ソードアート・オンライン~黒の妖精~
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
4
前書き
今回は短いです
「っ!」
その光景は酷い物だった。
ボスに次々と攻撃を与えられ、HPを減少させていく軍の人たち。
「ダメよ…もうダメ…!」
アスナさんが物凄い早さでボスモンスターの元へ駆けていき、攻撃を喰らわせる。その一撃で、ターゲットは完全にアスナさんに移り変わり、アスナさんがほぼすべての攻撃を受ける。
「どうなでもなりやがれ!!」
クラインさん達風林火山もアスナさんに続きボスの元へ走っていった。
「ぐるぉぉぉお!!!」
ボスが大きな叫びをあげて、アスナさんに攻撃を喰らわせようとする。
でもそれは、兄の剣によって防がれた。
「っキリア!使え!俺も使うから!!」
兄が大きな声で私に言ってきた。
ーー結局バレることになるらしいーー。
「…折角…隠し通せたと思ったのになぁ…でも…試し切りには丁度良さそうだね? さっさと…燃え尽きろよ」
ニィッと口角を釣り上げ、私は背中の両手剣ーーオーダーメイドでかなり軽いーーを抜く。
「さ…てと…」
私の ユニークスキル を発動させる。
「逝けぇぇぇ!!」
足に力を込め、高く跳躍して。空中でソードスキルを発動し、大きく振りかぶった。
私のユニークスキルは、「高速斬撃」。
簡単に説明すると、
斬撃1回につき、斬撃10回分のダメージを与えられる、というもの。
本当はもっと複雑らしいんだけど、私はそこまで解らない。兄なら別かもだけど。
ソードスキルは2連撃。
兄は16連撃だから、私はその4回多い20連撃に等しいダメージを与えられることになる。
正直言ってこれは兄よりチートだと思う。
「はああああ!!!っ」
一撃。二撃。
この二回で、ボスのHPバーが一本分減った。
続いて兄が二刀流を装備し、攻撃を始める。
「らああああああ!!!」
1,2,3,4・・・・・。
早すぎて目に見えないけど、ダメージ値は私より下だな。
まああれはスターバースト・ストリーム・・・上位ソードスキルで最上位ソードスキルじゃないもんね。
14,15,・・・・16!
丁度、HPバーが二本目をきった。
兄はしばらくの硬直。
私は三連撃ソードスキルを発動し、同時に高速斬撃も発動。
「消えろぉぉおお!!!!」
私はボスモンスターにソードスキルを打ち込む。
あと五割。 三割・・・・数ドット・・・・・!!!
自分のHPが減っていることも気付かず、私は最後の一撃を放つ。
ボスモンスターの巨体が青い光に包まれた。
瞬間で、無数のポリゴンとなって空中に溶け込む。
兄と私は同時に座り込んだ。
「っ・・・・はぁ・・・・った・・・・勝った・・・・」
周りの人たちが目を見開いている。
無理も無いだろう。
こんな数分のうちに二つのユニークスキル見せ付けられたら。
「おわ・・・・った・・・・」
私は意識を失った。
「ア・・・キリア!」
私は兄に呼び起こされ、目蓋を開く。
「キリア、大丈夫か?」
「お兄ちゃん・・・・うん・・・・だいじょ・・・・・・・」
私ははっとして周りを見渡す。
アスナさん、兄、風林火山の人たち・・・・・軍の生き残り。
「!!!・・・・お、お兄ちゃん・・・・」
ぎゅ、と兄に抱きつく。
兄は優しく、大丈夫だから。といって私を宥めてくれる。
昔よりは人見知りが軽くなったかな・・・。
私はいつものように目をきつく瞑り、ぱっと開く。
「・・・クラインさん、アスナさん。このスキルのこと、他の人たちに言わないで!お願い!」
必死な顔で私は二人に頼み込む。
兄も隣でコクコクと頷いている。
「そういやよぉ・・・・手前ら二人共、何なんだよあれは」
「そうね。副団長として聞いておく義務がありそう。今後の攻略に関わるわ」
「・・・・ユニークスキル。私もお兄ちゃんも。」
「「ユニークスキル!?」」
クラインさんとアスナさんの声がハモって、他の人は「おお・・・」とか言ってる。
「私のは「高速斬撃」。お兄ちゃんのは」
「二刀流だ。」
「高速斬撃?二刀流は解るけど、高速斬撃って・・・どんなの?」
アスナさんが聞いてきた。
確かに、私のは名前を聞いただけじゃ解らないかも。
「高速斬撃って言うのは、一撃で十撃分のダメージを与えられるスキル。簡単に言うとこうなるんだけど、本当はもうちょっと難しいみたい。」
「い・・・一撃で、十撃分・・・!」
ちなみに、クラディールとの決闘でも、この要領で、一撃で二撃分にしてみました。
「・・・ほんと、キリアの高速斬撃はチート過ぎるよな・・・」
「キリト君も人のこと言えません!ユニークスキルは出現すればするほどゲームバランスが崩れていくわ。」
「そうだね・・・私もお兄ちゃんも、あまり使わないようにしてきたんだけど・・・。」
「今回のボス戦で完全に大っぴらになったな・・・」
私と兄は同時に大きなため息をついた。
クラインさんが軍の人たちと少し話して、そのまま75層のアクティベートへ言った。
・・・・後で聞いた話、兄が気を失った状態から戻ったとき、アスナさんに抱きつかれたとか。
・・・・。
後書き
長くしましたー
ここからキリアのキャラが全力崩壊します。
よければ感想ください<(‥)>
ページ上へ戻る