IS《インフィニット・ストラトス》 ~死神の序曲~
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本編
教員の実力『後』
前書き
更新が一週間も遅れてしまい申し訳ありません。
ちょうどテストなどがあり書く時間が少ししか取れなくてちまちま書いていたら普段の二倍以上時間がかかってしまいました…。
少しずつ書いたのでおかしいところもあるかと思いますが気にしないで頂けると…。
今回の話では意外なあの子が出てきたり伏線が少し立ちます。
ではどうぞ!
~レイside~
…ちょっとヤバイかな~…。
みんなの視線が痛いよ…。
僕はみんなの視線に晒されながら言い訳する。
「山田先生がセシリアさん達に勝って、油断していたのもあって虚をつけたから何とか勝てたよ~」
……みんなの目線がまだ見抜いてくる……。
特に転校生二人の目線が痛いなぁ…。
僕がそう色々と考えていると織斑先生がずいっと前に出てきた。
「まあ長岡の言っている通り、山田先生は事もあろうに油断していたというのもあるが、勝てたのは空戦エネルギーをうまく使っていたからだ。まあ最初に虚をついて上昇したのも空戦エネルギーを少しでも得ようとしていたからだろう。長岡、違うか?」
「いえ、その説明で大丈夫です。山田先生に打鉄で勝つにはどうしたら良いか考えたらこれが一番早く比較的手間のかからない方法でしたので」
織斑先生が説明してくれたので目線が弱まった。
やっぱりブリュンヒルデの名はだてじゃないにゃ~♪
「あのさ、ちょっと良いか怜?」
「何かな一夏?」
一夏が悩んでいる顔で尋ねてきた。
何か不明瞭な所あったかな?
「空戦エネルギーって何だ?」
「あ、そうか分からないよね。代表候補生とかなら別だけど」
「それならば私が説明しよう」
その一夏の分からない発言を受けて、みんなに織斑先生が説明し始めた。
「最初に聞いておこう。空戦エネルギーという言葉を知っているやつは手を上げろ」
それを聞いて約三分の一の生徒が手を上げる。
「ふむ、一般に空戦では上を取ったもの、速度が速いものが有利になるという概念だ。まあ戦闘機等のドッグファイト時などによく使われる。ここまでは分かるか?」
大体みんな分かっていたが一夏がまた手を上げる。
「何だ織斑?」
「えっと、大体速いものとかが有利なのは分かるんだけど、高いものが有利っていうのがよく分からないです」
一夏がそういうと織斑先生がそのことについて説明する。
「纏めて解説しよう。速度と高度を足したものが空戦エネルギーで、それはあらゆる機動をするたびに速度や高度が落ちることで消費される。速度があれば一撃離脱戦法が可能だし、上を取れば太陽を背にしたり、重力の恩恵を受けられるというわけだ。つまり、空戦エネルギーが多ければ攻撃でも回避でも有利だが少なければどちらもままならないという話だ」
そこまで話して一旦織斑先生が一夏の顔を見ている。
一夏はまだ分かってなさそうな顔してる…。
あ、織斑先生がため息ついた。
「まだ分からないやつがいるみたいだし噛み砕いて空戦エネルギーの有効性を説明してやろう。先程の長岡の戦いを思い出せ。長岡は開始直後に即座に上昇し、速度を上げ、山田先生を突き放して上昇していたな?対して山田先生は射撃して長岡の上昇を邪魔しようとしている為に速度があまり出なかった上に常に長岡に上を取られていた。この状況を鑑みるに空戦エネルギーは長岡が山田先生に対して大きくリードしていることは分かるな?」
そう織斑先生が尋ねるとみんなは頷く。
「そしてその状況下で、長岡はある程度上昇したところで即座に反転、太陽を背にして両手のアサルトライフルを制射しながら急降下して攻撃した。その時に山田先生は長岡を迎撃しようとアサルトライフルを構えたが太陽を背にしているためにセンサーに太陽光が反射する状況に陥り、ロックオン出来ずに対応が遅れた。そして長岡は重力の恩恵を受け攻撃速度が増して、それに伴い威力も上がっていた。その大威力の急降下攻撃を食らって山田先生は撃墜されたというわけだ。」
織斑先生が話し終えたが一夏は何か納得のいっていない顔だった。
一夏がまた手を上げる。
織斑先生はそれを見て溜め息をつきながら一夏を指名する。
「はぁ、どうした?まだ疑問があるのか織斑」
「はい。えっと、専用機の話になるけど戦いで今回の戦いだけで今まで空戦エネルギーを考慮して戦ってなかったと思うんですが……それに俺も…」
それを聞き、織斑先生が溜め息で返す。
仕方がないので僕が説明を受け継いで話す。
「…一夏…、少しは考えて分からないかな?まあ空戦エネルギーをうまく使った方が有利っていう面もあるけど相手との相性や機体の特性によって変わってくるの」
「そういうもんか。ありがとうな怜」
「少しは自分で考えてね」
「…うっ、肝に命じます…」
僕たちのやり取りを見て織斑先生は授業を再開した。
専用機乗りが訓練機に乗る他の生徒を手助けするということが言われた。
僕は故障中 ( 嘘だけど ) ということもあり、メンテナンスに出す手続きをしてくると言って授業からトンズラした。
まあ当然故障なんかしてないけどそうでも行っておかないと面倒くさい作業をさせられると思ったからだ。
そして僕は自室に帰り、束のラボに回線を開いた。
~レイsideout~
~クロエside~
私の名前はクロエ・クロニクル。
束様に拾われ束様と主様の為だけに存在している。
今日は珍しく束様が外出なさっているのでラボの道具の整備や片づけなどをしていた。
そうしているとラボに通信が入ったことをつげるアラームが鳴ったので束様かと思い即座に出ると、束様ではなく主様だった。
「お久しぶりだねクロちゃん♪元気にしてる?」
「はい、主様もお元気そうでなりよりです」
私がそう挨拶を返すと主様が少し顔を歪めた。
「もう!クロちゃん、主様じゃなくてお兄ちゃんって呼んでっていったじゃん!」
「主様にそんな恐れ多いことできません。どうかお許しを」
お兄ちゃんなんて恐れ多いこと言えるわけなく、頭を下げて許しを請う。
「いや、怒ってるわけじゃないからそんなに悲しそうな顔をしないでよ」
「はい、申し訳ありません」
私がそう返すと「…堅いな~、あい変わらず…」と主様はポツリと呟く。
私は主様が喋り出すのを大人しく待っていると主様がふと何かに気づいたような顔をして尋ねてきた。
「あれ?髪止め変わってるね?前は束があげた白兎さんの髪止めだったのに黒兎さんの髪止めに」
「はい、束様から新しくプレゼントして頂きました。前のも大切に取ってあります」
主様がそれに気付いてくれた、そう思うと少しにやけてしまった。
慌てて元に戻したが主様はバッチリ見ていたようで、少し笑っていた。
「クロちゃんも大分慣れてきたみたいで良かったよ。前はずっと仏頂面だったから少し心配してたんだよ?」
「心配をおかけして申し訳ありませんでした」
「だからそうじゃなくって~!」
私は捨てられた存在。
だから感情は捨て去った。
そう割りきっていた筈ですが、束様や主様と話すと私は少し感情が溢れてくる。
捨て去った筈の感情ですが、束様や主様からその感情を思い出させてくれるとなると心の中が満たされてくるような変な感情に見舞われます。
決して嫌な感じではないこの感覚は何なんでしょうか?
そう考えながら主様と雑談に興じていたら主様が「さて、クロちゃんと話しているのは楽しいけどいい加減に本題に入ろうかな」とおっしゃったので気分を切り換える。
「クロちゃんにお願いなんだけど、束にコアの準備を急ぐように言っておいて。少なくとも夏休み前くらいが良いかな?」
コア。
その単語を聞いた私は顔をしかめそうになったが表情を崩さないようにそのまま対応する。
「ダークネスはまだ早いのではないかと思われますが?」
「まあ保険だよ。何かあったら困るからさ。いつでも使えるようにしておきたいんだ」
「…分かりました。お伝えしておきます」
「ありがとうねクロちゃん」
「いえ、お礼を言われることではございません」
私はそう言いきる。
正直に言うとコアを使うのは私は反対したい。
だが、主様の意向なので反対はしない。
主様が悩み抜いて考え出した結果に導き出されたのがダークネス。
そしてそれに必要不可欠なのがコアだ。
この計画はもう止まらない。
なら私は主様を後押しするだけだ。
「それはそうと今日ね、ラーちゃんが転校してきたよ」
「…っ!……そう…ですか……」
私はそれを聞いて顔を歪ませる。
「クロちゃん、ラーちゃん……妹に会いたい?」
「私は失敗作で彼女は成功作です。妹などではありません」
「んっ、そうか」
それだけ聞くと主様は話をやめる。
「用件は他にありますでしょうか?」
「ん~、ないよ。じゃあお願いね。またねクロちゃん!」
「はい、それでは失礼します」
そう言って通信が切れる。
その数分後に束様が帰ってきて主様と話せなかったことをとても残念がっていたのは別の話です。
~クロエsideout~
後書き
さて前話や前々話で募集したレイくんや一夏達に対する疑問や質問やアンケートのことなのですが、まだ少ししか集まっておりません。
水曜日まで待っているのでメッセージや感想欄にて受け付けていますのでドシドシお送りください!
待ってます。
そしてアンケートの内容を忘れている方もいらっしゃると思うのでもう一度乗せます。
デスサイズ以外に一機、敵の機体を出す予定なのですが、どの機体を出してほしいかということをアンケートで募集します。
ただしガンダム以外のモビルスーツでも構いませんがガンダムWで登場する機体に限らせて頂きます。
因みにWであればEWやデュアルストーリーで登場した機体でも構いません。
では今回はこの辺で。
再見♪
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