ヘタリア大帝国
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TURN77 虚脱状態その二
「戦いは変わりました」
「では守ることを宣言してそのうえで」
「対決することを全銀河に見せるのです」
「その為に我々はこの場に来て」
「はい」
そしてだというのだ。
「宣言して頂くのです」
「話はわかったわ。それで宣言する国だけれど
ハンナはクールな態度で宇垣に問うた。
「日本帝国ね、まずは」
「僭越ながら」
「そして我が国ね」
ハンナは自分達のことも話に出した。
「中帝国に」
「僕達もあるな」
中国が応える。
「これで三国ある」
「そして我が国ですね」
シャルロットも言う。
「四国に。それに」
「あの、ひょっとして」
「俺達もか」
ムッチリーニとドイツが同時に声をあげた。
「いいの?居候なのに」
「その宣言する国に加わろうとも」
「是非お願いします」
これが宇垣の彼等への返答だった。
「亡命政府になりますが」
「ううん、だったらね」
ムッチリーニはこれで納得した。だが、だった。
ドクツは難しい顔でこう宇垣に述べた。
「だが我が国は」
「レーティア総統ですか」
「あの方がおられると言っても誰も信じない」
殆どの誰もがベルリンで自害したと思っている、死体は見付かっていないがそれでもなのだ。
「それでもいいのか」
「向こうがどう思っていようと構いません」
宇垣はそのこともわかったうえでだった。
「こちらに総統がおられるのは事実ですから」
「だからいいのか」
「事実はやがて明らかになるものです」
「天と人は見ているか」
「その通りです」
「だから我が国もか」
ドイツは宇垣が言うことを理解した、そういうことだったのだ。
だがここでだ、ドイツは難しい顔でこう言った。
「しかしだ」
「総統は大丈夫なのか?」
「健康だが」
こうアメリカに答えるドイツだった。
「精神状態がな」
「それだな」
アメリカも話を聞いて理解した、問題はそれだった。
そのことを話してだった、さらに。
ドイツは一同にこのことも話した。
「宣伝相が本来ここに来る筈だったが」
「総統のお傍におられるのですね」
「だから来られなかった」
日本にも話す。
「残念なことだがな」
「仕方がありませんね」
「どうにかなって欲しいですね」
シャルロットの言葉も切実だ。
「あの方が立ち直られると」
「はい、枢軸にとって人類にとって」
宇垣はレーティアファンとしても願っていた、言葉にそれが出ている。
「計り知れない恵みになります」
「私もそう思います、是非にと思うのですが」
「正直今の状況じゃ難しいよな」
フランスも残念そうに言う。
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