『言霊使いと幻想郷』
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第二十四話
「冥界の入口はあそこだよ」
「ありがとな」
俺はプリズムリバー三姉妹に礼を言って霧雨と共に上空の黒い穴に向かう。
穴に入り込むかのように何かが吸い込まれていってる。
「……あれはまさか春度と言うやつか?」
「霊夢の兄ちゃん、後ろに乗ってくれ。一気に行くんだぜ」
「分かった」
俺は霧雨の後ろに乗る。完全にニケツだがまぁいいや。
「飛ばすぜェッ!!」
「うぉッ!?」
箒が一気に加速して穴の中に入った。
「真っ暗だぜ」
「だな……ん? うわッ!?」
「ふぎゃッ!!」
上昇していたはずなのに、いつの間にか背中から地面に強打していた。
そして俺が後ろに乗っていたために霧雨が俺の前に乗っかっている状況だぜ。
「……ごめんだぜ」
「……構わんよ」
むしろ良い香りがしました。
「……怪しいんだぜ」
「♪~(・ε・ )」
俺は口笛を吹いて誤魔化した。いやそれよりもだ……。
「見ろ霧雨」
「……やれやれだぜ」
長い石段が続いていた。てか長過ぎるわ……。
「んじゃあ行くぜ」
「歩いて行くのか?」
霧雨が箒に跨がらずに歩いて石段を登っていく。
「私にもそれなりの礼儀というものは知っているんだぜ」
「……なら図書館から本を盗むなよ」
「人聞きが悪いぜ霊夢の兄ちゃん。私は死ぬまで借りてるだけだぜ?」
「お前が魔女になれば一生になるんじゃないのか?」
「♪~(・ε・ )」
……お前な……まぁ兎に角登るか。
そして俺達は石段を登り始めた。
「お邪魔します。あら、本当にいたの」
「……どうして皆玄関から入らないのかしら?」
私が炬燵に入ってゆっくりしていると咲夜がやってきた。
「紅魔館のメイドじゃない。吸血鬼はどうしたの?」
「御嬢様は寒いので出たくないと……それと伝言を預かってきました。『何時までこんな茶番劇をするのか』と……」
咲夜がそう言ってレミリアの伝言を私に告げた。
「異変を解決するのが博麗の巫女の役目じゃないのかしら?」
「そ、それもそうね……」
痛いところを突くわね咲夜。こら笑うな魅魔。
「このまま放っておけば春は来なくなりますよ」
「……分かったわよ。行けばいいんでしょ」
「動いてくれて何よりです。それともう一つ、魔法使いと言霊使いは冥界に向かいました。死んだらあの世に送られるのでしょうか……」
咲夜はそう言って障子を閉めて神社を去った。
……仕方ないわねぇ。
「魅魔も行くの?」
「久しぶりに身体を動かしたいからねぇ。それに私のスペカも試したいところだよ」
魅魔はもう準備は出来ていた。早いわよ……寒いけど、ちゃんちゃんこ脱ぐか。
そして私と魅魔は冥界へと向かった。
「というか魅魔のスペカって魔理沙と殆ど一緒よね?」
「何言ってんだい。あいつの師匠は私だよ? 殆ど同じのは当たり前じゃないか。まぁ威力は私が上だけどね」
自慢そうにしている魅魔は鬱陶しいかった。
「……酷くないかい?」
「やい半人半霊ッ!! お前らのせいで春が来なくて困っているんだ。おっと抵抗するなら構わないぜ。私もその方が好きなんだぜ」
「フフフ、人間のくせによく言えるわね」
「頑張れよ霧雨~」
半人半霊が刀を抜いて臨戦態勢に入った。俺? 俺は霧雨の邪魔にならないよう退避している。
「行くぜッ!!」
そして少女の弾幕ごっこが幕を開けた。
「はッ!! はァッ!!」
霧雨が出した星の形をした弾幕を半人半霊が刀で吹き飛ばした。
その間に霧雨が石灯籠の上に座って懐から何かを出そうとするが、半人半霊が斬撃を繰り出した。
「危ない霧雨ッ!!」
「ッ!? うわっとッ!!」
刹那に霧雨がジャンプして斬撃から避けたが、代わりに石灯籠が砕けた。
器物破損だな……。
「行くぜッ!! 彗星「ブレイジングスター」ッ!!」
いつの間にか霧雨が箒にミニ八卦炉が設置されていて急加速して半人半霊に迫った。
「ッ!?」
そして二人が激突した。
「……けほけほ。ぁ~汚れたぜ」
「……最後は特攻かよ……」
「……申し訳ありません幽々子様……」
半人半霊は微かにそう呟いた。ふむ、親玉は幽々子か……多分、下の名前だな。
その時、風が靡いた。
「ん……半人半霊。お前はゆっくりしてていいぜ。親玉の登場だ」
ばかでかい木の方から一人の女性がゆっくりと降りてきた。
……取りあえず言える事はだな……。
「……デカイなおい」
そう、女性特有のあの双乳がデカイのだよ諸君……しかも女性は着物だからまさか下着は……。
まぁ、孝之はどうせロリの紳士だが俺は巨乳が好きなんよはい。
「あらあら此処に来る人間は初めてじゃないかしら?」
「だろうね冥界だし」
思わずツッコミを入れた俺は悪くない。
「私にも目的があるのよ」
「目的?」
「そうよ。私を倒せば異変は解決出来るわ」
「なら早速するぜッ!!」
早くも臨戦態勢の霧雨である。
「……名前は?」
「霧雨魔理沙、普通の魔法使いだッ!!」
「フフフ……」
そして弾幕ごっこが始まった。
後書き
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