転生者が歩む新たな人生
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第19話 2学期終了
前書き
2学期終了して帰省します
年の瀬も迫った12月の最終土曜日、今日は2学期最後の職員会議だ。
お決まりであろう生徒向けの冬休みでの諸注意などをプリントでもらい、会議は進んでいく。
一応2学期の期末試験で結果を残せたことで、3学期からは本採用となる。
今までの指導担当の瀬流彦先生の受け持ちのクラスの数学の授業を先生の指導の元に担当するのではなく、これからは1人で授業をすることになる。
麻帆良学園女子中等部はAからZまで24クラス(1と0に混同しやすいIとOを除く)もあるマンモス校だ。2年生の数学は6人の先生が4クラスづつ受け持っており、オレが加わることにより7人の先生が3クラスから4クラスを受け持つこととなる。教科担任が途中で変わることなどあり得なさそうだが、病気療養で先生が増減する場合を考えれば無くもないのか?
一応今まで授業をしたことのあるABCDから1クラス。EFGHを担当している先生から1クラス、JKLMを担当している先生からから1クラス。3人の先生から1クラスづつ譲られる形だ。なお、当然今まで授業をしたことのないクラスも担当することになるが、1月いっぱいは今まで担当していた先生がフォローしてくれることになっている。この辺の段取りは学園長ではなく学年主任の新田先生がしてくれているので、細やかに対応してもらってる。
B組F組K組は担当教師がそのクラスの担任も兼任しているので、それ以外のクラスになるんだが………。
「サギ君には、A組E組J組を担当してもらおうと思っておるんじゃがの」
学園長………。死ねばいいのに………。
まともな教師、と言ってもほぼ一般人の先生なんだけど、「何言ってるの? コイツ………」というあきれた視線を送っている。
E組J組は良いだろう。事前に確認しておいた中で良くも悪くもないクラス成績で、知る限り特に問題ないクラスだ。
だが、2-Aは別だ。あんな問題児及び魔法関係者ばかり集めたクラス、採用したての新任教師に任せようなんて正気の沙汰じゃない。というか、出張ばかりの高畑先生やそれを代行する副担任の源先生が、あんな成績を続けてるのに何故降格しないのか? というのは、魔法を知らない先生方の誰もが思っていることだ。
麻帆良学園中等部は各教科6人から7人体制で教師がいる。だが、高畑先生が頭数に入っているのかいないのか、英語のみ8人体制だ。そうして毎度出張してばかりいる高畑先生の授業を残りの7人でフォローしているのが現状だ。
「学園長、それはさすがに………」
新田先生がちゃんとフォローしてくれる。
何故か魔法先生の一部は、オレに2-Aの数学を担当させたいらしく、学園長に賛成しやがるが、2-Aを実際に知っている先生と、数学を担当している瀬流彦先生以外の先生が新田先生に賛成してくれたおかげで、2-Aの数学を担当することはなくなった。
もちろんオレは、聞かれたときに「2-Aの数学を担当する自信はありません」と素直に言ったが。
結局、C組E組J組の3クラスの数学を担当することになった。
で、性懲りもなく学園長が「サギ君を2-Aの副担任にしたらどうじゃね?」とか言いやがるので、「源先生は降格ですか?」と聞いてやった。そうすると「ふぉ。そうじゃない。高畑君が出張することが多いので、しずな君がフォローすることが多いんじゃ。まぁつまりはそのしずな君のフォローじゃな」とか言い出した。
周りを見回すと「あきれてものが言えん」とあんぐりと口を開けた先生が多い。
ぶっちゃけ、そんなことするなら、まず高畑先生を担任から外すべきだろう。そこから新体制を構築すべきだ。結局の所、源先生も高畑先生の代わりを1年と半年以上続けているのにもかかわらず、まったく進展もないのだから、指導力としては高畑先生と同レベルなのかも知れない。
で、まぁストレートに高畑先生を担任から外せば? と言うこともできず、なにしろ、万が一の可能性だが、原作のように「じゃぁ、サギ君に担任をしてもらおうかの」とか言い出すこともあり得るから。
まぁ、なんとかまともな先生達のフォローもあって、2-Bの副担任をすることになった。
数学の教科担当だけで良かったんだけどなぁ。
最後に「2月になってからじゃが、オックスフォードを飛び級したサギ君の双子の兄が同じように「飛び級者による教師の可能性」を審議するため、教育実習生として来ることになっておる。ネギ君は優秀じゃから大丈夫とは思うが、なにぶん9歳の子供じゃ。君たちには細かなところのフォローをお願いしたい」と学園長が言って2学期最後の職員会議を締め括った。
結局、ネギは来るみたいだ。学歴詐称の罪を増やして。
☆ ★ ☆
2学期の終業式も終わり、冬休みに入った。
といっても、教師が生徒と同じ冬休みとなるわけもなく、12月30日から1月3日の共通の休暇を挟んで、前後の休みを交代で取るカタチだ。
麻帆良市外に帰省するオレは優先的に休みを選ばせてもらい、終業式から29日までを宿直で詰め、30日から始業式前日までが休みというカタチになった。
海鳴に帰り、ゆったりとした生活を送る。
忍義姉さんやすずかには、エヴァから借りたり写したりした空間系の魔法書や重力制御系の魔法書やらがいいお土産となったみたいだ。
表の仕事の方でどうにも解析できないモノがあるらしく、リニスも交えて3人であーでもない、こーでもないと朝から晩まで話し合っている。量子化技術がどうの、重力制御がどうのと、とてもじゃないが話しについていけない。
お互い置いてけぼりとなったはやてちゃんと苦笑いしきりだ。
はやてちゃんと言えば、歩けるようにもなり、聖祥大附属小学校にすずかと一緒に月村邸から通っているらしい。未だ、八神家の結界は解かれておらず、話し合った結果、何らかの進展が無い限り、小学生の間は月村邸で過ごすことになったらしい。また、封印されてるリンカーコアは、中学卒業時に封印解除するかどうかを決めるらしい。
まぁ、そのことについては、本人が「元から気付いてなかったもんやし、今も特に不自由も感じへんしなぁ」と至ってのんきな感じだ。
むしろ、ノエルさんを師匠に仰ぎ、元々得意だった料理のスキルを日々磨いているらしい。今年のおせちもノエルさん、ファリンさん、はやてちゃんの3人で拵えたということだ。
はやてちゃんに「将来は料理人?」なんて聞くと、「それも楽しそうなんやけど、忍義姉ちゃんに教えてもらってる会社経営なんかも面白そうやしなぁ」と、答えられた。
忍義姉さんに聞くと表の方で色々と新しい事業の構想もあり、本当に信頼できる人が欲しいらしく、たまたま興味を持ったはやてちゃんが適性があり、望むならそう言う方向で手伝ってもらいたいということらしい。
まぁ、元々リーダーシップとか、上に立つ気質はあったのかもね。
裏に関わるつもりもないならそれはそれでいいしね。
もっとも、リニスと何度かやりとりしていたらしく、必要になるかも? と瞑想したり、リハビリ終了後も体力作りをしているようだ。裏に関わらなくても無駄にならないしね、これはこれでいいんだろう、多分。
☆ ★ ☆
1月に入り、麻帆良に戻る前に京都の青山宗家に寄った。
居合わせた神鳴流の若手の人らと手合わせしたりもしたが、その際、ネタ技として格ゲーやテレビゲームの技を再現したら、かなりウケた。
何人かは練習するようなことも言っていたので、次に会うのが楽しみだ。
後、小太郎とも会った。
鶴子さまにかなり鍛えられたらしく、かなり強くなっていた。まぁ、「念」を使えば負けはしなかったが。
悔しがっていたので、若手の人らと話してたノリで、「こんな技はどうだ?」と「流れ星銀」のマンガを買って来て、お年玉変わりに渡した。
小太郎に向いた熱い話しなんで、是非とも読み込んで「絶・天狼抜刀牙」を再現して欲しい。期待してるぜ。
で、本命は穏健派の人達の会合へ顔を出し、麻帆良での調査の報告だ。
と言っても、大まかなことは既に報告してあるんだが、その報告内容が問題となっており、みなさん頭を抱えている。
曰く、近衛門の斡旋したお見合い相手が、表裏問わず、魔法使いの関係者だった。
曰く、魔法に関わらせないために木乃香さんを麻帆良に送ったのにそのつもりはあるのか?
曰く、詠春殿の直弟子で木乃香さんの幼なじみという護衛は本当に仕事を成しているのか?
曰く、優しい大らかな人間性は結構だが、次期長としての適性はどうなのか?
曰く、やっぱり近衛詠春ではダメなんじゃなかろうか。
まぁ、このまま原作通りなら、「英雄」の息子の従者(ミニステル・マギ)になってしまうからなぁ。
そうなると関西呪術協会はもちろん、木乃香さんの立場的にも大変まずい。
なんてことを考えていたら、とにかく引き続き調査を継続することとなったが、護衛云々という話しは無くなった。木乃香さんを次期長として見限る可能性もある上に、強行派の声も大きくなって来ており、オレとぶつかり合うのがマズイと判断されたようだ。
もっとも、一術者として個人的に助けるのはかまわないらしいが。
なお、固い話しが終わり、無礼講な宴会に突入した結果、どこからともなく出て来た木乃香さんとのツーショット写真で散々からかわれたのは思い出したくもない思い出だ。
で、なんでそんな思いまでして宴会までつきあったかと言えば、エヴァンジェリンの呪いの移し替えと反射の為の呪符をもらうためだ。
高レベルの陰陽師による符は滅多に手に入れられないが、今回の会合に顔を出すのを伝手に用意してもらったのだ。
これで、高品質な人形さえあれば、「登校地獄」とエヴァンジェリンが気付いていない「魔力封印」の呪いをどうにかできるはず。
中部魔術協会の幹部連にお伺いを立てたが、エヴァンジェリン自体緊急避難処置としてしか殺人をしていないこと、魔法世界では、ナギ・スプリングフィールドによって退治され賞金首からも抹消されていることになっていること、そもそも時効であること、賞金首などという制度自体現代日本にはないこと、などからエヴァンジェリンを呪いから救うこと自体は問題ないという見解だった。まぁ、ついでに600年を誇るその叡智を分けてもらえるなら申し分ないと言うことらしい。
麻帆良から出れるようになり、条件に折り合いが付けば、中部魔術協会としても解呪に動かなくもないと言うことか。
この辺の条件の摺り合わせはつきあってられないので、本格的な話しになったら、適当に抜けよう。
なお月村の家で、はやてちゃんお薦めサイトとして、「ちうのホームページ」を紹介されたときは、思わず吹いた。
後書き
ホントは帰省前にコミケに参加するネタも考えたけど、千雨が中学2年生でコミケでコスプレするのもなんだかなぁということでボツにした。
8月7日 クラスの数を訂正しました。
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