ソードアート・オンライン ~生きる少年~
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
序章 僕の選択
第二話 ログアウト不可能!?
前書き
今回は結構長めです。
やっと投稿できる...。
あのすみません。
兄にパソコン取られてました。
さらに明日からまた兄が使うので投稿がちょっと遅くなります。
本当にすみません!
~~~4時間後~~~
只今、大体5時10分というところかな...?
とりあえず友達を探しまわって町の外を3/4周してました。
ちなみに今のレベルは5。
あのあと、何度も出てきたフレンジーボアを倒しまくってたら結構上がってました。
ま、そんなことは置いといて...。
「どこにいるんだ? あいつ...」
町の外の草原で集合て言ってたのに...。
と、そこで、とある二人組が目につく。
一人はまるでド素人、と言っても過言ではないくらい無茶苦茶に剣を振りまわしている。
あ、今フレンジーボアの突進当たった...。
もう一人は...うん。あいつだ。なんか石拾って投げてるけどあいつだ。
そう思った瞬間、ダッシュでそっちに駆けていく。
「動くのは当たり前だ、訓練用のカカシじゃないんだぞ。でも、ちゃんとモーションを起こしてソードスキルを発動させれば、あとはシステムが技を命中させてくれるよ」
うん。この声は間違いなくあいつだ。
「モーション...モーション...」
一緒にいる人がそう呟きながら、曲刀を軽く振る。
ちなみに今の時点で隣の人は、もう半分近くHPが減っている。
まぁ、対するフレンジーボアも結構HP減ってるけどね。
距離が近くなってきたからそろそろ、準備に入るとしようか...。走るのをやめて、こっそり歩きながら、あいつの視界に入らないよう移動する。
「どういえばいいかなぁ...。1,2,3で構えて振りかぶって斬るんじゃなくて、初動でほんの少しためを入れてスキルが立ち上がるのを感じたら、後はこう、ズパーン!て打ち込む感じで...」
あいつって説明下手だな...。何ズパーンて...。
ま、僕も同じように答えるだろうけど!
「ズパーン、てよう」
そういいながら、曲刀を中段に構えた。
そして腰を落とし、右肩に担ぐように剣を持ち上げる。そして規定モーションが確認され、曲刀がオレンジ色の光を放つ。
あれは基本技の《リーパー》か。
「りゃあっ!」太い掛け声と同時になめらかな動きで地面を蹴る。そして《リーパー》が突進に入りかけていたフレンジーボアの首筋に見事命中し、そのHPを削りきった。
「うおっしゃあぁぁぁああ!」
その男が派手に叫びながら喜ぶ。
...さて、そろそろ行こうか、
今、目標は僕の右斜め30mほど先にいる。
...まぁ弱くすれば、まぁオレンジにはならないだろうし。
そして軽く三度ジャンプして、地面に着いた瞬間に走り出す。右に。
そして緩やかな斜線を描きながら、方向転換し、あいつの真後ろ20m。
そして
「キィィィィリィィィィィトォォォォォォォ!」
あいつ...キリトの名前を叫びながら地面を蹴り、そのままドロップキック...
「うおわ!」
避けられた。
そのまま地面に着地し、睨みあい。
「急に何するんだよ、ソラ」
ソラ、それがこのSAO内での僕の名前。
まぁ、名前はβ時から変えてないから問題ないんだけどね。
「いやぁ、4時間探し回って見つかんなかった怒りを晴らそうと...!」
「お前、4時間も探し回ってたの!? 道理で姿が見えないわけだ...」
「だって見つからないんだもん...!」
という感じで言い争いながら気付く。
...あの男の人ついていけなくてボーゼンとしてる。
と、そこでキリトが気付いたのか、
「ええと、クラインは知らなかったな。俺のβテスト時の友人で名前はソラ」
と、紹介してくれたので、
「よろしく」
とクライン(?)さんに言っておく。
「ああ、よろしく。俺はクラインだ」
さらにクラインさんの自己紹介。
...ふむ...。 この人は姿はともかく、いい人だっ!
...まぁ、頭に趣味が良いと言えないバンダナつけてるからなぁ...。
と、勝手にステータス画面のようなものが開く。
『以下のプレイヤーからフレンド申請を受けています
kirito y/n
kurain y/n
』
どうやらキリトとクラインさんがフレンド申請をしてくれたようだ。
勿論両方にyのほうを押す。
そして、
『フレンド申請が受理されました』
3人の画面にそう出る。
フレンドの利点は、いつでも相手にメッセージを送れる事である。
これ結構大切なので、僕は基本、オンラインゲームで結構仲良くなった人には絶対フレンド申請をしている。
「...っと、そろそろ落ちて飯食わねえと。ピザの宅配5時半に指定してるからよ」
視界の右隅にある、時計を見てクラインさんが言う。
「「準備万端だなぁ...」」
僕とキリトの声がハモる。
「あ、んで、俺そのあと、ほかのゲームで知り合ったやつらと《始まりの町》で待ち合わせしてんだよな。紹介すっから、あいつらともフレンド登録しねえか? いつでもメッセージ飛ばせて便利だしよ」
「え、う~ん...」
その言葉にキリトが口ごもる。
はっきり言うと、僕も多分同じ気持ちだ。
恐らく、キリトは、このクラインさんとは仲良くやれてるが、おのクラインさんの知り合いと仲良くできる自信がない、というところだろう。
...まぁ、僕は少なくともそうだけど。
と、そこで、僕らが黙った理由を悟ったのだろう、すぐに首を振った。
「いや、二人とも、勿論無理にとは言わねえよ。そのうち、また紹介する機会もあるだろうしな」
「ああ、悪いなありがとう」
「うん、ごめん。ありがとう」
僕とキリトが誤ると、クラインさんはもう一度、派手に首を振った。
「おいおい、キリト、礼を言うのはこっちの方だぜ!おめえのおかげですっげぇ助かったよ。この礼は、そのうちちゃんとすっからな。精神的に」
にかっ、と笑い、もう一度時計を見るクラインさん。
「...ほんじゃ、おりゃ、ここで、一度落ちるわ。まじ、サンキューな。キリト、ソラこれからよろしくな」
つきだされた右手を、キリトが一度握り、そのあと、僕の前に差し出される。
...きっと、ほかのゲームの時、かなりいいリーダーだったんだろうなぁ...。
僕はその手を握りながら、「よろしく」と返す。
「まぁ、こっちこそよろしくな。また聞きたいことがあったらいつでもメッセージくれよ」
「おう、頼りにしてるぜ。二人とも、いつか一緒にダンジョン行こうぜ」
「うん。じゃあ、それを楽しみにしとくよ」
キリト、クラインさん、僕の順で言葉を発して、クラインさんが一歩さがり、右手の人差指と中指を合わせて真下に振る。ゲームのメインメニュー画面を呼び出すためのアクションだ。
そしてキリトも数歩下がってそこにあった手頃な岩に腰をかけ、同じくメインメニューを呼び出した。
おそらくこれまでの戦闘でドロップしたアイテムを整理しようとしているのだろう。
ちなみに僕は別に呼び出す必要がないので、普通に立っているだけ。
その時、
「あれ?」
クラインさんの声が響いた。
「何だこりゃ。...ログアウトボタンがねぇよ」
「ボタンがない、って...そんなわけないだろ。よく見てみろよ」
キリトがそう返す。
まぁ、普通に考えればそうなんだけど、僕もちょっと嫌な予感がしたので、自分のメインメニュー画面を呼び出す。
そして左側のいくつかの項目の中の、一番下、本来《LOG OUT》のボタンがあるところを見る。
...そこには何もなかった。
「ほんとだ...ない ...」
「ほら、ソラもねえってよ」
「んな、バカな...」
そう言いながらキリトも少し焦りながら、やっと整理が終わったようで、左上の、トップ画面に戻るためのボタンがある場所をタップしている。
そして、キリトは、どんどんメニューをスクロールしていき...
少しの間、目を見開いていた。
恐らく、ないことがわかったのだろう。
そして、数十秒後、キリトが視線を上げた。
「...ねぇだろ?」
クラインさんがキリトに言う。
「うん、ない」
キリトが正直にうなづく。
するとクラインさんはにまっと頬を釣り上げ、顎をなでた。
「ま、今日はゲームの公式サービス初日だかんな。こんなバグも出るだろ。今頃GMコールが殺到して、運営は半泣きだろうなぁ」
「まぁ、それもそうだけど...クラインさん、いいの?さっき五時半にピザの宅配頼んだって...」
僕が疑問に思ってたことを呟くと、キリトがうんうん、とうなづく。
「うお、そうだった!!」
目を丸くして飛び上がるその姿に少し吹き出しそうになるがこらえる。
そしてキリトが立ち上がり、やべえオレ様のアンチョビピッツァとジンジャーエールがぁぁああ! とか叫んでいるクラインさんの傍に歩み寄った。
「とりあえずGMコールしてみろよ。システム側で落としてくれるかもよ?」
キリトが助言する。
しかし、
「試したけど、反応がねぇんだよな...。ああっ!もう5時25分じゃん!二人とも、ほかにログアウトする方法ってなかったっけ?」
...知らない。
少なくとも、僕は、そんな方法は知らない。
ログアウトするならメニュー画面の右一番下のログアウトボタンをタップし、確認のダイアログにyのボタンを押せばいい。
それが常識だったし、ほかのログアウト方法など、どこにも書かれてなかった。
まぁ、自分の意志では、だけど。
「無いよ、クラインさん。自発的にログアウトするには、なくなっているログアウトのボタンを押すしかない」
「俺も同じだ」
僕の意見にキリトが乗っかる。
キリトは間違いなく、一番やりこんでるし、こういうのを一番知ってるかもしれない人だろう。
そのキリトが知らないってことは...
「んなバカな...ぜってぇ何かあるって!」
僕とキリトの言葉を拒否するようにわめき、クラインさんは突然大声をだした。
「戻れ! ログアウト! 脱出!」
...当然何も起こらない。SAOにはそういうボイスコマンドは実装されていない。
それでも、あれこれ唱え、しまいにはぴょんぴょんジャンプし始めたクラインさんに向かって、キリトが話しかけた。
「無駄だ。クライン。マニュアルにもその手の緊急切断方法は一切載っていなかった」
「でもよ...だって馬鹿げてるだろ! いくらバグだって、自分の部屋に...自分の体に自分の意志で戻れないなんてよ!」
くるりと振り向き、茫然とした顔でクラインさんが叫ぶ。
それはぼくも同感だ。
やっぱり、おかしい。
「おいおい、ウソだろ、信じらんねえよ。今、ゲームから出られないんだぜ!俺たち!」
わははは、とやや切迫した響きのある笑い声をあげ、クラインさんが早口で続けた。
「そうだ。マシンの電源を切りゃいいんだ。それか、頭から《ギア》を引っぺがすか」
ここにはない、現実の《ギア》を取ろうとしているのだろう、額に手を触れるクラインさんに僕は静かに言った。
「できないよ。どっちも...。僕たちは今、生身の...現実の体は動かせないんだ。《ナーヴギア》が、僕たちの脳から体に向かって出力される命令を、全部ここで...」
そこで一旦止め、自分の指先で、後頭部のした、延髄の部分をとん、と叩く。
「...インタラプトして、このアバターを動かす信号に変換しているんだから...」
クラインさんが押し黙り、のろのろと手を下ろした。
「...じゃあ、結局のところ、このバグが直るか、向こうで誰かが頭からギアをはずしてくれるまで待つしかねえってことかよ」
茫然とした感じでクラインさんが呟く。
僕はこくり、と頷いた。
「でもオレ、一人暮らしだぜ? 二人は?」
「僕も一人暮らしだよ...」
「母親と妹と3人。だから夕飯になっても降りてこなかったら、強制的にダイブ解除されると思うんだけど...」
と、そこでクラインさんが反応した。
「おおっ!キリトの妹さんて幾つ?」
「あのなぁ、あいつ、運動部だし、ゲーム好きじゃないし、俺らみたいな人種とは接点皆無だぞ。...んなことよりさ」
そしてキリトが右手を広げた。
「なんか...変だと思わないか?」
「そりゃ変だろさ、バグってんだもんよ」
「ただのバグじゃない。《ログアウト不能》なんて今後のゲーム運営にかかわる大問題だよ。実際こうしている間にも、クラインが頼んだピザは刻一刻と冷めつつあるし、それは現実問題での金銭的損害だろ?」
「...冷めたピッツァなんて粘らない納豆以下だぜ...」
うん、とりあえず、少しわかった。
普通、この状態なら...
そしてキリトが続ける。
「この状況なら運営サイドは何はともあれ一度サーバーを停止させ、プレイヤーを全員強制ログアウトさせるのが当然の措置だ。なのに...俺たちがこのバグに気付いてからもう15分は立ってるのに、切断されるどころか、運営のアナウンスすらないのは奇妙すぎる」
「む、確かにそうだな」
キリトの言葉にクラインさんが同意する。
確かにそうだ。
なのになぜ...?
そしてクラインさんが話を続ける。
「確か《アーガス》って言やぁ、ユーザー重視の姿勢で名前を売ってきたゲーム会社だろ。その信用があっから、初めてリリースするネットゲームでもあんなに争奪戦になったんだ。なのに、初日からそんなポカやってちゃ意味ないぜ」
「全く同意する。それに、SAOはVRMMOの先駆者でもあるしな。ここで問題起こしたら、ジャンルそのものが規制されかねないよ」
「だよね~」
そして3人で仮想の顔を見合わせ、同時に低く息を吐いた。
後書き
ふう...
感想、アドバイス、その他もろもろ、よろしくお願いします!
ページ上へ戻る