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インフィニットストラトス サタンと契約した憤怒の一夏

作者:マンモス
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観戦中の出来事

俺が相棒であるIS『サタン』に出会って二年になる。そして、千冬姉のもとを去って二年がたったある日。俺は仕事の時に着るフード付きコートで顔を隠しながら、IS学園の第二アリーナの屋根の上に立っている。

(一夏。なぜ…こんな場所に何か有るのか?織斑十秋に何か用でもあるのか?)

「別に。ただ、お前が白式のコアから読みとった情報によると、アイツの初の公式戦らしいしな。兄だった者として見ておきたいのさ」

そう、サタンは全てのコアから情報を読みとる事が出来る唯一のISであり、ISコアの核である。もしサタンが破壊されたら世界中のコアはガラクタになってしまう。束さんがサタンを壊さなかったのは、それが理由らしい。(サタン説)

(それにしても、あの甲龍のパイロット、少し苦戦しているな。アレでは、織斑十秋の思うつぼだ!)

「鈴は昔からよく考え無いで行動するからな、よく十秋にそれが原因でゲームで負けていたからな」

(あの凰鈴音と言う娘のことを知っているのか?)

「昔よく遊んでいたんだ。アイツともう一人の女子は俺をブリュンヒルデと天才の出来損ないの家族では無く1人の人間として見てくれていた。…基本、口は悪いけど良いヤツだよ」

(鈴も蘭をよく俺と一緒に居てくれた大切な奴らだった。弾や数馬も一緒にバカな事をやったな。)

もう戻れない昔の事を思い出していると、殺気を隠しながら後ろに近づいて来る奴がいた。後ろに蹴りをいれると空のような青髪の女がISの右腕と武装のランスを瞬時に召喚して俺の蹴りを防いだ。

「あら、ずいぶんと物騒な挨拶ね。お姉さん、そうゆうせっかちな男の子を好きよ」

女はランスで蹴りを防ぎながら、ふざけたことを言っている。

(一夏、その女は更識楯無。ロシア代表で、ミステリアス・レイディのパイロットだ)

サタンが奴のISから情報を引き出してくれた。俺はロシア代表より『更識』という苗字に驚いた。

「まさか、更識家の当主がこんなところにいる何て、思いもしなかったな!」

「更識家のことを知ってるみたいね」

「ああ、日本政府のお抱えの暗部の一族で日本に邪魔な奴ら始末する家だろ?半年前に殺した悪徳政治家の野崎だっけ?アイツの家にあった資料で見たよ」

「あなたが、野崎議員を!?」

俺が殺した野崎の名前が出た瞬間更識の顔色が変わった。まあ、無理も無いか。野崎は家ごと青い炎で燃やして、死体すら出なかったってニュースに出てたしな。

「俺はこの世にいるクズ共を燃やして殺すのが仕事でね、あの時の野崎の命声は傑作だったよ!」

俺は半年前の事を言いながら、ランスを力強く蹴って後ろに下がった。

「あなたが殺人鬼ってことは分かったわ。けど、この学園に手を出すなら、私があなたを殺すわ!」

更識はそう言いながら、ISを全開した。

「安心しろ。こんな学園に興味は無い。それに今日ここに来たのは、表向きの世界初の男性ISパイロット織斑十秋の試合を見に来ただけだ」

「表向き?それはどういう事かしら?」

「あぁ、そうか知らないのか。なら教えてやるよ!俺が世界初の」

ズドオオオオンッ!!

俺が話をしている最中にアリーナの方から大きな音がなり、俺と更識はアリーナを見ると一機のISがアリーナの中に入っていった。

「何!何なの!?」

更識が驚いているとサタンが、あることを教えてくれた。

(一夏、もう一機こちらに来るぞ!)

「更識!後ろに飛べ!」

俺が大声で言って、2人して、後ろに飛ぶとさっき俺と更識がいたところに極太のビームが落ちてきた。俺が地面に着地すると更識は驚いた顔をしながら、こっちに飛んできた。

「あなた、本当に人間なの?普通あんな所から飛び降りたら死ぬわよ」

「生憎、カタギの人間とは鍛え方が違うんだ、さっきの攻撃をしてきたISが降りてきたぞ!」

敵ISがゆっくりと降りてきて、地面に足を着けた。敵は鉄の巨人のような、全身装甲のISだった。

「しょうがないわね。今回はお姉さんが守ってあげるから、後でゆっくりお話しましょう」

更識はそう言いながら、俺の前に出た。その時サタンが新しい情報を教えてきた。

(一夏、あのISは無人機で、篠ノ乃束が新しく作ったみたいだ)

「行くわよ!!」

更識が無人機に向かって行こうとした瞬間、更識の横を大きな青い炎弾が通り過ぎて、無人機に当たりかなりの勢いで燃え始めた。無人機はショートしたみたいで動かなくなった。

「あ、あなた!今何を…えっ、どうゆう事!何で男がISを!?」

更識は俺の右腕だけ、展開したサタンの腕を見て驚いていた。

「ああ、あの機体に腹が立ってな、ISを起動させて、燃やしただけだ…もうここには用はない。俺はもう帰る」

「待ちなさい!あなたは一体何者なの!?」

更識は俺の肩を掴みながら聞いてきた。

「生憎名前を教えてやるほど、俺も優しくないんだ」

俺が更識の手を振りほどくと更識と目があった。

「そんな綺麗な蒼い瞳をして、優しくしないと女子からモテないわよ!」

「どうでもいいわ!」

更識が俺の目の色のでからかってくるが、殺気を隠せていない。俺のこの蒼い瞳はサタンと一緒になった時に瞳の色が変化したらしい。

「なら、コレをやるからあきらめろ」

俺はそう言いながら、対IS用に作ったスタングレネードを地面に落として起爆させた。更識は目を押さえながら、もだえている。

「じゃあな!更識」

「ま、待ちなさい!」

(待ちなさいって言われて、待つ奴はいねーよ。)

俺はそう言いながら、走って更識から逃げ出し、IS学園から逃げ出した。





 
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