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環の理

作者:三島 渓山
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鋼の錬金術師
  人造人間4

 
前書き
荒ぶる天神乱漫のポーズ! 

 





 私って最近不運だなって思うの。平和に暮らしてたと思ったら傷の男(スカー)人造人間(ホムンクルス)、挙句の果てには人造人間(ホムンクルス)の親玉に狙われちゃってるなんて。変熱だか変温だか誤字っちゃう二つ名なんて返上して寿退社したいわ!



 「……と思うんだけどどう思う?」

 「誰に聞いてるの!?てか喋ってたの!?」

 「……ほう。おまえがラースの言っていた変熱か」

 「通じちゃってるよ!」

 「アルうるさい」

 「……はい」



 アルって不憫な立ち位置にいるよね。



 「面白い事を考えた。グラトニー、変熱を捕らえよ」

 「はーい……」

 「……またこの展開になるのね」



 食べられないだけましか……か?グラトニーもそこはかとなく残念そうにしてるし。



 「ふん!」

 「!」



 ドン!ドドドドド……ズン!



 「てめっ……こら!」

 「だーーーめだ!この大佐は誰かと違って有能なんだ!ぽっと出のヒゲなんかに渡せるか!」

 「「「(あ、何かそれは分かるかも)」」」

 「……って私の為に戦ってくれるのは嬉しいけど焦っちゃ駄目よ!」

 「焦ってるんじゃねえ。短期決戦で雑魚共々ケリをつける!」



 あらぶってるな……さっさと撤退した方が良いと思うのだけど。



 「誰が雑魚だっておチビさん!」

 「チ……」

 「エルリック!」

 「分かってらぁ!最初っから頭狙いだっつの!」

 「大人になったね兄さん!」



 挑発を跳ね除け、人造人間(ホムンクルス)を避けた攻撃はヒゲを捕らえようとする!



 「親玉捕ったり!」

 「……ふん(パシュン)」

 「おお!?」

 「オラ!」

 「おわっ……とと」



 ノーモーションで拘束を解くヒゲ。驚いている隙をエンヴィーが突いてくるがエルリック兄は危なげながらもそれを避ける。



 「さっきチビっつった分な!」

 「結局殴るのか……」

 「もち!」



 うわっ、物凄いいい笑顔だよ!私には到底できないね!(すっとぼけ)



 「どおらっせ!?」

 「兄さん!」



 壁にキックしたエルリック兄は痛みで動けない。そこをカバーするエルリック弟と私。



 「はあっ!」

 「……ふう」

 「……っぐ!」



 どうなってるの!?どんな攻撃も見られてからは遅すぎる!何かしら防御される!



 「時間の無駄だな」



 ヒゲが片足を振り上げ地面に下す。その瞬間世界が変わった気がした。





 ~~~~~~





 一呼吸おき、何が起きたか思考する。



 「「(錬金術が使えない!?)」」

 「ぐぇっ!」

 「エルリック兄弟!」

 「あーん」

 「ぐはっ!?」



 グラトニーに地面へ叩きつけられる。ちょっ、背中がめきめきいってる……!



 「はっはぁ!大人しくしなよおチビさん!」

 「エンヴィーてっめぇぇぇ!」

 「く……」



 錬成が出来ない……あのヒゲが何かしたのか?



 「やれやれ……私の家を随分荒らしてくれた。この償いは体で支払ってもらうぞ」

 「堂々とセクハ……ラ……」

 「今ちょうど強欲(グリード)の席が空いている」



 額に浮きあがった目から赤い液体が流れて来た。まさかそれは……!



 「賢者の石……か?」

 「へえ……あれをやる気だねお父様」

 「あれ!?」

 「人造人間(ホムンクルス)を造るんだよ。血液の中に賢者の石を流し込むんだ。うまくいけば人間ベースの人造人間(ホムンクルス)が出来上がる」

 「いてっ……」



 切創傷作られた……嫁入り前の女の顔に何て事を!



 「待て!賢者の石は高エネルギー体って……」

 「そうだよ。おまけに石の中の魂との肉体争奪戦になる」

 「マジで!?」

 「生きて強大な力を得るか、死んで地面の肥やしとなるか見ものだね」



 何か無関係な事考えてたら死にそうになってました。結婚せずに死ねるか!



 「……何か大佐なら大丈夫な気がしてきた」

 「ああ、結婚せずに死ねるかとかで跳ね返しそうだな」

 「少しは心配してよ!これでも女よ!?」

 「威勢の良い奴だ。我が『強欲』を受け入れるに足りる。面白い」

 「面白いとかじゃ……っ!」

 「大佐!」

 「ぐうぅぅぅ……があああああああぁぁぁぁぁあああああああ!!!」





 ~~~~~~






 そこは地獄だった。無限の怨嗟、飽くなき欲、醜悪な光景……全てが苦痛であり、地獄だった。



 「がっははははははははは!お前の身体をよこしな!このグリード様が」

 「うるせぇ黙れ!」

 「げふっ!?」



 取り敢えず殴る。見敵必殺先手必勝!



 「てめっ人の話を遮るんじゃねえ!」

 「はっ!私の身体が欲しけりゃ力尽くでかかってきな!」

 「上等だ!強引に奪ってやらぁ!」





 ~~~~~~





 「…………」



 視界良好、意識明瞭、五体満足。どこにも異常なしっと。



 「あ……つー……」

 「……大佐?」

 「大佐……私の事か。ああ、ええ、多分大丈夫?」

 「……どういう事だ?成功したのか?」

 「大佐!どこか変なマークはねえのか!?」

 「マーク?」



 私は一切入れ墨の類をしていない。故にマークなんてある訳……?



 「……あった」

 「あ!?」

 「左手にウロボロスの入れ墨。これってまさか……」

 「成功した様だな。しかし、主人格が強欲の魂(グリード)に打ち勝つとはな」

 「グリード生まれた―おめでとーよろしくー。おでグラトニー!あっちがエンヴィー!」

 「いや、知ってるけど……よろしく?」



 何か釈然としない。さっきまで命の奪い合いをしてたのにちょっとほのぼのしてる。



 「合成獣(キメラ)……?」

 「……?」

 「傷の男(スカー)!?」

 「それとあの時邪魔した女の子!?」



 どうやってここに来たんだ?
 
 

 
後書き
モバマス・・・アーニャ最後まで当たらなかったよorz 
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