ドラクエⅤ主人公に転生したのでモテモテ☆イケメンライフを満喫できるかと思ったら女でした。中の人?女ですが、なにか?
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一部:超絶美少女幼年期
八話:猫(?)ちゃん救出☆大作戦
ビアンカちゃんのお家(アルカパの宿屋)を出て、ビアンカちゃんの案内でアルカパの町を散策します。
大都会というわけでは無いけど、サンタローズの村と比べると、やっぱり栄えてますねえ。
町並みも小洒落てて、ウキウキしますね!
しかし!
浮かれてばかりもいられません。
ここでも、ある意味重要なイベントがあるのです……!
「あ!あの子たち!」
得意気に案内してくれていたビアンカちゃんが、何かを見咎めて声を上げます。
何かとか、完全にわかってますけどね!
「ビアンカおねえさん?どうしたんですか?」
知らなくても見ればわかりそうなもんですが、全てお見通しみたいな顔も可愛げが無いからね!
イケメン美女的振る舞いは、まだ早い!まだ、そんな時間じゃない!
「あの子たち。いつもいじわるとか、いたずらばかりするんだけど。また、なにかしてるみたい!ドーラ、行くわよ!」
「はい!」
悪ガキ共のいる方へ、駆け出して行くビアンカちゃん。
なかなか、勇ましいですね!お姉さんぶるだけのことはあるね!
しかし悪ガキかー、ヘンリー(幼少期)とかコリンズもだけど、嫌いなんだよね!悪ガキ!好きな人も、あんまりいないと思うけど!
果たして私は、冷静に対応出来るのか……いや!
この程度対応出来ないようでは、ヘンリーをやり過ごしてルート回避など、夢のまた夢……!
よし!予行だと思って、気合い入れてこう!!
「こらー!あなたたち!」
「なんだよ、ビアンカか!」
「いい子ぶりっ子のビアンカ!なんか、用か!?」
……ちッッ!!
ビアンカちゃんを呼び捨ての上、いきなりの暴言か!!
何様のつもりだ、このクソガキ共が!!
……ハッ。いかん、落ち着け私!
そんな私の内心の葛藤を知る由も無く、ビアンカちゃんは挑発にも動じず話を続けます。
「すごい鳴き声がきこえたわよ!またなにか、わるいことしてたんでしょ!」
腰に手を当てる女王様ポーズです。
なんか、慣れてるなあ。
とりあえず、成りゆきを見守るか。
ここで救出成功しても困るし。
「ああ!こいつの鳴き声、おもしろいんだよ!ネコのくせに、変な声なんだ!」
「そうだよ!ビアンカもやろうぜ!ほら、鳴けよ!」
暴言を吐いておきながら厚顔無恥にもビアンカちゃんを遊びに誘い、猫っぽい生き物を乱暴に小突く悪ガキB。
結局ビアンカちゃんが可愛いから気を引きたくて悪態つくんだろうとか、気を引きたいならその行動は無いわとか、それは猫っぽいけどどう見ても猫では無いとか、突っ込みどころが多過ぎてなんだかなあ。
悪ガキに突っ込んでも、別に楽しくないんだけど!
とりあえず猫っぽい生き物 (ていうかベビーパンサー)はね、前世の世界的に言えば、虎とかライオンの赤ちゃんみたいなね?大きい足をしてましてね。
本当に猫だけど、単純にでかい!みたいなメインクーン(でかい猫の品種)とかとは、全く違うわけですよ。
……何故、これを猫だと思った?
と疑問に思うレベルなわけですが、町から出たこと無くて、見たこと無ければそんなもんなんだろうか。
写真とか、あるわけでも無いし。
そんで、
「グルルル……ガウウ……」
とか唸ってるし。
完全に、猛獣じゃないか。
無知って怖い。
でもこんなにされても噛みつかないなんて、おとなしい子だなあ。
「やめなさいよ!かわいそうでしょ!!」
うん、可哀想だよね……私も止めたい。
でも止めたら、イベントが……!
最高の思い出が……!
さらに、ものすごく困ることが!!
「なんだよ!おれたちのネコだぜ!どうしようと、勝手だろ!」
「そうだ、そうだ!」
「だからって、いじめていいわけないでしょ!いいからそのネコを、わたしなさい!」
いじめるな、から、渡せ、ってのも、わりと飛躍してる気がするんだけど。
ビアンカちゃんに対して、揚げ足を取るような真似はしませんがね!
「おい。どうする?」
「そろそろ、あきてきたしな」
「でも、ただでわたすのも、おもしろくないな」
「そうだよな。……そうだ!ビアンカと、そっちの子!」
悪ガキAが、こっちを指差します。
……人を指差すなって、習ってないのか!
これだから悪ガキは!!
あと、急に話を振るな!
「え?わたし、ですか?」
まあ、その程度のことで動じるドーラちゃんでは無いけれども!
「そうだ!おまえらふたりが、三日間、おれたちのドレイになったら、わたしてやる!」
「却下。」
「え?」
おっと、素が出てしまった。
奴隷とか意味わかってんのか、このガキ!
ともかく、猫を!
被り直せ、私!
「わたしは、となりのむらからきていて、すぐにかえるんです。ほかに、なにか、ありませんか?(うるうる)」
瞳を潤ませて、真っ直ぐに悪ガキを見つめて問いかける、超絶美少女ドーラちゃん。
美少女はビアンカちゃんで慣れてるだろうとは言え、こういう対応には慣れていまい……!
そして悪ガキは意外と守ってあげたいタイプに弱いと、相場が決まっている!
案の定、悪ガキAは目を瞠って顔を赤らめ、視線を逸らします。
「し!しかたないな!それなら、えーと、えーと……そうだ!レヌール城の、オバケをたいじしてきたら!そしたら、わたしてやるよ!」
ふっ……チョロいな!
守ってあげたいタイプは意外と強かなのも、世の常だというのに!
「ほんとうですか!?」
瞳を輝かせて、喜ぶドーラちゃん。
横目でチラチラ見てくる、悪ガキ共。
普通の女の子視点ならむしろハードル上がってるので喜ぶとかおかしいが、気にしてはいけない。
させては、いけない!
笑顔で、押し切れ!
「し、しかたないからな!と、ところでおまえ、なまえは」
「レヌール城のオバケね!わかったわ!行きましょ、ドーラ!」
悪ガキAがなんかいいかけたところで、ビアンカちゃんが思いっ切り割り込んで話を遮ってきました。
……これは!
この行動は、まさか、嫉妬!?
やだなービアンカちゃん、こんなクソガキ共に、靡くわけがないじゃない!
「はい!ビアンカおねえさん!」
でもホイホイ付いて行きますけどね!
天秤にかけるまでも無い!
「あんたたち!私たちが戻るまで、ちゃんとその子の面倒みなさいよ!」
「いじめないで、くださいね?」
悪ガキ共に吐き捨てて、ぐいぐいドーラちゃんの手を引っ張って歩き出すビアンカちゃん。
若干腕が痛いが、嫉妬なんかされちゃったこの喜びの前にはたいした問題じゃないね!
よーし、オバケ退治も頑張ろー!!
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