DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)
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第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
第23話:隠し事は苦手ですか?
(コナンベリー)
シンSIDE
どことなく色っぽさが増したリューノちゃんに気付かないフリをしながら辿り着いた『コナンベリー』という町。
エンドールで聞いた話では、この町に船製造を依頼しに来たトルネコさんという人物が居るはずです。
多分その人はミネアさんが占いで出した“導かれし者達”の一人だと思われます。
そして何より、彼と共に行動しているのは、リューノちゃんのお姉さんであるリューラさんだという事です。
あんまりリューラさんの話題を出さないお二人ですが、きっと再会できる事は嬉しいはずです。
だって家族なんですから!
「此処にトルネコってオッサンが居るはずよね! 何処かしら……?」
「そりゃ船を入手する為にこの町に来たのだから、港付近の造船所だと思うよ」
みんなの疑問をマーニャさんが代表して発言すると、即答でウルフさんが問題を解決する。
以前に訪れた事のあるホフマンさんが「じゃぁこっちですね」と俺達を導いてくれる。
地味だがホフマンさんの情報は頼りになります。
無駄に町中を歩かなくても良いのですから。
ホフマンさんに連れられコナンベリーの町を突っ切っていると、ウルフさんが眉間にシワを寄せ不思議がる……
「港町なのに……活気が無いなぁ」
そうなんですか? 俺はブランカ・エンドール・アネイル…そしてこのコナンベリー以外の町を知らないから、活気がないのかは判りません。
「そうですね……私達の故郷にあるハバリアという港だって、今のこの町より活気がありました。町の規模はハバリアの方が小さいのに……」
「でも今頃、キングレオが港封鎖をしてるから、ここより酷い事になってるわよ!」
おっとりとした口調で話すミネアさんに、寂しそうに強めの口調で話すマーニャさん……
気付けば海を見渡せる場所に出てきており、晴れ渡る青空を反射した海が眩しく煌めいている。
「どうやら活気のない理由が判ってきたぞ!」
流石ウルフさんです。俺には見当も付かないのですが、海を見ただけで原因を推測してしまったんですね!
「何が判ったのウルフ!?」
俺も凄く気になるけど、お二人の仲を秘密にしたいのなら、腕に抱き付き顔を覗き込んで質問するのは止めた方が良いと思うよリューノちゃん。
ラブラブしたくてしょうがないのだろうけど……
「あ、うん……アレだよ……その……」
リューノちゃんの行動に戸惑うウルフさん……それに気付いた彼女はさり気なく腕を放し離れる。
俺はチラッとマーニャさんに目を向けたが、気付いてる様子はない。思っていたより、その手の事に鈍感な女性らしい。
「えっとだね……び、美女が少ないから……町が廃れたんだと思うよ!」
「はぁ? アンタ何馬鹿事言ってんのよ!?」
何時もの二人の関係に戻すべく、ウルフさんが馬鹿事を言って誤魔化すと、それを察したリューノちゃんが冷たい口調で言い捨てる。
大変だなぁ……もてる男って!
「冗談だよ……そんなに怒るなよぉ」
「……で、本当は何なのよ!?」
何時ものリューノちゃんなら、この後も執拗に怒っているのだが、彼女もこの町の事が気になるのだろう……早々に引き上げウルフさんの推測を促す。
「ほら海を見てごらん……穏やかだろ?」
「それが?」
確かに穏やかで良い感じの海ですが……それが何でしょうか?
「こんなに海が穏やかなのに、船が一隻も見当たらない。港町として大規模な港が整備されているにも関わらず……港町が港として機能していないから、この町は活気が無く廃れ始めているんだと思うね! ただ……何で港として機能してにのかは判らないけど」
なるほど……言われてみれば確かに船の往来が無い。
何が原因なんだろう?
「ではやはり、取り敢えず造船所に赴いて、関係者達に訳を聞いてみましょう!」
「うん。俺もシン君の意見に賛成だ! もしかしたらトルネコさんも、それが原因で困ってるかもしれないしね」
俺はウルフさんの同意を付けるとみんなを見渡し無言で頷く。
ホフマンさんにも伝わった様で、先ほどよりも早足で造船所へと導いた。
造船所に入って最初に目に付いたのは、ほぼ完成間近の中型船が一隻……
出向の準備と共に細部の仕上げを行っている。
忙しそうに動き回る造船員を一人捕まえ、トルネコさんの事を訪ねてみる。
「ああトルネコのダンナならアッチでみんなに指示を出してるよ」
そう言った造船員の指さす方に目を向けると、良く言えば恰幅の良い男性が……悪く言えばおデブな男が偉そうに指示を出している。
「あのデブがトルネコ? リューラは何処に居るのかしら……」
飾る事のないリューノちゃんの台詞……
本人の前では遠慮してもらいたい。
「あれほどの美人(ネネさん)が、あのデブの何処に惚れたんだ? 男の趣味が最悪なのか、あの人妻?」
ウルフさんもトルネコさんに近付きながら思った事を口に出しています……
周囲が騒がしいのでご本人さんには聞こえて無さそうだけど、トラブルの元だから控えて欲しいのに!
「あ、あの……すみません。貴方がトルネコさんでしょうか?」
ウルフさんやリューノちゃん……ましてやマーニャさんに任せる訳にはいかないので、俺が率先してトルネコさんに話しかけます。
他の人には口を開かせない為に!
「はい、そうですが……あなた方は?」
「お、俺達は………」
口の悪い方々に喋らせない様、俺は慌てて説明する……これまでの事を!
シンSIDE END
後書き
あの程度の暴言で巻き起こるトラブルは、トラブルと認識していないご家族……
一体どんなご家庭で育てば、このような性格になってしまうのでしょうか?
品行方正な僕(あちゃ)には解らな~い。
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