く錆び付いた軍刀を振り上げて僕を両断しようと斬り掛かる。が、その時僕はそこに居なかった。
「遅いよ」
僅か二歩。くの字を描く様に機械兵の背後に回った僕は、まだスイッチをいれていない光剣を人間で言う心臓部、機械兵の胸にかつんと当てた。すぐにスイッチを入れ、蒼白い光の刃を展開させる。伸びる高密度エネルギーの刀身が内部構造を滅茶苦茶に破壊し尽くし、その機能を停止させた。
「甘いな!」
ライフルの銃火を潜り抜け、ゼロ距離まで肉薄したペイルライダーさんが機械兵の胴にアーマライトを押し付ける。発射。至近距離でばらまかれた5ミリ子弾がそのまま機械兵の上半身を吹き飛ばす。どんな奇妙なバランスが働いたのか、残された下半身だけはなお直立していた。
「危ないわねあなた!」
シノンへ振るわれた錆びた軍刀の一閃をすんでのところでかわし、腰に差してある大型ナイフを抜く。首の根本、最も大きな装甲の隙間にナイフを突き立て、無理矢理胸部装甲を引き剥がす。露出した動力機関にナイフを突き刺され、機械兵は全ての機能を停止させた。
「おいおい、下が甘いな」
短機関銃を持つ機械兵の猛射をズザザザザッ!と野球のスライディングのようにかわし、機械兵の真下から反撃の猛射。5ミリ弾が機械兵の身体を引き裂き、四肢が誤作動にのたうつ。
「・・・・・・ッ!しまった!」
いつの間にか指揮官機が消えている。と言うことは・・・・・・
「不味いな・・・・・・奴さんがた、続いておいでなすったぜ」
まだ見えない通路の奥。そこには、血のように真っ赤な闇が広がっている。
後書き
疲れました・・・・・・さ、流石に一日四ページは辛い!が、頑張ります!
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