ヘタリア大帝国
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
TURN74 合流する者達その十三
「大佐の報告も読まれてですね」
「戦略を練ろう、すぐにな」
「わかりました、では」
秋山はこのことはすぐに敬礼で返した、そしてだった。
ここでドイツが暗い顔で一同にこう言ったのだった。
「俺達も中南米に行くことになるな」
「ああ、そうだ」
東郷がそのドイツに答える。
「インド洋の艦隊は柴神様に伊藤首相、ギガマクロ酋長にハルマのお兄さん達を配置する」
「そして満州には中帝国方面の軍を回してか」
「残りの艦隊は全て中南米に向ける」
まさに主力をだというのだ。
「だからドイツさん達にも来てもらいたい」
「それはわかったが」
ドイツは自分のことはいいとした。だが、だった。
「総統もだな」
「そのつもりだが、無理か」
「まだ虚脱状態だ」
レーティアはそのままだというのだ。
「視線も虚ろなままだ」
「そうか、まだか」
「艦隊を指揮出来る状態ではない」
ドイツは苦い顔で述べた。
「残念だが」
「日本に着いた、後は立ち上がってもらいたいがな」
「難しい、今はな」
「そうか、どうするべきか」
東郷も難しい顔になる。
「真剣に考えるべき時が来たな」
「付き合う相手がいたらいいんだけれどね」
イタリアは思いついてこう言った。
「誰かね」
「馬鹿を言え、総統にそうしたお相手がいるか」
ドイツはイタリアの今の言葉にむっとした顔で返した。
「それは考えればわかるだろう」
「そうかな。総統だって女の子だし」
「総統はドクツの国家元首だ」
だからだと言うドイツだった。
「父なる国家を夫とする方だ」
「じゃあドイツが総統の旦那さんになるのかな」
「それも違う」
尚ドイツは独身である。
「とにかく総統に交際なぞするお考えはない」
「そうなんだ」
「そうしたことを言う不届き者もいなかった」
レーティアはアイドルであるがそれと共にドクツを立ち直らせた英雄だ、神格化されている彼女にそうしたことを言う者もいなかったのだ。
「一人としてな」
「統領にはいつもいるのに」
ムッチリーニはそうしたポルコ族の青年達をいつも笑ってあしらってもいる。
「ドクツは違うんだぜ」
「あの人はあの人だ」
実はドイツはムッチリーニも嫌いではない。
「だからだ」
「ううん、そうなんだ」
「そうだ、だからだ」
それでだと言うドイツだった。
「あの方にそれはない」
「じゃあどうすればいいかな」
「何かきっかけがあれば違うが」
ドイツは腕を組み真剣に考えている顔で述べた。
「そのきっかけが何かはわからない」
「気分転換で何処かに行ってもらう?」
総督はこうした提案を出した。
「そうする?」
「気分転換か」
「うん、旅行でも行ってもらってね」
「それもいいか」
「太平洋、インド洋には観光名所lも多いしね」
「美味しいものを食べて頂くとか」
日本の提案はこれだった。
「あの方は菜食主義者とのことですが」
「それもしてみるか」
「艦内の閉鎖的な中での限られたお食事よりはずっといいかと」
「ああ、色々してみるか」
「最悪あの人抜きでアステカと戦うことになる」
東郷は現実を言った。
「そうなることもだ」
「考えないといけませんね」
「それでも戦うことは出来る」
実際戦力的にも充分である。
「アステカ帝国の戦力次第だがな」
「それでもですね」
「ああ、それは出来るが」
「ですがあの方がおられれば」
「大きい」
戦力的にだというのだ。
「戦術面でも天才だからな」
「そうです、ですから是非にといきたいのですが」
「だがそうした状況ならだ」
「あの方がおられない場合も考えますか」
「そうしていくか。何はともあれ一旦戦力をテキサスに集結させる」
中南米への入り口であるそこにだというのだ。
「大和の用意は出来ているな」
「試験運用も終わっています」
「では行こうか」
「それでは」
このこと自体はスムーズに進んだ、レーティア=アドルフ達は無事に日本に着いた、しかしそれでハッピーエンドとはならなかった。
TURN74 完
2012・12・12
ページ上へ戻る