ヘタリア大帝国
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TURN78 ファーストデートその四
「頑張って欲しいところだ」
「わかったわ。それじゃあね」
「とりあえずあの娘の復活を祈ってそれで伊勢志摩とも話をするか」
「ええ、そっちのことだけれど」
ハンナはダグラスにあらためて伊勢志摩のことを話した、そしてだった。
アステカ帝国との戦いの前の準備を進めていた、だが実際に攻め込むことはまだ先のことになりそうな気配だった。
ランファもふとエルミーにこレーティアのことを尋ねた、中国妹も一緒だ。
「ねえ、総統さんだけれど」
「大丈夫あるか?」
「実は食欲もあまりなくて」
エルミーは困った顔でランファと中国妹に返した。
「心配です」
「だったらこっちで美味しいもの作るわよ」
「料理なら任せるある」
「有り難い申し出ですが」
それでもだというのだ。
「どうも今は」
「中華料理も駄目なの」
「食べられないあるか」
「食事自体が喉を通らないです」
「そうなの。総統さん菜食主義っていうから色々考えてたけれど」
「無理あるか」
「すいません、ベルリンを脱出されてからずっとああで」
虚脱状態のままだった。
「お身体のことも心配ですが」
「どうしたものかしらね、それは」
「このままだと命の危険も」
「はい、私もそれが心配です」
やはりそうだった。
「どうにか立ち直って欲しいです」
「それでだけれど」
ここでランファはこう言ってきた。
「今総統さんに日本帝国の田中さんが寄ってるわよ」
「彼ですか」
ここでエルミーの顔がぴくりと動いた、そのうえでの言葉だ。
「実はそれは」
「あれっ、何か表情が変わったけれど」
「まさかと思うあるが」
「総統閣下は永遠の方です」
エルミーは時系列から話した。
「人類世界に現れた最高の天才です」
「そうね。あれだけの人はね」
「これまでいなかったあるよ」
ランファと中国妹もそうだと言う。
「それにトップアイドルだしね」
「あんな可愛い娘もそういないある」
「そうです。あれだけの方に見合う方は」
エルミーの口調は何処か熱を帯びていた。
「おられません」
「だから田中さんにも?」
「声をかけて欲しくないあるか」
「田中さんは確かにいい方です」
このことはエルミーもお認めることだ。
「一本気で仲間思いです」
「提督として立派だしね」
「何だかんだで有能ある」
「東郷さんの後釜を狙うっていうけれどね」
「それだけの資質は備わっているあるな」
「そうです、ですが」
それでもだと言うエルミーだった。
「あの方は英雄です」
「それも人類史上最大の」
「しかも最高のアイドルあるな」
「そうした方です。田中さんにはj他に相応しい方がおられます」
エルミーの言葉にはさらに熱が入ってきていた。
「総統には誰にも」
「じゃああの人が総統さんに声をかけるのは嫌なのね」
「そうあるか」
「私は断固反対します」
エルミーの目は完全に心酔からくるものだった。
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