生還者†無双
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生還者
前書き
初めてSSを書きます…誤字等あるかもしれません…
日差しの暖かさで眼が覚める
妙に身体が怠い…頭痛もしやがる…
ラリーの野郎、面倒な事ばかり押し付けやがるぜ
「よっと」
軽快な動作で立ち上がる
周りを見回すが…明らかにおかしい
ヨルダン近くの砂漠の遺跡に居たはずなのに…
辺りは草木が生い茂った森だ
小鳥がさえずり、そよ風が身体を抜ける
砂漠用迷彩が濃い緑の中で異彩を放つ
足下に散らばった装備を拾い集めるが…
「ちきしょう、銃が無ぇ…」
ボリボリと後頭部をかきながら溜め息をつく
かろうじで手榴弾が4つとオリハルコン製のナイフ
バキバキバキバキ
そして身に纏った…
トライデント製のA・Mスーツ一式
「無いもんは仕方ねぇ、とりあえず移動するか」
軽い足取りで森を進み始めたのであった…
歩きながら状況を確認する
遺跡にてアーカムの連中と戦闘する
味方が遺跡の深部で何かをやらかす
爆発の様なものに巻き込まれた
変な森で寝てる
「狸にでも化かされてんのか?」
下らなさ過ぎて笑えてくるぜ
だがそれにしても妙だ…
無線機は使えないはまだしも、GPSも反応がない
このご時世で技術部お墨付きのGPSが使えないだと?
まさか帰らずの森…ではないな
辺りを見ればわかる
あの禍々しい感じは全く感じられない
むしろ気分が良くなる気がする
「状況は最悪だな、見知らぬ土地で孤立か」
たが…ゾクゾクするぜ
遺跡の暴走で飛ばされたんだ
マトモな場所な訳がない
さて…この先で鬼が出るか蛇が出るか…
獰猛な笑みをうかべながら歩いていると
道らしき所に出た
「なんだ…道あんのか?」
ボリボリと後頭部をかいていると…
近くで人の声が聞こえた気がした
「なんだよ…案外早く帰れそうだな」
少し落胆して声の方向へ進む
親切な人に電話借りて本社に連絡すれば
お迎えが直ぐに来るだろう
「ちっ、つまらねぇなぁ折角…」
眼に入った光景は複数の男女が騒いでいた
おいおいおい…痴話喧嘩かよ
勘弁してくれよ、全く
ハァと溜め息ついてその場を去ろうとしたが
「人質を取るとは卑怯なっ!」
人質?痴話喧嘩じゃあないのか?
もう少し様子を見るか…
身を潜めて成り行きを見る事にした
「この女がどうなっても良いのかぁ?」
下品な声で背の高い男がピンク髪の女を人質にしている
今どき青竜刀かよ…しかもボロい
他にちっこい男とデブの男が左右にいる
コイツら追い剥ぎか?
ご苦労なこったぜ
ソマリアの海賊だってAKぐらいは持ってるのに
刀片手に追い剥ぎする奴が居たとはな
目頭を押さえて深呼吸する
軽く目眩がした
にしても女3人が護衛も付けないで旅行か?
見た感じはアジア人みたいだが
「桃香様!貴様ら…」
黒髪ロングの女と
「卑怯なのだー!」
子供?が追い剥ぎと対峙している
どうやらピンクの女が黒髪の連れか…
随分、物騒な得物持ってるなぁ
蛇矛に円月刀か?
時代劇でもあるまい
「ハァ…」
ほっとく訳にもいかないか
電話借りられないのは困るしな
「さてと、いっちょやるかい」
力強く地面をけり一気に賊との距離をつめる
彼我の差は歴然だな
まずは軽く挨拶するか
上体をひねらせて回し蹴りの体勢をとる
充分溜めてから全身のバネと遠心力を利用し
眼にも止まらぬ蹴りを放った
シュ!
凄い風切り音
「この女共は上玉だぜ!きっと高く売れる…」
刹那
追い剥ぎのノッポの顔にブーツがめり込んだ
ゴキャベキャ
鈍い音がしたのと同時に
歯が何本か折れ口から血を撒き散らしながら吹き飛ぶ
自分の身に何が起きたのか分からないまま意識が一時的に途切れる
痛みでだんだんと意識が戻り立ち上がる
鼻血と口を押さえて前を見ると
其処には妙な服装の男が自分の居た場所に立ってた
「なんだてめぇ…」
「よぉ!嬢ちゃん!大丈夫か?」
眼中になし
妙な男は女に話しかけている
ふつふつと怒りがこみ上げてきた
殺す!殺す!ぶっ殺す!
「死にやがれ!」
痛みと獲物を取られた怒りで斬りかかる
余裕ぶっこいてよそ見しやがって…
脳ミソぶちまけて死にさらせっ
剣を振り上げて走り出し
勢いそのまま袈裟斬りに振り落とした
「よぉ!嬢ちゃん!大丈夫か?」
見た事ない服装の大きな男の人が目の前に立っている…
あれ?私今まで人質に…
突然の出来事で混乱しているのかな…
で…でもちゃんとお礼言わなきゃ!
お礼を言おうと立ち上がると
後ろから剣を振り上げて走る男が見えた
あ!あ!あ!
「あ…あぶないっ」
咄嗟に声をかけたけど間に合わないっ
眼をつむり後悔と罪悪感が心を支配する
折角助けてもらったのに…
命の恩人に恩も返せず…
バキャーン
聞きなれない属音が耳を貫いた
恐る恐る眼を開けると…
悪い男の剣が折れていた
「え…あれ…」
愛紗ちゃんも鈴々ちゃんもびっくりしてる
もうが分からないよぉ~
混乱して眼を回した劉備であった
少し手加減し過ぎたか?
まぁ本気でやったら首から上は吹き飛ぶだろう
しかし思っていたより追い剥ぎの反撃が早いな…
早いだけで何の脅威でもないが
蹴り飛ばした野郎が後ろから斬りかかってきた
遅いな、止まって見えるぜ
欠伸をしながら腕で剣を受ける
銃弾をも跳ね返すオリハルコン繊維
A・Mスーツは伊達じゃあない
刀ごときじゃあ傷もつかん
ビリビリビリビリ
嫌な音がした…
袖の部分がハラリと地面に落ちる
戦闘服は錆びたボロボロの刃で引き裂かれた…
「て…てめえ!俺の一張羅によくもっ!」
無惨に切れた戦闘服を見て怒鳴る
バキバキバキと怒りに反応したAMスーツが唸りをあげる
ギュッと拳を握りしめて
身に染み込んだ隙の無い構えをとる
「正義の味方は柄じゃあねぇが…」
メキメキと地面に亀裂が走り
土埃を巻き上げて弾け飛ぶ
「ゾクゾクするぜ」
そう呟くと追い剥ぎに向けて駆け出した
後書き
更新はゆっくりやろうと思います
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