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少年は魔人になるようです

作者:Hate・R
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第2話 運命は出会い、回り出すようです

Side 愁磨

うん、簡単な回想だったけど、テンプレ通りならここは生界と死界の狭間ってとこか?

もしくは天国か地獄ってとこか。


と、考えていると、俺がいつの間にか列の一番前に来ていた。

そこにはダンブルドア校長を神々しくしたような爺さんが居た。

まあこいつに質問した方が早そうだ。――回想しなくても冷静になりゃすぐ分かったな・・・




「何を言っているか分からんが、とりあえず説明してもいいかの?」


あ、申し訳ない。どうぞ。


「ほう、思考が読まれていることには疑問を持たんのじゃな。」


まあテンプレだし、あんたみたいなのにはしゃべるよりこうした方が俺的には楽だし。

普通に話すのって苦手だし?


「テンプレ?…とりあえず、この箱の中から紙を一枚ずつ取ってくれ。」


なんなのこれ?


「これは行き先を決めるものじゃ。天界、地獄、他の世界に転生するもの。一つは期間、転生

の場合は寿命じゃな。

そしてそこで課される労働内容じゃ。」


は?そう言うのって生きてた時の業で決められんじゃないの?


「神と言っても長年生きてきたのでな。ただ仕事をするだけでは飽きてのう。

しかもそれでは罪を犯した者は永劫罪を背負い、同じような人生を送ってしまう。

それでは面白くないのでな、ランダムにしてしまおうと、そういう訳じゃ。」

「……つまりてめえら神様は暇だから、仕事に飽きたから俺ら人間で遊ぼうと。そういうわけ

か。」

「まあそういうわけじゃな」


そう言うとこの自称神はニヤリと笑った。


「ふっざk――」

「おお、居た居た。お主じゃ。そこの前髪の長いの。」


――そこに、あのワンピースの少女、っていうか幼女が居た。


「どうしたのじゃ、アリア。」


と、ダンブルドア(仮)は髪が腰まである銀髪翠眼の幼女に話しかける。

ああ、こいつも神様だった訳ですね。つまり俺は無駄死にだったと。


「いや、妾とて人間界で死ねば死んでいたであろうな。礼を言うぞ、人間。それではな。」

「あ、いやいや気にしないで――――

いやいやいやいやいや!!ちょっと待て!それだけ?俺一応神様助けたんだよね!?

だったら何かしら特典が――」

「何をいうておるか。そなたが勝手に助けただけではないか。

妾の運が良く、そなたの運が悪かった。

ただそれだけではないか」

「ハッハッハ、アリアよ。神と人間の運を比べても可哀相なだけではないか。」

「フフフ、それもそうだな、クルセウスよ。

だがそうだな。下賤なものに借りを作ったままではおれんな。

どうじゃ、行き先を天界にして、妾のそばで期間をすごさせても良いぞ」


ああ神ってこんな性格悪いDQNだったわけですかそりゃあ世界は不平等な訳ですよね

こんなやつらが統括してんだから。


「?どうした、うれしk「死ね!!」」


そう言って俺は幼女神に殴りかかる。が――


「痴れモノが、神に手を上げるか。

折角妾が慈悲で天界、しかも妾のそばに居させてやるとゆうておるのにのう(パチン」


幼女神が指を鳴らした瞬間、俺の四肢がはじけ飛ぶ。


「ぐっがああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

ああああああああああああ」

「貴様なぞ地獄の最下層に落ちておれ。刑期はたっぷり五百年じゃ。己の愚かしさを呪ってお

れ。」


そして俺は地獄とやらに堕とされた。








――――眼が覚めると、そこは氷の世界だった。

奴の言ったことが正しければここは地獄の最下層・・・コキュートスとかだっけ?

某ラノベだとヨツン・・・いや、ニブルヘイムになってるが、良く分からん。

あ、手足再生してるや。あんのクソ幼女が・・・助けた人の手足ぶっ飛ばしやがって!!

見つけて必ずボコb・・・ダメだ、美少女はなぐれん。ぬちょぬちょにしてやる!!

・・・・あ?Yesロリ、Noタッチだ?知るか!

俺はロリも好きではあるが、ロリコンじゃねえんだよ!!

コホン、――さて、そのためにはここから出なきゃならんのだが・・・・・・


「さっっっっっっっっっむ!!!」


そう、俺は夏の夜用の軽装(手足部分皆無)。そしてここは北極もかくやと言う氷の世界。

現在進行形で死にそうだ!いや死んでるんだけども。

そうだ、雪の中は意外と暖かいと聞いたことが!!


早速血迷った俺は雪を掘りだし、入ってみる。だいぶマシだが・・・・・・


「くっそ、駄目じゃん!!冷てえよ!!」


当然だ。雪は冷たいのだ。ましてや今は夏服。冷たくないはずがない。


「くそ、なんとかしねえと!!」


誰に言うでもなく叫ぶと、俺は歩き出した。









――数時間後

俺はまだ当てもなく氷の地獄を彷徨っていた。まだ生きているのが不思議なぐらいである。

もうすでに体は感覚が無く、眼も良く見えない。しかし、何かが俺を突き動かしていたのだろ

う。

満身創痍という言葉が相応し過ぎるくらいにボロボロになっても俺は歩き続けていた。

すると、何かにぶつかった。歩いているかも怪しい速度でぶつかっても、今の俺には十分な衝

撃だった。

俺はそのまま倒れ、ぶつかった何かを見上げ、



そして、それに見惚れた。




それは俺が堕ちてきた場所から見えなかったのが不思議なほど大きな水晶の塊だった。

闇色なのになぜか向こう側が見えるほど透明で、十字架のような形をしていた。

それに、煮えたぎっていたはずの俺の心は不思議と冷めてきて、

怒っているのが馬鹿馬鹿しくなってきて。



「まぁ……こんな綺麗…な物が……墓標ってのは悪くねえな………」



―――と、眼を閉じそうになった。が、クリスタルの中が不意に動いた。


(なん・・・だ・・・?)


と、クリスタルの中で何かが形づくられていく。そして――


鈴のような、雷のような声が聞こえてくる。



「貴様、人間だな。なぜここに居る。ここは魔を封じるための世界。人間程度がなぜここに堕

とされた?」



そう声を発した女は、黒眼・超ロングの黒髪で、可愛さを残したまま綺麗で・・・


(うっわあ・・・俺この人だったらリアルで結婚して欲しいわ・・・・・)



「どうした?早く答えんか。」

(しかし俺のタイプなお姉様の問いだろうがこればっかりはしかたない。)


喋れるわけねえだろうが。だったら人間程度の思考読んで見やがれ。

あの幼女は読めなかったみたいだが。


「フフフフフ、ああ分かった。いやはや、まさか『神の威光』に負けずに手を出せるほどの剛

の者が

まさかまだ人間に残っていたとはな。普通は神に反抗的な思考すらできないモノなんだがな。

なかなかに面白い。おまえ、名はなんという?」


――――愁磨。織原 愁磨だ。


「フム、愁磨、シュウマ、よし、シュウだな。」


何勝手に愛称で呼んでんだよ。嬉しいぞこのやろ・・・野郎じゃねえな。このお姉様が。で?


「む?で?とはなんだ?」


あんたの名前は?ってことだ。普段なら相手から名乗らせるが、俺のど真ん中に直球の代わり



HekartⅡで弾丸ぶち込まれた位、俺のタイプのお姉様だから特別だ。


「つまりどう言うことなのだ?」


つまり俺はお前のことが超大好きだってことだ。


「なっ、すっす、好きだと!?///馬鹿を言うんじゃない!!///コホン、全く…調子が狂うわ

…」


何この子、きゃわいいわ。


「ゴホン!!……すまんが、私に名前はない。ただ、『闇神』と言う役職名がはるか昔あった

だけだ。」


・・・・なるほどな。『闇神』以外の呼ばれ方はなかったのか?


「……そうだな、昔は『六対のプテリュクス』とは呼ばれていたよ。渾名みたいなものだった

がな。」


(六対の翼、ね。ここ地獄だし、こいつもしかしてルシファーさん?)


まあいいか、そうだな・・・・安直で悪いが、『ノワール』ってのはどうだ?


「いったいなにがだ?」


お前の名前だよ。そうだな、『ノワール・プテリュクス・エ―デル』でどうだ?『高貴な黒き

翼』って

意味なんだ。意味が厨ニ臭いが・・・・・


「…………」

(え?なに?なんだなんだよなんですか?この沈黙は?もしかしてやっちまった?

・・・今更やったもなにもねーか。)




side??


なんなのだ、此奴は?人間のくせにこの氷結地獄に堕とされたり、死んでいるはずの体で歩い

ていたり、

更に、この魔族用の、私の色の封印用棺を綺麗だと言ったり・・・・・

嫌味のつもりで名前を略して言ってやったのに嬉しいなどと言ったり・・・・・


「あんたの名前は?ってことだ。普段なら相手から名乗らせるが、俺のど真ん中に直球の代わ

りに

HekartⅡで弾丸ぶち込まれた位、俺のタイプのお姉様だから特別だ。」



天界で忌み嫌われ、もはや言うことすら許されない私の名前を聞いてきたり―――



「つまり俺はお前のことが超大好きだってことだ。」

「なっ、すっすす、好きだと!?///馬鹿を言うんじゃない!!///コホン、全く…調子が狂う

わ…。」



私のことを好きだなどと言い、



「何この子、きゃわいいわ。」

「ゴホン!!……すまんが、私に名前はない。ただ、『闇神』と言う役職がはるか昔あっただ

けだ。」



こんな堕ちた私をかわいいなどと言う。

そして、そして――――――



「まあいいか、そうだな……安直で悪いが、『ノワール』ってのはどうだ?」



一体こいつはなにを言っている?



「お前の名前だよ。そうだな、『ノワール・プテリュクス・エ―デル』でどうだ?『高貴な黒

き翼』って

意味なんだ。意味が厨ニ臭いが…。」



なぜ、私なんかに名をくれるというのだろう?私の名は神に取られてしまったというのに。

私は・・・私は、こんな、人間風情に・・・・・・!!



side out






side 愁磨

あ、あのー・・・いかがなさったので?


「なぜだ?なぜお前は私を好きだなどと言う?なぜお前は私に名を与えようとする?」


い、いや、なぜっていわれても。


「なぜ、こんな私と話す?なぜ、なぜ私に優しくする!!私には見えるのだ!!

お前は自分すら騙し、何でも無いかの様に振舞っているが、他人に気を使い、一切自分を出さ

ないせいで

お前の心は磨り減り、歪み、挙句の果てに裏切られ、私の……

私の心と同じように真っ黒になっている!!」


いやいや、そんなことな―――


「気付かない振りをしているだけで、お前は自分でも気付いているだろう!?

疲れ切り、絶望しているのに、なぜ……なぜそんな心で他人に優しくできる!?どうしてだ!

?」


凄く辛そうな顔をして、ノワール(仮)は大粒の涙を落としながら蹲ってしまう。

あー・・・女の子泣かしちまったよ、全く。


「やれやれ、何を言ってんのかね、このお嬢さんは…」

「な、なにを――」


そう言いながら俺は立ちあがる。だってさ、眼の前の…、最っっ高なお姉様が泣いていらっし

ゃるんだぜ?

死んじまうとしても、立たなきゃ逝けないよね~男の子としては?


「簡単なこったろーよ、そうしていた方が楽だと思ってたんだ。実際はそうじゃ無かったって

だけだ。

俺がお前に優しい?らしいが、俺にとっちゃこれが普通。寧ろ図々しいだろ。

そして、男が美しい二次元のような女性を前にやるべき事は二つだ。一つは鼠のように逃げ果

せるか…」


そう言いながら普通なら一歩で行ける様な距離をノロノロと十歩かけて歩く。だってさ、


「お、おい。やめろ。それ以上動いたら死んで――」


意地があんだろ?――――男の子にはなぁ!!



「英雄王のようにしつこく求婚するしかないだろ?しかもおまえ自分の言ったことよく考えて

みろよ。」



あと・・・四歩だ・・・・・・・・



「え………?」



あと三歩・・・・・



「疲れて、骨折り損で、裏切られて、凍え死にそうになった先で自分の超タイプなお姉様を見

つけたんだぜ?」



二歩・・・・・



「逃げる必要性なんてどこにもねえじゃねえか。しかも封印されてると来た。」



ラスト・・・・・っと。



「――まるで王道RPG!!運命以外のなんにモノでもねえじゃか!自分が何か出来ると思うだろ

?」



そう言って俺は笑い、クリスタルに手をつきしゃがみ込む。


「お、おい!!大丈夫か!?しっかりしないか!!」


あー、無理無理。体力ってか寿命?もうそんなんねえよ。


「おい、シュウ!しっかりしろ!!くそ、ならば…、私と契約しろ!!そうすれば助かる!!




へぇ・・・助かるん・・なら・・・ありがてえけど・・・・何か代償はあんのかよ?


「……私は罪人だ。私と契約すれば神たちがお前を追って来るだろう。…それと」


神ども・・・は、どうでもいい。で?


「………私の属性である『闇』。それがお前を喰らうだろう。最悪―――」


んなことかよ・・・ならいいから契約しようぜ・・・そろそろ不味いし・・・・?


「……分かった。ならばクリスタルにシュウの血を付けてくれ。」


了解・・・ボロボロで助かったぜ・・・・指噛んで血出すなんて怖くてやれんからな・・・・


「よし、もういい。少し休め。あとは私がやっておくから。」


そうかい・・・なら、た・・の・・・・・む



そして、俺の意識は再び途絶えた。

Side out
 
 

 
後書き
ブラックアウトorホワイトアウト。
一話の切り方がよく分からないのです。 
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