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妖精の十字架

作者:雨の日
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~s級去ってまたs級~

俺とミラがギルドに帰るとみんなが何やら騒がしかった

「どうかしたか?」

ギルドの古株、マカオに訪ねた

「大変だぞクルス!ナツ達が勝手にs級いきやがった」

「はぁ!?」

ナツは正直まだs級に挑めない
ヘタすれば一瞬で命を落とすことだってある

「ったく・・・ミラ、悪いがクエスト報告は一人で頼む。俺はあいつら連れ戻しに行ってくる」

「わかったわ。昨日の今日で大変だと思うけど頑張って!」

手を振って送り出してくれるミラ

「クルス!」

マスターに呼び止められた

「?」

「先にグレイがいったがいまだ帰らん。そしたらエルザが行きよった・・・急がんと」

「・・・ナツたちが殺される」

や、やばい!あの冷酷無比なエルザは規則にそむいたものには容赦ねぇからな
俺は再びバイクに跨り一気に走り出した




港ではエルザの紅い髪が目立ち、なんとか合流できた
が、エルザに聞いた話だと、ナツたちが向かった島は港の人も恐れて誰も船を出してくれないという

「・・・クルスよ、船をだせるか?」

「生憎、俺のストックに船はない」

「そうか・・・ならば泳ぐか」

エルザが言うとマジに聞こえてならない
ここから島は泳いで渡れるような生半可な距離ではないだろう。おんぼろでもいいから船が必要だ
と、その時

「金目のものだせオラァ!」

海賊が粋がって上陸してきた
その瞬間、俺とエルザの目が光った

「覇界神よ・・・」

「なんだい妖精女王?」

視線は奴らに向けたまま

「何秒だ?」

「10秒」

それが合図で駆けだした
俺は一番えらそうなひげ親父に拳を叩き込み、一撃で仕留める。その隙にエルザが剣でほかの部下を一掃した
しかし、俺はその時自分の魔力の変化に気が付いていなかった

「動くな!動けばお前らの船長、命は無いぞ!!」

が、エルザが全員斬っていたのでそもそも動ける奴がいなかった









「いや~お強いですな~姉貴!」

「そんな事はいい。とりあえず・・・彼にバケツを」

「気持ち・・・悪い・・・」

俺は酔っていた
本来ならば衝撃を食うのだが、先日ミラの魔法を食った所為でなんだか調子が悪い

「く、クルス?大丈夫か?」

「大丈夫・・・だ」

明らかに顔が真っ青だが強がる

「む、無理だけはするなよ?お前の身に何かあってはミラに殺される」

「大丈夫だって・・・うっぷ」

やっぱむり、気持ち悪い・・・
次の瞬間、俺は意識を失った

「衛生兵!衛生へーい!!」

最後にエルザが素のボケをかました気がした





「・・・っつ」

目が覚めると太陽は沈みかけよるが近づいていた

「エルザは・・・?」

「目が覚めましたか!」

そばには海賊の姿が
手には手紙が

「姉貴からの手紙です」

手渡された紙を開くと
『先に行く』
とだけ書かれていた

「・・・わかりにく」

「姉貴は海岸ででっかいネズミ斬ってそのまま金髪の嬢ちゃん連れてどっかいっちまいやしたよ?」

「わかった。ありがとう」

そう言って俺は甲板から飛び降りて海岸に飛び降りた
着地の衝撃は食えるようまでは回復していた

「っと、エルザはっと」

魔力を感じ取り、居場所を大雑把だが把握する

「いた・・・ルーシィとハッピー。それにグレイも一緒か」

ナツがいないのが気のなったが今はとりあえず合流が先だ
しばらく走るとテントが見え、中からエルザとグレイの声が聞こえた

「見損なったぞエルザ!斬りたきゃきれよ!俺は体がバラバラになってもやり遂げるぞ!!」

なんだか空気が重い

「・・・切れないなら俺はいくぞ」

テントから傷だらけのグレイが出てきた

「・・・よう」

「クルス!?お前も来てたのか・・・」

「まぁな。なにがあったのか全くしらねぇが俺はお前たちを連れ戻しに来た」

グレイは眉間にしわを寄せた

「・・・俺はお前に止められても行く」

その目はとても真っ直ぐだった

「・・・誰も止めるなんて言ってねぇ」

「は・・・?」

「俺、今属性魔法食った反動で気持ち悪いんだ。だから気絶してる。気が付いたらグレイたちご一行がs級クエスト終わらせちゃってた」

「・・・」

あいた口がふさがっていない

「だから行けよ」

「・・・ッ!すまねぇ」

そう言ってグレイは走り去って行った
と、その時エルザ達もテントから出てきた

「甘いな・・・クルスは」

「お前だってそうだろ?中の会話、聞こえてたぞ」

「えぇ!クルス耳よすぎ!?」

ルーシィも手首をさすりながら出てきた

「ま、なんにせよs級魔道士二人だ。死ぬことはないだろう」

「あい!でもナツがいないのです!」

確かに、ナツの安否が気になるな
しかし、今はグレイを追ってこの島で何が起きてるのか理解すべきだろう
俺を筆頭に全員が一斉に走り出した

 
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