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ヘタリア大帝国

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TURN77 虚脱状態その九

「今は何をしても」
「無反応なままか」
「正直手がありません」
 ユーリもこう言う程だった。
「自害の素振りこそはありませんが」
「ああ、それはないな」
 東郷はレーティアは自殺はしないと見ている。
「絶対にな」
「そういうことされる方ではありませんね」
「ああ、それはない」
 レーティアの性格としてそれは、というのだ。
「安心していい、しかしな」
「それでもあのままですと」
「誰にとってもよくない」
 無論枢軸にとってもだ。
「一刻も早い復活が必要だが」
「とにかくきっかけがありません」
「どうしたものだろうな」
 東郷もこう言う程だった、今のレーティアは。
「きっかけさえあれば」
「全くですね」
「それで統領さん達はどうなったんだ?」
 東郷はピザとリードを持って行ったムッチリーニ達の今を尋ねた。
「断られたのはわかったが」
「はい、今はご自身達で召し上がられています」
「ピザをだな」
「はい、そうされています」
 食べることを断られても食材を捨てる訳にはいかない、それでだった。
「ただ。あまり喜ばしい感じではありません」
「そうだろうな。折角と想ったからな」
「そうなりますね」
「生きていればだ」
  東郷はこれが絶対条件だと言う。
「そこから全てがはじまるからな」
「そういうことですね」
「さて、そろそろアステカ帝国との開戦だ」
 この時も迫ってきていた。
「その時までに戻って来てくれているか」
「無理ではないでしょうか」
 ユーリは深刻な顔で答えた。
「それも」
「そうかもな。アステカ帝国はな」
「本当によくわかっていない国ですね」
「こう言っては何だが未開の国だ」 
「未開ですか」
「人類もいるがよくわからない種族と混在している」
「あのハニー族ですか」
 彼等のことはユーリも聞いている。
「明石大佐の報告書にありましたね」
「あの連中がよくわからない」
「確かに。報告書を見ても」
「ビームには強くすぐに割れて瞬時に復活する」
「本当によくわからない種族です」
「だがビームには強いが」 
 それでもだった。
「他の攻撃には普通の強さだ」
「ミサイルや鉄鋼弾には」
「それに空母にもな」
 つまりj艦載機である。
「普通らしい。それならだ」
「ビーム攻撃さえ防げばいいですね」
「バリアもいるな。だがそれ以上に」
「それ以上とは」
「空母だ、艦載機で攻める」
 これが東郷の考えている戦術だった。
「それに鉄鋼弾だな」
「日本軍の得意とする二つの攻撃をここでも」
「使うとしよう。まずはメキシコ、キューバを攻め」
 そしてだった。
「南米に入るか」
「敵の本拠地はアマゾンですね」
「宇宙怪獣も多い、注意していこう」
「あの種族だけではないですからね」
「あの辺りは宇宙怪獣の巣だ」
 そうした意味でもアステカ帝国は危険だった、まさに秘境なのだ。 
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