DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)
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第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
第39話:大事に育てれば良いってもんじゃないッス
前書き
またも炸裂!
リューノの秘技“完全不意打ちツンデレ拳”が……
誰が餌食になるのか!?
もしやパピィか?
(海上)
リューノSIDE
最初のうちは叫き散らしてたマーニャだったが、時が経つにつれ涙声になり、何時しか本泣きし初め、お父さんとミネアに抱き寄せられ眠ってしまった。
私も我が儘な方だが、これは何なのだろうか?
一時的ではあるのだが騒ぎが収まった為、お父さんとミネア……そして激怒→驚愕→混乱→悲哀と忙しかったマーニャを残し、私達ギャラリーも各々お父さんの部屋から散って行く。
しかし、あの3人だけを残し解散しても良いのだろうか?
「ねぇウルフ……マーニャが目を覚ましたら、また騒ぎになるんじゃないの?」
「う~ん……騒ぐだろうけど、さっき程の騒ぎにはならないと思うよ」
どういうことだろう?
さっきの騒ぎでは何も解決してないこの状況……同じ事の繰り返しな気がするのだけど……
「マーニャさんも馬鹿じゃない。突然愛する妹の濡れ場を目撃してしまい、我を忘れて騒ぎ出したけど、冷静に考える事が出来ればミネアさんの自由意思を尊重し大人な話し合いを行えると思う」
なるほど……ミネアの自由意思かぁ……私がウルフに迫ったのと同じ事よね!?
「それにリュカさんが居るから……今日のディナー前には、彼女も処女じゃなくなってるよ!」
「あぁなるほど……師匠も弟子と同じく、姉妹どんぶりを堪能するって事ね!」
私は自分が凄い事を言っている自覚はあるのだが、それでもウルフの反応を知りたくて彼の顔を覗き込んでしまう。
「し、師匠の方が純度は高い! あちらは両親共に同じ人だからね!」
簡単にやりこまれないのがウルフ……
顔を赤くしながらも、私の攻勢に反撃してくる。きっと私の顔も真っ赤だろう……
「何つー会話をしてるんですか!?」
突如後ろから話しかけられ、私とウルフは慌てて振り返る!
そこには呆れ顔のシンが……
「げぇ! シ、シン君……い、何時からそこにいらっしゃいましたか?」
「ずっと居ましたよ。リュカさんの部屋から離れる二人の後に付いてきたんですから……つか、騒ぎが起きて以来ずっとウルフさんの後ろに付いてたんですよ俺!」
やばい……私とウルフの関係が、マリーに打ち明ける前にバレてしまったわ!
シンの奴を脅して口封じをしないと……
ど、どうすれば……どうしたら良いの……?
「……うりゃ!」(ゲシッ!)「ぐはぁ!!」
困った私は、シンの鳩尾に正拳突きを喰らわした!
不意打ちの効果は絶大だった為、その場で蹲り身悶えるシン。
「な、何やってんだリューノ!?」
「だ、だって……他人に喋られる前に口封じをしないと!」
「お、俺を殺す気か……!?」
「こ、殺しはしないわ……多少痛めつけて私達の事を言いふらさない様に脅すの! ほら、ウルフも!」
「こ、怖~よこの女!」
蹲り涙目で私達を見上げながら、事の不条理さを叫ぶシン。
「リュ、リューノ……大丈夫だから! シン君はアネイルの時から気付いていたから……今更噂を広めたりはしないって!」
「え゛……まぢ!?」
私は驚きの事実に、ウルフとシンを交互に見て尋ねる。
「リューノちゃんの態度があからさま過ぎて、他の皆さんに悟られないかが心配でしたよ!」
「いやだン……シンちゃんてば気配り上手! ごめ~んね♡」
私はマリーが良くやる様に、自らの頭を“コツン”と叩き、テヘぺろウインクで可愛く誤魔化す。
「可愛くねーよチキショウ……」
「何だとこの野郎!?」
だが鳩尾付近を擦りながら立ち上がったシンは、怒りも露わに暴言を吐く……この子がこんな事を言うなんて、相当ご立腹ね!
「まぁまぁまぁ……俺もシン君がこんなに察しが良いとは思わなかったし……俺達の知る『天空の勇者』は色恋事に疎いボウヤだから、彼と君を重ねて理解していたんだよ」
「どんな男だよ其奴は……?」
兄の事を少し悪く言われ、ちょっとだけイラッとくる私……
意外に私は家族が大好きなのだよ!
リューノSIDE END
(海上)
トルネコSIDE
朝一からの騒動が収束し、太陽が真上を通過した頃……
一人の男性と、二人の女性がそれぞれ異なった表情で甲板に登場する。
勿論、誰の事か説明は不要だろう。
大人しそうに思っていたミネアさんが、スッキリとした大人の顔で笑顔のリュカさんと腕を組んでいる。
余っているもう一本の腕には、難しい顔のマーニャさんが抱き付き溜息を吐いている。
心なしか彼女も大人になった様に見受けられる……
「どうでしたかリュカさん、姉妹どんぶりの感想は? モテる男は大変でスカラねぇ……」「うるせー馬鹿ウルフ! あっち行ってろアホ!」
ニヤニヤ近付くウルフさんに、勢いよく蹴りを入れるマーニャさん。
あの女性の性格からして、あんな事を言えば手痛い目に遭うのは当然だろうに……
「自ら『弟子』と公言するだけあって、リュカの奴にやり口が似ておる……あの“語尾スカラ”がのぉ」
呆れ状態の私に話しかけてきたのは、冒険当初からリュカさんと行動を共にしてきたブライさんでした。
やはり彼らはリュカさんの事を熟知しているのでしょうか? 出会って日の浅い私には、まだ理解するには難しい人だ……
「ブライさん……リュカさんとはどの様な方なのですか?」
私の計画には彼の財力が必要不可欠……
少しでも為人を理解し、心の隙間に入り込める様考えているのだが……ブライさんの表情が硬い。
「ウルフから聞いたのじゃが……お前さん、奴を取り込もうと考えてるんじゃってなぁ」
「いや、『取り込む』なんて人聞きの悪い……世界一の武器屋になるのが私の夢。大物とは仲良くしておきたいと思っているだけですよぉ~……」
ちっ……ウルフさんの横槍が入っていたか!
リュカさんの耳に入ってると、私を信頼させるのが大変だ……
「どっちにしろ止めておいた方が良い。アイツが大物だとは思えないし……間違って大物だとしても、旨味より苦労の方が大きくなる輩じゃて」
“旨味より苦労が大きくなる”? 美少女な娘さん達と、うちのポポロを結婚させる事が、苦労の原因だと思えないが……
なおもブライさんに話を聞こうと思ったのだが、溜息と共に立ち去ってしまいこれ以上尋ねる事が出来ませんでした。
甲板に置いてある樽の上で胡座で座っているリュカさんを眺め、対応に困っている私が居る。
ウルフさんとの事もありますし、間違いは許されないですからねぇ!
トルネコSIDE END
後書き
当分船の上での物語が続きます。
ですがご安心下さい。
ピンク色も用意してますので、それなりに楽しめると思いますよ。
あ、前話もピンクっぽかったですが、アレよりも綺麗なピンクですよ!
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