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ヘタリア大帝国

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TURN75 ベルリン講和会議その六

「それに何よりも人民の皆がいるわ」
「ソビエト人民は立派です」
 ゲーペも言い切った、このことは。
「ガメリカ共和国や中帝国の資産主義者達の様に強欲でも利己的でもありません」
「そうよ、皆素朴で無欲で親切だから」
 ソビエト人民、ひいてはロシア人の長所である。ウォッカとお仕事とパンとお家があれば満足出来るのが彼等なのだ。
 そしてその彼等こそがだというのだ。
「ソビエト最大の財産よ」
「しかしソビエトにないものもあります」
「そう、バナナにパイナップルに」
 そしてだった。
「暖かい場所よ」
「イタリンと友好関係を築ければ暖かい場所にも人民が旅行に行けます」
 尚ソビエトの旅行は許可制だ。実質的にカテーリンから見ていいことをした人民へのご褒美となるものだ。
「ギリシアもそうですが」
「あっ、ギリシアはどうなるの?」
 ミーリャはこの国のことを尋ねた。
「ドクツの占領から独立するのよね」
「そうなります」
「じゃああの国にも皆が旅行出来る様になるのね」
「平和になれば」
 この戦争が終わればだというのだ。
「それも出来る様になります」
「そうなって欲しいね」
「その太平洋にも四国があります、いえ太平洋全体が」
「いい気候の場所ばかりだよね」
「アラスカや・・・・・・ええと」
 ここでゲーペは彼女にしては珍しいことに言葉を迷わせた。
 そしてこうミーリャに言うのだった。
「ガメリカの北にある」
「あの国?」
「何とかといいましたが」
「うん、何とかいったよね」
 ミーリャもこの国の名前を覚えていない。
「あの国よね」
「すいません、忘れてしまいましたが」
「あの国も寒いのよね」
「はい、アラスカとあの国は」
 寒いがだが太平洋全域がだというのだ。
「その殆どが温暖な星域です」
「あの国は私も知らないけれど」
 カテーリンですらカナダのことは忘れている、しかも完全に。
「とにかく太平洋諸国は暖かくていい場所ばかりなのよ」
「僕暖かい場所にいたいんだけれどね」
 ロシアのささやかな望みである。
「それは戦争に勝てれば」
「はい、何時でも行くことが出来ます」
 そうなるというのだ。
「祖国殿もまた」
「そうなってくれたら嬉しいね。じゃあゲーペさんもね」
「はい、共に参りましょう」
「そうしようね。その時は」
「ソビエト人民の皆には暖かい場所が必要なの」
 カテーリンはこのことに強いこだわりを見せる、彼女もまたソビエトの者だからだ。
「その為にはね」
「はい、イタリンとは友好関係を築きましょう」 
 ロシア妹も期待している顔を見せる。
「暖かい場所の為にも」
「それじゃあ行くわよ」
 カテーリンはあらためて一同に言った。
「ベルリンにね」
「うん、そこで色々と決めよう」
 ロシアがカテーリンに応える、そうしてだった。
 ソビエトの首脳部もベルリンに向かっていた、ベルリンではエイリスとソビエト、そしてイタリンの首脳達を出迎える準備が整えられていた。 
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