FAIRY TAIL 友と恋の奇跡
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第1章 月の涙編
第23話 人間ではない少年
前書き
紺碧の海、参上でござる(笑)
今回はあの人の過去が分かっちゃいますよ!
後、今回は途中で目線が変わります。ご了承下さい。最初はウェンディ目線です。
それでは、第23話・・・スタート!
シャ「今日のトーヤ、なんか変ね。」
ウェ「やっぱり、シャルルもそう思う?」
月の涙との戦いから3日後、今日のトーヤさんはいつもと違います。何が違うのかと言うと・・・1人ずっと窓の外を眺めているんです。え?全然可笑しくないじゃんって?いえいえ、いつもなら皆さんと話したり、ショールさんとお茶を飲んでいるはずなんです。どうしたんでしょうか・・・?
すると、トーヤさんは窓から離れ、バーカウンターの方に行き、
ト「ミラさん、僕、しばらくギルドを留守にしたいんですけど。」
ミ「分かったわ。何日ぐらいかしら?」
ト「・・・1週間ほど。」
1週間!?トーヤさん1人でですかっ!?そんなの危険すぎますっ!
ウェ「トーヤさん!」
ト「ウェ、ウェンディさんに、シャルルさん。」
シャ「アンタ、今日どこか行くらしいわね。」
ト「聞いてたんですか?それがどうかしましたか?」
ウェ「私たちも連れて行って下さいっ!」
ト「え、えぇ!?」
ウェ「わがまま言ってゴメンナサイ。でも、1人よりは心強いと思います!」
ト「僕の事は大丈夫です。それに、外出するのは今夜ですから。」
シャ「ますます危険じゃない!」
ト「・・・・・」
トーヤさん、少しは私たちを頼って下さい・・・
ト「大丈夫です。お化け達もついてますし。ウェンディさんとシャルルさんの気持ちだけで嬉しいです。」
ウェ&シャ「・・・・・」
この言葉に私もシャルルも何も言い返せませんでした・・・
***********************************************************************************************************
その夜、
ト「それじゃあ、行って来ます。」
ミ&ル「いってらっしゃ~い♪」
ナ&グ&リョ「頑張れよーっ!真似すんなっ!」
エ「喧嘩をするなっ!」
ナ&グ&リョ「あいーーーっ!」
ハ「オイラの真似しないでよ~。」
マ&ユ「気をつけてね~。」
ショ「良い知らせ持って来いよ~。」
トーヤさんは皆さんに見送られて出かけて行きました。
私とシャルルはというと・・・トーヤさんを尾行する事に決めましたっ!トーヤさんには悪いですけど・・・
シャ「行くわよ。」
ウェ「うん。」
私とシャルルはこっそりトーヤさんの後を追いかけました。
********************************************************************************************************
『ここからトーヤ目線です。』
やっぱり、ウェンディさんとシャルルさん、ついてきちゃったんですね。あれほど大丈夫って言ったのに・・・でも、心配してついてきてくれたんだ。その気持ちだけは受け取りましょう。
でも、いくらウェンディさんとシャルルさんでも僕の秘密は話せません。それに、巻き込みたくないんです。これは、僕の問題ですから・・・
僕は建物と建物の間の路地を曲がると、建物の上に飛び乗りました。少しすると、ウェンディさんとシャルルさんが来ました。
ウェ「あ、あれ?トーヤさん?」
シャ「見間違えたのかしら?急げばまだ間に合うわ。」
ウェ「うん。」
ウェンディさんとシャルルさんは路地を出ていきました。
ト「スミマセン・・・そして、今までお世話になりました。」
僕は2人の後ろ姿を見届けた後、建物の上を飛び越えながら妖精の尻尾のギルドの屋根の上に降り立ちました。そして僕は左腕を胸の前に置き、
ト「妖霊界の王よ、ここに姿を現せっ!」
さっきまで星が輝いていた空に、一面の黒い雲で覆われました。
************************************************************************************************************
『ここからまたウェンディ目線です。』
人1「おい、何だアレッ!?」
人2「雨でも降るのか?」
人3「さっきまで晴れてたのによ。」
人4「あらヤダ!洗濯物が濡れちゃうわっ!」
街が何だか騒がしいです。
シャ「ウェンディ、あれ見てっ!」
シャルルが指差した方を見ると、遠くで何か光っています。
シャ「あそこは・・・妖精の尻尾のギルドよっ!」
いったい、どうなってんですか?
シャ「もしかしたら、トーヤが関係してるかもしれないわ。ウェンディ、行くわよっ!」
ウェ「うんっ!」
シャルルは翼を出して、私の服を掴むとギルドに向かって飛んで行きました。
ウェ「(トーヤさん、あなたはいったい、私達に何を隠しているんですか・・・?)」
*********************************************************************************************************
『その頃、妖精の尻尾のギルド内では・・・』
ガタガタガタガタガタ。
ル「・・・ねぇ、なんか屋根の上が騒がしくない?」
ユ「屋根でも工事してるの?」
リョ「いや、そんな工事なんて聞いてないぞ。」
グ「じゃあ何なんだ?」
エ「私が見てこよう。」
ショ「あ、俺も行くよ。」
マカ「待てィ!」
ナ「じっちゃん。」
椅子から立ち上がろうとしたエルザとショールを止めたのはマスターだった。マスターはぴょんっとバーカウンターから飛び降りて、ゴォホン!と咳払いをすると、
マカ「屋根にはわしが行こう。」
マ「でも、マスター危険だよっ!」
ミ「マヤの言うとおりですっ!」
マカ「んじゃ、ビックスロー、わしと一緒に来い。」
ビ「えっ?俺?」
マスターに名前を呼ばれたビッグスローは、自分を指差して首を傾げた。
************************************************************************************************************
やっぱり、飛んで行くと速い。あっという間にギルドまで着いちゃいました。私とシャルルはギルドの屋根に着地しました。すると、屋根の上には、
ウェ「トーヤさん!」
ト「!!?」
トーヤさんが目を見開いて、
ト「ウェ、ウェンディさんに、シャルルさん・・・ダ、ダメです!こっちに来たらダメですっ!」
ど、どういう事ですか?私とシャルルが戸惑っていると、
ト「・・・仕方ありません。お2人には話しましょう。僕の秘密を・・・・」
トーヤさんの、秘密・・・?
ト「僕はこの世界の人間じゃないんです。」
ウェ「・・・え・・・?」
シャ「何を言ってるのよ・・・」
トーヤさんの言っている意味が分からなくて、私とシャルルはもう一度聞き返しました。
ト「僕は幽霊や妖怪、怪物などが住んでいる異世界、“妖霊界”で、生まれ育ったんです。」
妖霊界って、トーヤさんのお化け達がいる世界・・・ですよね。という事は・・・!私の顔から血の気が引きました。
ト「僕は、幽霊なんです。」
よく見ると、トーヤさんの足が透けていました。
その時、トーヤさんの後ろで輝いていた光から2人の男性と、1人の女性が姿を現しました。
ト「母さん、父さん、妖霊王様・・・」
この人達が、トーヤさんの・・・
ト「僕の両親は元々人間だったんですけど、母は病気で、父は交通事故でこの世から去り、何らかの理由で妖霊界に飛ばされ、僕を妖霊界で産んだんです。でも、元々は人間の僕を親は妖霊王様に頼んで3年間人間の姿で、魔道士として人間界に送り込んだんです。そして今日、僕が人間界に来て3年目、僕は妖霊界に帰らなければならないんです。」
と、という事は・・・
ウェ「ト、トーヤさんと・・二度と、会えなくなる、って事・・・ですよ、ね?」
トーヤさんは黙って頷きました。
マカ「やはりな。」
ト「わっ!」
ビ「ヒッヤッハ~!」
シャ「え?」
ウェ「マスターに、ビックスローさん!?」
なぜ2人がここに?
マカ「話は全部聞かせてもらった。」
ト「え・・・」
ウェ「マスターは知っていたんですか?トーヤさんが、幽霊とだいう事を・・・」
マカ「あぁ、昔から顔見知りだったと言った方が正しいじゃろ。」
シャ「ど、どういう意味よ・・・?」
ビ「俺は最初から気づいてたぜ~。」
ベ「気づいてたぜ、気づいてたぜ。」
そっか、ビックスローさんは人の魂を見る事が出来るんですよね。
マカ「トーヤ、お前がローター・ファインとリアン・ファインの息子だという事もな。」
ト「!!?」
ウェ「えぇっと、トーヤさんのご両親の名前ですか?」
マカ「そうじゃ。」
ト「な、なぜそれを・・・?」
マカ「何じゃ、聞いておらんのか?お前の両親は、元妖精の尻尾の魔道士だからじゃよ。」
ト「・・・え?」
トーヤさんのご両親が元妖精の尻尾の魔道士ィ!?
マカ「わしが若い頃尊敬していた人物じゃ。ローターは生きてりゃ、3代目マスターじゃった。」
じゃあ、ローターさんが生きていたら、マスターはマスターじゃなかったんですね・・・
マカ「初めてお前の顔を見た時から勘付いておった。紫色の瞳は母親のリアン譲り。銀色のクセ毛と丁寧な口調は父親のローター譲り。トーヤ、お前は2人にそっくりじゃのぉ~。」
マスターは懐かしそうな目でトーヤさんを見た後、トーヤさんの後ろを見て、
マカ「久しぶりじゃのぉ~。ローター、リアン。」
ロ「元気そうですね、マカロフさん。」
リ「トーヤがお世話になったわ。」
3人が過去の事を話しています。しばらくしてから、
マカ「ゴホン!ローター、リアン、そして妖霊王とやら、トーヤをこのままずっと人間界にいさせてくれんかの~?」
マカ以外「えぇっ!?」
トーヤさんはもちろん、トーヤさんのお父さんとお母さんも、妖霊王さんという方も、私もシャルルもビッグスローさんも、マスターを見て驚嘆の声を上げました。
マカ「心配せんでいい。わしが心を鬼にして面倒を見てやるわい。それに、トーヤにはたくさんの仲間がいる。そうじゃろ?ウェンディ、シャルル、ビックスロー。」
マスターが私達の方を振り返る。
ウェ「はい!私の他にもたくさんの仲間がいます!」
シャ「皆騒がしい人だけどね。」
ビ「でも、めちゃくちゃ楽しいんだぜ。ヒッヤッハ~!」
ベ「楽しい!楽しい!」
ト「皆さん・・・」
私、トーヤさんともっともっと一緒に騒いで、一緒に冒険に行きたいです!その思いが届きますように・・・!
ロ「・・・マカロフさん、トーヤをよろしく頼みます。」
マカ「あぁ、承知した。」
リ「トーヤ、元気でね。」
ト「母さん・・・うん。」
リ「皆さん、トーヤをよろしくお願いします。」
ウェ&シャ「はい!」
ビ「ヒッヤッハ~!」
妖「トーヤ・ファインよ。仲間を大切に頑張るのじゃぞ。」
ト「妖霊王様・・・はいっ!」
妖「それでは、さらばっ!」
トーヤさんのご両親と妖霊王さんは光と共に消え、黒い雲も消えて、満天の星が姿を現しました。トーヤさんの足はもう透けていませんでした。
マカ「ウェンディ、シャルル、ビックスロー。この事は誰にも言ってはいかんぞ。」
ウェ&シャ「はい。」
ビ「OKだぜ!ヒャッハ~!」
ベ「OK!OK!」
トーヤさんは空を見つめていました。トーヤさんには私達やお化け達がついてます。1人なんかじゃありません。
ウェ「トーヤさん、ギルドに戻りましょう。」
ト「はいっ!」
お母さん譲りのトーヤさんの紫色の瞳には、薄っすら涙が浮かんでいました。
後書き
第23話終了・・・疲れた~。
トーヤの過去でしたね。え?期待どうりじゃなかった?それは・・・ドンマイです!にしても、トーヤは幽霊だったんですね。因みにトーヤは人間の姿の時はちゃんと足はありますよ。
次回はまた過去編です。誰の過去かは次回!
それではまたね~♪
ページ上へ戻る