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ヘタリア大帝国

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TURN77 虚脱状態その七

「優秀なだけではなくね」
「忠誠心の塊ですね」
「ずっとレーティアの傍にいて献身的に支えているわ」
「見ていて倒れないかと思いますがね」 
 それだけエルミーの献身は凄いものなのだ、レーティアの傍につきっきりでそのうえで必死に世話をしているのだ。
 ロンメルもその彼女を見てこう言う。
「けれどあの娘は」
「自分のことはどうでもいいと思っているわ」
「あの娘に全てを捧げていますね」
「まさにそうよ」
 その忠義は絶対のものだというのだ。
「それでずっと思っていたけれど」
「あの娘の後継者にはですね」
「あの娘がいいと思うわ」
 こうロンメルに述べる。
「あの娘の後継者にはあの娘よ」
「俺もそう思います。おそらくあの娘もそう言われるでしょう」
 レーティア自身もだというのだ。
「ドクツの次の総統には」
「あの娘よ、きっとやってくれるわ」
「はい、必ず」
「けれどその為にはね」
 グレシアがレーティアの後継者になる、その為にはというのだ。
「あの娘自身がどうにかなってくれないと」
「何もはじまりませんね」
「ええ、そう思うわ」
 グレシアは切実な顔を見せていた、彼等にとってはレーティアは今もドクツそのものだった。しかし復活はまだだった。
 ロマーノもイタリアと共にムッチリーニにこう言っていた、三人でムッチリーニの作ったスパゲティを食べながら言うのだった。
「なあ統領さんよ」
「レーティアちゃんのことね」
「ああ、あの娘どうなんだよ」
「正直まだまだね」
 これがムッチリーニの返答だった。
「というか全然よ」
「立ち直れてないんだな」
「その徴候さえないのよ」
 困った顔でロマーノに返す。
「私も早くレーティアちゃんに復活して欲しいけれど」
「デートに誘っても乗ってくれないんだよ」
 イタリアも難しい顔で言う。
「全然に」
「テーマパークに誘ってもね」
 ムッチリーニはそちらだった。
「取り付く島もない感じで」
「おい、そりゃ本当にまずいな」
「ロマーノちゃんからも何か言ってくれない?」
「俺もか」
「うん、あの娘を誘ってあげてね」
「そうだな、俺はな」
 どうかとだ。ロマーノはここでこうムッチリーニに返した。
「ピザを焼こうか」
「それをご馳走するのね」
「ああ、ジャガイモ野郎共は気に入らないけれどな」
 ドイツにプロイセンはというのだ。
「けれどそれでもな」
「ピザ焼いてくれる?」
「ああ、何枚焼けばいいんだ?」
「とりあえずレーティアちゃんが食べるだけね」
 量は焼くまでわからないというのだ。
「けれどそれでもね」
「多く必要なんだな」
「そう、お願い出来るかしら」
「わかったぜ、あの人菜食主義だったよな」
「完全なね」
「じゃあ肉とか野菜を入れないでな」
 レーティアが菜食主義者であることを確認したうえでだった。
「焼くからな」
「私も手伝うから」
 ムッチリーニも名乗り出る。
「一緒に焼こうね」
「悪いな、そうしてくれて」
「だってレーティアちゃんは私のお友達だから」
 こう考えているのがムッチリーニだ。 
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