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ヘタリア大帝国

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TURN75 ベルリン講和会議その五

「それに怖そうな国も」
「怖いのは駄目だから」
 自分が一番怖いということは考えていない。
「だからね」
「日本帝国も嫌いなのは」
「日露戦争で負けたし怒ると怖いし」
 彼から見ると日本もそうした相手になるのだ。
「だからね」
「それでなんだね」
「そう、お友達になるのは怖いんだ」
 これがロシアの太平洋の三国への考えだった。
「ちょっとね」
「あの三国は私も嫌いだから」
 カテーリンもそうだった。
「資産主義だから」
「はい、彼等はいずれもかなり資産主義を信仰しています」
「そうだよね。日本君と中国君は皇帝までいるから」
「どの国も嫌いよ」
 心からそう思っているカテーリンだった。
「やっつけてやるんだから」
「その為にもですか」
「そう、今はドクツやエイリスと手を結ぶの」 
 カテーリンはロシア妹にもそうすると答える。
「一時的にね」
「書記長、それでなのですが」
 ゲーペが問うてきた。
「新連合国のうちのイタリンですが」
「あの国?」
「あの国につきましてはどうされますか」
「別にいいんじゃない?」
 カテーリンはこれまでの怒っている顔から急に穏やかな、そしてきょとんとした感じになってこうゲーペに返した。
「イタリンは」
「共有主義にしてもですか」
「うん、あの統領さんもね」
 ムッチリーニについても言う。
「ちょっと共有主義の講義を受けてもらって」
「それで終わりですか」
「イタリア君達も同じよ」
 彼等についてもこう言う。
「特にね」
「どうでもいいですか」
「悪い子達じゃないから」
 カテーリンから見ても彼等はそうだった。
「イタリンはそれだけでいいわ」
「そこが太平洋諸国と違いますね」
「あんな資産主義ばかりの子達とは違うわ」
「イタリンはいい国ですね」
「じゃあ長官はどう思うの?」
 ゲーペに対して質問する顔で問う。
「イタリンについては」
「それでいいかと」
 ゲーペもイタリンについてはこう言うだけだった。
「赤本を配布してです」
「そうでしょ。むしろイタリア君、フランス君もだけれど」
 この国も入るのだった。
「仲良くしたいわよね」
「そうですね。特にイタリンと関係を深めれば」
「暖かいところに旅行に行けるのよ、人民の皆が」
 カテーリンの声には切望が宿っていた。
「寒い場所からね」
「ソビエトの気候は」
 それはどうかというと。
「あまりにもですから」
「そう、ソビエトには確かに何でもあるわ」
 この辺り伊達に人類社会第一の領域の国ではない、ソビエトの地力は凄まじいものがある。
「豊かな資源に木にお水に農作物に」
「黒土地帯がありますので」
 寒冷な国だが豊かな穀倉地帯も持っているのだ。 
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